見出し画像

【スコープ】コロナ禍で“生活習慣病”のリスクが上昇 とりわけ「脂肪肝」に注意!

コロナ禍で生活習慣病のリスクが上昇している―

 日本生活習慣病予防協会が全国の40~60歳代の男女3000人(「一般の人」)と各種健康診断を担当する全国の医師50人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大前後の体調変化や生活習慣などについて調査したところこんな実態が明らかになった。新型コロナウイルス感染拡大後の生活変化で、新たに「高血圧症」「脂質異常症」「糖尿病」「肥満症」などの生活習慣病を診断された人が増加。医師を対象に行った調査では、「生活習慣病のリスクが増加している」との回答は全体の84%にのぼったという。医師は「新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、体重や糖代謝、脂質代謝の検査値が悪化している」と警鐘を鳴らしている。

 今回の調査で「一般の人」を対象に新型コロナウイルス感染拡大後に新たに診断された病気について聞いたところ、「高血圧症」が6.4%、「脂質異常症(高コレステロール血症など)」が5.5%、「腰痛症」が4.1%、「糖尿病」が3.0%、「肥満症」が2.3%と続いた。

健康診断

健康診断などで検査値の悪化を感じる症状(複数回答)

 内科や消化器内科の医師50人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大後の患者の検査値が悪化していると感じる症状を挙げてもらったところ、トップは「体重増加」で76%。 「糖代謝」が46%、「脂質代謝」が44%と続いた。また、医師の 3人に1人が「肝機能」(34%)の悪化を指摘した。新型コロナウイルス感染拡大後の生活変化によって、「生活習慣病のリスクが高まっているか」と聞くと、全体の84%が「生活習慣病のリスクが高まっている」(「そう思う」が28%+「ややそう思う」が56%)と回答した。

 今回の調査では生活習慣病の中でも飲酒習慣や運動不足、過食などと密接に関係がある「脂肪肝」にも焦点を当てた。一般の人を対象にした調査で、コロナ禍で体重増加や肥満、食生活の乱れや甘いものや飲酒の増加などが見られたからだ。こうした生活習慣が続くと、「脂肪肝」のリスクが高まるとされる。実際、医師に「脂肪肝の疑いを指摘することが増えているか」と聞くと、「増えた」との回答が56%にのぼったという。

 脂肪肝の疑いを指摘することが増えたと感じる理由を聞くと、「いわゆるコロナ太りを一定数見かけている」(内科)、「体重増加とともに肝機能が悪化していっている人が多い」(糖尿病・代謝・内分泌内科)などの意見があった。運動不足や食生活の乱れによる体重増加、そこから派生する生活習慣病、脂肪肝のリスクも高くなっている。

 医師から「脂肪肝」や「脂肪肝の疑いがある」と指摘された時の食事について、同協会は「ごはんやパン、麺といった主食は今より10%減を目安に糖質の摂取を減らす一方で、糖質の吸収を抑える食物繊維が豊富な野菜やキノコ、海藻類は積極的に摂取すること」と指摘。ビタミンEやレシチンが含まれる納豆やコーヒーなどは脂肪肝の発生を抑え、また食物繊維が豊富な抗酸化力のあるポリフェノールも肝機能改善に役立つとしている。



いいなと思ったら応援しよう!