読めば読むほどのめり込む作家さん、柚月裕子さん。
今回は、私が読了した柚月裕子さんの作品を紹介したいと思います。
まだ読んだことがない作品があれば、是非手にとって見てください。
■パレートの誤算
ケースワーカーの殺害をきっかけに、次々と暴かれる生活保護の隠れた実態。
ミステリーだけでは終わらない、現代社会の闇をも浮き彫りにした作品。
■孤狼の血
警察vs暴力団。
刑事になりたての日岡が大上巡査部長と暴力団関連事件に挑む警察小説。
大上の生き様と、部下として意思を受け継ごうとする日岡。
一気読み間違い無しの名作。
■朽ちないサクラ
理想と異なる理不尽さに向き合い、悩み苦しみ答えを見つけ出そうと必死に足掻き続けながら、警察組織の闇に立ち向かう女性主人公の物語。
■最後の証人
左方貞人シリーズ第1弾。
罪は真っ当に裁かれるべき、という信念をもって裁判に臨む左方。
事件解決だけでは終わらずに、その背景にもしっかりと目を向けた感動小説。
■検事の本懐
左方貞人シリーズ第2弾。
事件に関わる者を「一人の人間」として見る、一個人に目を向ける左方の人間性。
人間ドラマとしても読み応えのある1冊。
左方の父親にも触れ、シリーズの中では重要な作品。
■ウツボカズラの甘い息
平凡な主婦が友人に誘われ化粧品ビジネスを始める。
彼女の知らないところで巻き起こる殺人事件と投資詐欺。
次々と消えていく犯人に繋がる手がかり…警察は犯人へとたどり着けるのか?
400ページ超えの長編作品。
■慈雨
退職した主人公刑事が四国遍路の旅先で知った事件は、16年前と酷似していた。
その事件をきっかけに、自らの犯した過去の罪と向き合っていく。
人との繋がりを感じられ、人間ドラマとしても読み応え抜群。
■蟻の菜園ーアントガーデンー
ミステリーと言うより人間ドラマ。
事件を調べていくうちにフリータイラーがたどり着いた二人の少女の壮絶な過去…。
「真の悪」とは何なのか…疑問を問いかける作品。
■臨床真理
著者デビュー作。
臨床心理士の主人公と、人の感情が色で分かる「共感覚」を持つ青年が軸の物語。
障害者施設の闇を描き、被害者と加害者の両者の苦しみが描かれている。
人の感情が色で分かるという設定にも注目。
■あしたの君へ
家裁調査官補である主人公は、様々な問題を抱えた当事者の心を開いていくことの難しさと日々向き合いながら業務に取り組んでいた。
感情移入しすぎると苦しくなるが、一つ一つの話が非常に丁寧に書かれていて、読み応えのある1冊。