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【柚月裕子さん】読了したおすすめ小説紹介

読めば読むほどのめり込む作家さん、柚月裕子さん。
今回は、私が読了した柚月裕子さんの作品を紹介したいと思います。
まだ読んだことがない作品があれば、是非手にとって見てください。

■パレートの誤算

ケースワーカーの殺害をきっかけに、次々と暴かれる生活保護の隠れた実態。
ミステリーだけでは終わらない、現代社会の闇をも浮き彫りにした作品。

ベテランケースワーカーの山川が殺された。新人職員の牧野聡美は彼のあとを継ぎ、生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことに。仕事熱心で人望も厚い山川だったが、訪問先のアパートが燃え、焼け跡から撲殺死体で発見されていた。聡美は、受給者を訪ねるうちに山川がヤクザと不適切な関係を持っていた可能性に気付くが……生活保護の闇に迫る、渾身の社会派ミステリー!

Amazonより

■孤狼の血

警察vs暴力団。
刑事になりたての日岡が大上巡査部長と暴力団関連事件に挑む警察小説。
大上の生き様と、部下として意思を受け継ごうとする日岡。
一気読み間違い無しの名作。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。飢えた狼のごとく強引に違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて金融会社社員失踪事件を皮切りに、暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが…。正義とは何か。血湧き肉躍る、男たちの闘いがはじまる。

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■朽ちないサクラ

理想と異なる理不尽さに向き合い、悩み苦しみ答えを見つけ出そうと必死に足掻き続けながら、警察組織の闇に立ち向かう女性主人公の物語。

警察のあきれた怠慢のせいでストーカー被害者は殺された!? 警察不祥事のスクープ記事。新聞記者の親友に裏切られた……口止めした泉(いずみ)は愕然とする。情報漏洩の犯人探しで県警内部が揺れる中、親友が遺体で発見された。警察広報職員の泉は、警察学校の同期・磯川刑事と独自に調査を始める。次第に核心に迫る二人の前にちらつく新たな不審の影。事件には思いも寄らぬ醜い闇が潜んでいた。

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■最後の証人

左方貞人シリーズ第1弾。
罪は真っ当に裁かれるべき、という信念をもって裁判に臨む左方。
事件解決だけでは終わらずに、その背景にもしっかりと目を向けた感動小説。

検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。ホテルの密室で男女の痴情のもつれが引き起こした刺殺事件。現場の状況証拠などから被告人は有罪が濃厚とされていた。それにも拘わらず、佐方は弁護を引き受けた。「面白くなりそう」だから。佐方は法廷で若手敏腕検事・真生と対峙しながら事件の裏に隠された真相を手繰り寄せていく。やがて7年前に起きたある交通事故との関連が明らかになり……。

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■検事の本懐

左方貞人シリーズ第2弾。
事件に関わる者を「一人の人間」として見る、一個人に目を向ける左方の人間性。
人間ドラマとしても読み応えのある1冊。
左方の父親にも触れ、シリーズの中では重要な作品。

ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。険悪ムードが漂う捜査本部は、16件目の現場から走り去った人物に似た男を強引に別件逮捕する。取調を担当することになった新人検事の佐方貞人は「まだ事件は解決していない」と唯一被害者が出た13件目の放火の手口に不審を抱く(「樹を見る」)。権力と策略が交錯する司法を舞台に、追い込まれた人間たちの本性を描いた慟哭のミステリー、全5話。

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■ウツボカズラの甘い息

平凡な主婦が友人に誘われ化粧品ビジネスを始める。
彼女の知らないところで巻き起こる殺人事件と投資詐欺。
次々と消えていく犯人に繋がる手がかり…警察は犯人へとたどり着けるのか?
400ページ超えの長編作品。

家事と育児に追われる高村文絵はある日、中学時代の同級生、加奈子に再会。彼女から化粧品販売ビジネスに誘われ、大金と生き甲斐を手にしたが、鎌倉で起きた殺人事件の容疑者として突然逮捕されてしまう。無実を訴える文絵だが、鍵を握る加奈子が姿を消し、更に詐欺容疑まで重なって……。全ては文絵の虚言か企み虚言か企みか? 戦慄の犯罪小説。

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■慈雨

退職した主人公刑事が四国遍路の旅先で知った事件は、16年前と酷似していた。
その事件をきっかけに、自らの犯した過去の罪と向き合っていく。
人との繋がりを感じられ、人間ドラマとしても読み応え抜群。

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。事件の真相、そして明らかになる事実とは。安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。

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■蟻の菜園ーアントガーデンー

ミステリーと言うより人間ドラマ。
事件を調べていくうちにフリータイラーがたどり着いた二人の少女の壮絶な過去…。
「真の悪」とは何なのか…疑問を問いかける作品。

結婚詐欺容疑で介護士の円藤冬香が逮捕された。婚活サイトで彼女と知り合った複数の男性が相次いで死亡していたのだ。しかし冬香は容疑を否認。アリバイも完璧だった。美貌の冬香の身にいったい何があったのか。関心を抱いたフリーライターの今林由美が冬香の過去を追い北陸に向かうと、30年前に起きたある未成年事件にたどり着く。由美は、父親を刺した少女と冬香との関連を疑うが、証拠がなく暗礁に乗り上げてしまう…。

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■臨床真理

著者デビュー作。
臨床心理士の主人公と、人の感情が色で分かる「共感覚」を持つ青年が軸の物語。
障害者施設の闇を描き、被害者と加害者の両者の苦しみが描かれている。
人の感情が色で分かるという設定にも注目。

臨床心理士・佐久間美帆が担当した青年・藤木司は、人の感情が色でわかる「共感覚」を持っていた……。美帆は友人の警察官と共に、少女の死の真相に迫る! 著者のすべてが詰まった鮮烈なデビュー作!

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■あしたの君へ

家裁調査官補である主人公は、様々な問題を抱えた当事者の心を開いていくことの難しさと日々向き合いながら業務に取り組んでいた。
感情移入しすぎると苦しくなるが、一つ一つの話が非常に丁寧に書かれていて、読み応えのある1冊。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。見習いの家裁調査官補は、先輩から、親しみを込めて「カンポちゃん」と呼ばれる。「カンポちゃん」の望月大地は、少年少女との面接、事件の調査、離婚調停の立ち会いと、実際に案件を担当するが、思い通りにいかずに自信を失うことばかり。それでも日々、葛藤を繰り返しながら、一人前の家裁調査官を目指す

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