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「わかっちゃいるけど」「どうにもとまらない」"こころ"を"しずめる"には

前世(得度前)では、忙しく足早に歩き次々物事を進める自分がカッコイイと思ってました。

でも、忙しい様って
「忙」 = 「心亡こころな」くしている状態。

そして、次々と予定をこなす慌ただしい様は
慌」 = 「心荒こころあ」れている状態。

思い起こすと、前世の自分は、こんな感じだったのでは…。

仕事や家事などに没頭し忙しい時ほど、他の物事に気を向けれない「心ない」自分であったり、慌ただしさで、心の荒々しさを周囲に態度や言葉でぶつけたり。

みなさまにも、そんな経験はないでしょうか。

とはいえ、慌ててしまっているときに「慌てぬよう」と抑えようとしても、なかなか、そうは問屋がおろし大根です。

「落ち着いて」なんて言われようものなら、「分かってるよ!」とかえってムシャクシャ。火に油です。

「イライラしちゃだめ」「あとで後悔するヤツ」と、アタマで「わかっちゃいるけど」、心が暴れ始めたら「もう、どうにもとまらない」…。


こんな時、どうすれば…。

まぁ、ひとまず、
おろした大根に、そそいだ油で厚揚げに合わせて…。
あー、なら、せっかくなので、熱燗もう一合だけ…。
大丈夫!!。ぜんぜん、酔ってなんかないから!!
もう一杯!!

…あ。
気がつけば、心が欲に流され、「どうにもとまらない」になっていました…。
スミマセン。

心乱れず、しずかにいるのは、なかなか難しいものですね。

ブッダも

 心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するがままにおもむく。その心をおさめることは善いことである。心をおさめたならば、安楽をもたらす。

ブッダ 真理のことば(ダンマパダ) 三五

と語ったそうです。

欲や感情に流されてしまう心の姿は、まるで
「林のなかで猿が果実を探し求めて、あちらの枝からこちらの枝へあちこちさまよう」とも語ってます。

実は、約2500年前にブッダが語った「軽々とざわめき」「あちこちさまよう」心の姿は、最新の脳科学の視点からも「そのとおり」のようです。

脳は、無自覚のうちに、自分に都合よく心地よい判断や行動をとっていくようにできている。

たとえば、喉が乾いて、水に腕を伸ばし水を飲む。
それは自分で「自覚して望んだから」起きた行動ではない。

「水を飲もう」「腕を伸ばそう」と自覚する数秒前から、脳の中では無自覚のうちに「腕を伸ばす」司令が始まっている。
我々は、まだ、そうとは感じられていないのに。
それを、さも「自分が望んだとしか感じられない」ように意識に流し込まれていく。

それが最新の脳科学が示す、我々の脳や意識のありかただそうです。

信じられないでしょうか?

でも、下のテーブルのサイズは「違うとしか"感じられない"」のだとしたら、それが証拠です。

シェパードの錯視 - テーブルのサイズは実は同じです


コレを語り始めると、ちょっち長くなりまして。
下記に70ページほどのスライドにまとめたブログがあるのですが…。


あ…。

いかんいかん。

また、「あちこち心がさまよう」ところでした…。
いったん脳の話しは「待て」としましょう。

さて、最新の脳科学が示すには、つまるところ
我々は、無自覚に沸き起こる感情や欲に「おもむくまま」流されがちである。

気がつけば、次の動画を再生していた。
気がつけば、も一つドーナツに手をだしていた。
気がつけば、もう一杯、お酒を注いでいた。

気がつけば、不安が膨らみつぶれそうになっていた。
気がつけば、感情を爆発させてしまっていた。

などなど…。
難しいもんですね。こころって。

だから、欲や感情に流されがちなこころを「おさめる」のは簡単ではない。


では、どうしたら、おだやかで"しずかな心"を手にできるのか

いよいよ本題です。長かったですね。
あやうく、もう一合、熱燗頼んじゃいそうな所でした。

今回はドラムロールなしに、もったいぶらずに、すぐに発表です。

準備はいいですか??

どうぞっっ!!!!

それは

ひと呼吸すること


なんです。




え??

あれ???

なんか、怒ってませんか(T_T)?


スミマセン。
でも、それが答えなんです。

もう少し補足すると

「"意識して深く"ひと呼吸する」

ことなんです。
大真面目です。酔ってまへん。


さて、呼吸って、すごいんです。

食べ物は1週間くらいなくても生きられますが
息はものの数分無いだけで、すぐに、死んじゃう。

おギャアの瞬間から、息を引き取るまで、ずっとしている。
にも関わらず"自動運転"で、ほったらかしでも無自覚で動いてくれている。

心臓だって、止まるとすぐ死んじゃうし、無自覚で動いてくれるけれど、
呼吸は「意識してコントロールできる」。

心臓のバクバクは、アタマでどうこう抑えられるものではないけれど、
呼吸は、浅く荒いときさえ、意識すれば、ゆーっくり深くするなど、ある程度コントロールできる。

そして、深い呼吸(深呼吸)ができれば
身体のこわばりやストレスがかかる状態が少し和らぐキッカケとなり、心をすこし落ち着かせる時間が生まれる。

実は、特に不安や怒りなど感情に流されているときは、身体がこわばり、呼吸も浅くなってしまっている。
その状態では、脳にフレッシュな酸素は届きにくく、ますます冷静になりにくくなる。

だから、まずは、意識して深く一呼吸するのが大切だと思うのです。

もちろん、ひと呼吸では、少ししか心をしずめられないかもしれません。

でも、放っておくと、流され、どんどん流れも早くなる前に、少しだけ、浮島にあがって、落ち着きを取り戻せる効果は生まれる。

その上で、よりしっかりと深呼吸をして、冷静さを取り戻すキッカケもうまれる。

まずは、一呼吸もてるよう、意識してみる。

ちなみに、ブッダも「息の出入りに意識を向けて」と、呼吸へ意識を向ける重要性について語ってます。

その概念は、ブッダ以前の古代インドからあったようで、仏教だけでなく、ヨガや瞑想を通しても現代にまで伝わってますね。

数千年続いてきていることには、効果があるのでしょう。

ということで、ときに「どうにもとまらない」こころをしずめるには、まずは呼吸に意識し、しっかりと呼吸をする機会を持ってみる。

「息を忘れないようにする」

ことでしょうか。

さぁ、しっかりと、吐いて、そして、吸い込んで。
もういっかい、肺を絞りきって、中の二酸化炭素をすべて吐き出すように〜。

そして、めいっぱい酸素を取り込めるように〜。

すこしリラックスできましたでしょうか。

それでは、今日残りの時間も、おだやかで、おもしろき時間が流れますよう。

今日もお付き合いくださり、有難うございました。

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龍光ブログ
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