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鶴、迷惑な子らとその母(2023/01/29の日記)

 昨夜妻と鶴を折っていたら、12時の時点で随分眠くなった。鶴を折る作業には催眠効果があるらしい。

 19の時にガラス瓶を作る工場でアルバイトをしたことがある。朝8時から夜8時までひたすらコンベアで流れてくる瓶に傷がないかを目視する作業で、体は楽だが恐ろしいほどの眠気に襲われた。勤務中に寝るわけにもいかず随分困った。そんなことを思い出した。

 目覚めたら9時半だった。驚いた。何か夢を見たのは覚えているが、内容は忘れた。

 階下へ行っても妻がいない。娘が昨夜友達の家に泊まらせてもらったから、恐らくそれを迎えに行ったものだろう。
 とりあえず冷蔵庫にあった餅を焼いて食っていたら妻子が戻ってきた。

 日中はずっと、シマちゃんに贈る鶴の続きを折っていた。
 昨日の今日ではとても1000羽は折れないが、家にあった折り紙全部を使って50羽くらい折った。やはりちょっと眠くなった。折った中の何羽かで妻が『シマちゃんと子供たち』と題するオブジェを作った。大きな鶴に「交通安全」と書いた旗を持たせ、その周りを小さな鶴が同じ向きで囲んでいる。
 娘はクッキーを焼いた。これもシマちゃんに贈るそうだ。大きく作ったクッキーに「がんばれシマちゃん」と書いていた。

 日が暮れた後でスーパー銭湯へ行った。
 風呂に浸かっていたらスタッフが数名駆け込んできた。誰かサウナで倒れた人でもあるのかもしれないが、ちょうど死角になっていて見えなかった。

 妻子が出てくるのを待つ間に休憩スペースの畳で読書をしていたら、小さな子供が3人で駆け回りだした。親は近くにいないらしい。
 子供らはヨギボーを重ねて飛び乗ったりよじ登る遊びを始めた。
 やがてめいめいがヨギボーを持って走り、自分の真横で飛び乗ったりよじ登ったりをやり始めた。もし落ちてきたら自分の足の上だ。
 なんでここでやるかな、鬱陶しい、きしゃなげな(広島弁)、とか色々思ったが、だからといってこっちが移動するのも業腹だ。どうしたものかと思っていたら母親が駆けてきた。

「こら! 1人1個まで!」
 怒るポイントが違う。
「3人いるから3個」と、子供が言う。
 自分も彼らの年ならこう返すだろうと思った。
「そんな遊びをしない!」

 ようやく迷惑な子供らを引き連れていった。
 その際、こちらに会釈の一つもない。実害を被ってないのだからマストではないが、ちょっとひっかかる。本から目を話してそちらを見ると、向こうも振り返って何だか睨んだようだった。わけがわからない。

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百裕(ひゃく・ひろし)
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