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赤坂おぎ乃 2024.07
はじめに
赤坂にあるミシュラン1つ星の日本料理店、「赤坂おぎ乃」に参りました。
大将荻野さんのInstagramにて募集されていたキャンセル席をいただき、念願の訪問でした。
勝手に評価!
総合評価:4.6 凄く良い!
料理・味:4.7
サービス:4.6
雰囲気:4.5
コスパ:4.7
実際に食べたもの
お飲み物
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ドリンクにRococoがあったので、即断で。
あっさり柔らかなのど越しで、飲みやすいです。
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食前酒として供されました。
柔らかくも確かに梅の甘みと酸味を感じます。
コース前半
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卵やとうもろこし、とうもろこしの芯で取ったお出汁(お酒とこぶ出汁を使うと美味しいお出汁が取れるそうです)で作った茶碗蒸し。そこへとうもろこしのピューレ、玉ねぎのすり流しに焼きとうもろこしとインゲンを添えて。
とうもろこしの甘みが濃ゆい!だけれど、自然由来の甘みといんげんの青味からか、とても軽やかに頂けました。
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ミネラル感と甘みがギュッと詰まった毛蟹は勿論美味しかったですが、特に印象的だったのは透明なトマトジュレ。
トマトのフレッシュな果実味や爽やかな酸が、濃厚な蟹やまろやかなずんだとよく合います。
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お出汁がとっても澄んでいる。
優しく清らかな旨味に、ふんわりとしたおこぜと丁寧に下処理されたじゅんさい。
磨かれた技術力を感じる一皿でした。
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丁寧に隠し包丁された蛸は、肉厚な噛みごたえがありつつ、ふんわり。相反しそうな2つの食感を一度に味わえるなんて、と不思議な感覚に。
合わせるのは自家製の梅酢。梅肉に鰹節を細かく刻んだ物も入っているそう。ぎゅっと詰まった甘みとまろやかな酸が堪らなく美味しかったです。
(次の鱧のお料理に合わせて、とおかわりも頂戴いたしました)
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とっても厚い鱧ですが、驚くほどにふんわり。
旨味がしっかりあるため、ちり酢や梅酢とよく合います。
そして、こちらもお出汁が美味しい。とっても綺麗で温かな旨味に、心がじんわりと和みます。
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口に入れた瞬間に分かる、上質な脂乗りと口溶けの良さ。後から来る、ふんわりと皮目の香ばしさが心地良い。
合わせるのは、著荷やネギを使った塩ダレ。香ばしい香りがありつつ、著荷の爽やかさが良い仕事をしている。
夏の清々しさ、瑞々しさが詰まった一品でした。
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夏の名物とのことですが、期待を遥かに超える美味しさ!
肉厚なのに驚くほど柔らかな飽がゴロゴロ。
でも、個人的に主役はソースとそうめん。
飽のすり身のソースは飽の純粋な旨味と、柚子の皮の清涼感がふんわりと鼻をくすぐる。
手延べそうめんは喉越しが 良く、ソースとよく絡み合い、抜群の相性。
わんこそばのように、盛り盛り頂きたかった。
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7月は七夕をテーマにしたとのことで、天の川をイメージした八寸です。
下記の料理が供されました。
フルーツトマトとじゅんさい
能登産もずく酢
湯葉、鰹出汁と鼈甲餡
擦りたての胡麻とアオリイカの刺し身
シャインマスカットと白和え
但馬牛のすき焼き仕立て
どれもとっても美味しかったのですが…食べるのに夢中で、いくつか写真を失念しました(笑)
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但馬牛はしっかり、でもサラサラとした脂の甘みを感じます。
そして、タレがいい塩梅の甘塩っ気で、但馬牛は勿論、玉ねぎや黄身のソースを繋ぐ土台となっておりました。
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瑞々しい甘みのシャインマスカットとまろやかな白和え。
驚きましたが、相乗効果を感じる組み合わせでした。
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途中から揚げ立てを供されました。
サクッとした衣の中は、ホックホック(ホワッホワッがもっと近いかも?)の甘いさつまいも。
嬉しいサプライズです。
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サクッと軽やかな食感と鮎ならではのほろ苦さ。このほろ苦さが強過ぎない、いい塩梅で、まさに大人の美味しさです。
