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ブースター バタやん

ようやく冬らしくなってきた。

朝が寒すぎて、布団からなかなか出られない。
まさしく、冬。

そんな時は、枕もとのスマホで音声を聞く。
目を閉じたままで、どんな姿勢でも聞くことができる。
こういう朝にはありがたい。

これが、私にとって、布団から飛び出すブースターとなっている。

よく聴いているのは、婆バカまるだしで、孫の動画音声。
映像なんか見なくても、声を聞いているだけで元気が出てくる。
まだ、言葉らしい言葉はないが、
あぐぐ~
ぴ~ぴ~
あれ~~
ここあ~~
などの宇宙語が、耳にとっても心地よい。
ただ、下手すると、これは、何度も再生してしまい、結局布団からよけいに出られなくなる危険性はある。


そして、もう一つ愛用しているのが、ポッドキャストである。
中でも、「真夜中の読書会 おしゃべりな図書室」という番組が大好きである。
15分程度というのが、ほどよい。
それより短いと、もう少し聴いていたいとなるし、
それより長いと、朝の用意に差しさわりが出てくる。
そのほどよい時間内に、本の紹介をしてくれるこの番組。
リスナーから寄せられたメッセージに対しての、おすすめ本の紹介が楽しい。
それを、「勝手に貸し出しカード」と名付けているのも面白い。


MCのバタやんが、
どうして、この本を紹介したいと思ったのか、
この本を読んでどんなことを感じたのか
最後には、本からの神フレーズの紹介
などを、穏やかな語り口調で、ほどよいテンポを保ちながら、簡潔に説明してくれる。
内容も、話し方も、声も、どれもが私にの耳には心地よい。
BGMもいいんやなあ。

紹介本は、小説であったり、ノンフィクションものであったり、専門書や学術書っぽいものと幅広く、それでいて、頭を悩ませないと読めないものではなく、本の中の言葉に心を動かされるような類のものが多い。

そこも、お気に入りの点の一つである。

少し前の紹介本も面白かった。

スマホの誘惑に勝てない というリスナーからのお便りにこたえるものだった。

『読書よりも、スマホを優先するようになってしまった。
 家族との食事の時にでも、ついついスマホをさわってしまう。
 どうすれば、スマホの誘惑から、逃れることができますか。』

そんなお便りに対して、下記の本が紹介されていた。

ただ、この本を読んだからといって、スマホの誘惑に勝てるようになるわけではないですよ~~(ちょっと言葉は正確ちゃうけど)

という前置きが、私の中の好感度をあげてくる。

その本とは、これである。


ラッセル・A・ポルドラックさんの「習慣と脳の科学 どうしても変えられないのはどうしてか」

この本では、一度習慣化してしまったことは、なかなかやめられないというメカニズムが分析されているそうな。

以下、
ポッドキャストからの一部引用である。
言葉が正確でない部分については、どうぞお許しください。

習慣というのは、自動化するということ。簡単に言うと。
意識しなくてもできるようになることで、脳の負担を下げるしくみを自動化と言う。
そして、自動化してしまった運動って、制御が難しくなるらしい。

そういう習慣をやめたり、変えたりするには、自制心が強くないといけないとか、強い意志が大切と言われたりするが、そうでもない

自制心が強いと思われる人は、衝動を抑えるのが得意なのではなく、そもそも自制心を働かせる必要性を回避することが得意であるようだ。

(とある実験をもとに)
自制心が高い人は低い人に比べて葛藤が少なく、欲求に抗う回数も少なかった。さらに、自制心の高い人は概して欲求を経験する頻度が低く、感じている欲求の程度も弱かった。

(また別の実験をもとに)
自制心が高い人ほど運動量が多く、健康的な間食をとっていた。自制心の高い人は、運動や健康的な食事をより習慣的に行っている。
つまり自動化になっている。

つまり、のぞましくない選択を迫られる機会(自制心を求められる状況)を少なくする。
具体的には、スマホを見ないようにしようではなく、手元にないという状況を作るということ。

バタやんも言っていたけど、
あたりまえっちゃあ、あたりまえなことである。

でも、私にはかなり新鮮だった。

40代頃までは、好きな言葉「全力投球」なんて、青臭いことを言ってたような私。

〇〇せな  
〇〇をめざさんとあかん
がんばらんとあかん
がんばらなあかんねん

そんな感じやった。

今でこそ、「全力投球」は言わなくなったけど、その名残はまだまだ残っている。

だから、自制心が高い人は、頑張っている人やと思ってた。

だから、自制心が低い自分は、頑張れない、あかん人やと思ってた。

でも、どうやらこの本では、それは違うで!って言うてはるようや。

そもそも、そんなに、力(りき)んではらへん。

ひょうひょうとしてはる。

自動化という言葉でカッコよく言ってるけど、それって、何も考えずにさらっとやってしまうってことなんや。

なかなか布団から出られへんのも、頑張って出なあかんと強く思い過ぎてるんかもしれん。

布団からでますよ。
はいはい。
朝やからね。
いつもと一緒。
はいはい、出ますよ。

てな感じで、いつもの朝の習慣として、身体を動かしなはれってことみたい。

さっ、起きよか。
寒いけど、ここはひとつ思いきろか。
ほないくで。
よいしょ!
気合や~~!


なんて、そんなん、いらんねやなあ。

何にも考えんと、朝やから起きる。
いつも通り

これにつきるんか。

いつもの病院に治療に行くのも、
「よいしょ~。」
とか言うてんと、
「頑張ってんからごほうび~~。」
とか言うてんと、
いつも通りと思っていった方が楽かもしれんなあ。

なんも考えずに、習慣の一つにしてしもたら、いいんちゃうやろか。


まあ、ごほうびは欲しいけどな。


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