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後輩指導が難しい-「~が分からない」と質問された時に分からないって何を指すか考えてみる-
仕事をしていると後輩から、相談されたり、質問されたりする機会は多い。その際にアドバイスをしてみても、相手が納得しない顔をしていることを度々経験します。
特によく出会う「~が分からないんです」と質問してきた時、分からないというのはどういう意味か、回答する前に一度立ち止まって考えてみることも大切な気がします。
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澤田直也は、大学を卒業し働き始めて8年が経過した。前年まで教育の管理担当者であった先輩松本の退職に伴い、今年度から澤田が教育担当者を引き継ぐことになった。
澤田が勤める病院は、若いスタッフの人数が多い。そのため教育のシステム作りだけではなく、スタッフ教育も澤田の主要な仕事の一つになっている。
仕事上、教育に力を入れているが、教育の難しさに時々疲れてしまう。そんな時、学生の頃お世話になった先輩の福田をふと思い出し、連絡をしてみた。
「久しぶりです」
「久しぶり、元気?」
「ほどほどでです」
「まあまあ、そんなもんだよね。しかし、急な連絡だねどうしたの」
「何がってことは無いんですけど、教育が難しいなと感じることが多くて、、、なんだか疲れてしまうんですよね」
「まあ、教育って難しいよね。俺も凄い困っている。アドバイスはできるか分からないけど、話なら聞けるよ。ちなみにどんなことがあったの?」
「そんなに大したことではないのですが、今日は書類の作り方が分からないって後輩が言ってきたんです」
「うん、それで」
「だから、作り方をまとめた書類があるからそれを確認してねって言って、それがある場所を教えてあげたんです。だけどその後も分からない、分からないって言っていて仕事が全然進んでいないという事例があったんです」
「そっか、ちなみに書類の作り方が分からないってどういう意味だったんだろう?」
「それはさっき説明した通りで、作り方が分からなかったんだと思います」
「そうかもしれないね。でも違う可能性もある。説明書を読んだかって確認してみた?」
「それはしてません、、、してませんけど、、、もしかすると、、、説明書を読んでも分からなかったのかもしれないですね」
「確かにその視点も面白いね。俺はね分からないって、教えてほしい、単純に知らない、分かりたくないが含まれているなあって思うことがあるんだ。それによって支援すべき方法が違うような気もする」
「書類の作り方を知らない場合であれば、今回の対応でも良かった。けれど書類作りのここの方法を教えて欲しいだったら、今回の支援方法では不適切なのかもしれませんね。アドバイスの方法ではなくて、聞き方を間違えたのかもしれないですね」
「まあ、後輩側もそこが上手く伝えられるようになる必要もあるんだけどね。ゆくゆく上手くなっていってくれるといいね」
「なんか、心が少し軽くなった気がします。また相談していいですか?」
「なんかあったら連絡ちょうだい」
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後輩指導で「~が分からない」と質問された時には、分からないが教えてほしい、単純に知らない、分かりたくないの何を指しているのか、回答する前にちょっと考えてみるのも大切なのかもしれませんね。