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Photo by
asukakilombo
一瞬の辛さと幸せは同じ空間にいる
夏休みのとっても暑いお昼の話。
高校の時寮に住んでいたんだけど、何かの疲れからだろうか。
普段辛いものをあまり食べない自分がふと一瞬、辛いものを食べたくなったんだ。部活終わりに近くのスーパーで丸美屋の麻婆豆腐の辛口と一番安い絹豆腐を買ってワクワクしながら寮に帰った。
寮に帰ってフライパンを出し
「どのくらい辛いんだろう」
「辛すぎたら後輩に食わすか」
「いや、流石に可哀想か」
なんて生意気を思いながら作り始めた俺が痛い目を見るのはその数刻後だった。
「いだいっっっっっ!!!!!」
麻婆豆腐の素に入っていたカプサイシンが沸騰の泡とともに空気中へ飛び出して
自分の目に入ったんだ。
そのすぐ後、
「目がやばいっっっ!!!!」
「うわっっっっ!!!!」
「何何何何何何!?!?!?!?」
近くの上半身裸で昼ごはんを食べてた人達が騒ぎ出した。
そう。
夏休みのあっつい昼に俺はカプサイシンテロを引き起こした。
意外にもカプサイシンテロはすぐ収まり、何事も起こらなかったのだが
麻婆豆腐は死ぬほど辛かった。(もちろん全部食べた)
ただ、ちょっとした昼下がりのひと時で「痛い!」だの「何してんねん!」だの「ごめん!やらかした!」だの言ってる時が幸せっちゅうもんだったのかもな。