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是非合わせて召し上がって欲しいと、アルコールを頂いていたゲストには黒ビールも供されました。
鮎の心地良い余韻をビールで流すと、鮎のほろ苦さを黒ビールのコクがまろやかに包み消えていく。
最高でした、大人で良かった。
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さっくりと軽やかな衣の中のマナガツオ、 しなやかな脂がとろける。
賀茂茄子もふわっとした食感ととろりと液体のような甘みに頬が緩みます。
万願寺とうがらしは甘みとほんのりと青み、そしてシャキッとした食感。
それぞれの食材が秀でつつも、一気に頂くとさらなる美味しさを感じました。
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ジュレの旨味が濃ゆい。
濃ゆいのだけれど、キュッと詰まった海老や濃厚な雲丹、瑞々しい冬瓜をまろやかに包む橋渡し役となっております。
コース後半
ここからは待ちに待った、ご飯タイムです。
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いきなり美味しすぎた…
皮はパリッと、身はふわふわを通り越してふわんっふわんっ。
たっぷりと、でもさらさらと清らかな脂乗りと山根の鼻を通る清涼感が良い塩梅。鰻と山椒の香り、とても心地良い後味を残します。
こんなに美味しい鰻丼を締めとして頂けるなんて、贅沢です。
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とびっきりの笑顔にキュンとしてしまい、思わずお写真を撮らせていただきました。
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2種類のとうもろこしをお米と共に炊き込み、仕上 げには生のシャイニングコーンをトッピング。
異なる食感や甘みに、ヒゲの香ばしさも加わります。
おかわりをおねだりするほどに、美味しかったです。
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お米はハラリとした炊き上がり。粒の立ちとお米の甘みを感じます。
牛券のきんびらは甘塩気のバランスとほんのりと感じる土っぼさ。
病みつきになります。
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山椒も入っております。
じゃこの塩気と山椒のほんのりと鼻を通る清涼感。
この塩梅が非常に好みでした。
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ふんわりとした鰹節や海苔の風味、わさびを卵黄がまろやかに、でも優しく包み込む。
卵の旨味は感じつつも「卵味」にならない、絶妙なバランスでした。
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塩気とコクがどんどん口の中に広がる。
この余韻だけで、ご飯のおかずになります。
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柔らかなお出汁に、ほんのりと梅の効いた鯛のほぐし身。
爽やかで軽やかな味わい深さで、ゆっくり味わうつもりが、掻き込んでしまいました。
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つるんと喉越しの良いわらび餅。
優しい甘みがふわっと広がり、すっと消えます。
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練乳アイスはさっぱり爽やか、だけれどしっかり「乳」を感じる。これはもう、ペロペロ食べたい。
そして、天使音マスクメロン、口の中の滞在時間の短さに驚きました!
溢れんばかりの瑞々しく濃縮した甘みのジュースが、気付いたら無くなっておりました。
おもたせ
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この日頂いた土鍋ご飯とおかずをお弁当に包んでくださいました。
まだまだ食べ足りなかったので、帰宅時速攻で頂く(笑)
時間がたって、お米のもっちり感や甘みが加わり、こちらも大変美味しかったです!
共通して感じたのは、食材の吟味とそれを活かす技術力、でも素材任せとしない付加価値を加えるご姿勢。
美味しいのは勿論のこと、はっと驚かせるような食材の組み合わせもあったり。
次の月のお食事は大変気になります…
サービス
品出しのテンポが非常に良かったのですが、その中でも丁寧な動きと、気さくにお話掛けてくださるといったお心遣いが心に残りました。
本当に非の打ち所がない…
強いて申し上げるならば、周りの食べるスピードが早くて少し焦ってしまったことぐらいでしょうか。
お値段
コース(33,000円、税込サ別)、ROCOCOビール小瓶×1で37,000円/1名でした。
お食事の量と質、サービスを考えると…とってもコスパが良い。良過ぎます。
まとめ
素晴らしいお食事と皆様の温かなお人柄、ファンが沢山いらっしゃるのも納得です。
残念ながら、来年(2025年)の予約は満席で次回予約はできなかったのですが、またキャンセル待ちを拾って伺えたらと思います。