孫子の兵法と現代経営
第一回】 計篇(第一) 一より
一に道、二に天、三に地、四に将、五に法 【五事】
主の有道、将の有能、天地、法令、兵衆の強さ、士卒の練度、賞罰 【七計】
一に『道』は、孫子いわく「民をして意を上と同じくさせるもの」だといい、伊丹氏はこれをあるべき姿についての理念と考え、二の『天』は気候、天候、時間、三の『地』は地形でありこれらは戦争を行うにあたり重要な条件であると考えている。また、四の『将』は戦争での指揮官であり、現代の経営に当てはめると現場の事業責任者である。そして最後の『法』は法律ではなく、組織のマネジメントのための経営システムだという。
以上から私なりに五事・七計を解釈すると、五事は理念とは経営理念、ミッション、ビジョンであり会社の存在意義、方向性を決定し、環境は事業活動に必要な経営資源、将は経営幹部や責任者、そして経営システムは事業をアシストする情報システム(IT、DXなど)や規則などで、これらは経営に必要な要素となる。つまり、現代経営において「五事」は、
一が経営理念、二、三が事業環境、四が現場のリーダー、五が法律や経営システムということである。
また、主の有道、将の有能、天地、法令、兵衆の強さ、士卒の練度、賞罰の「七計」を現代経営に当てはめると、
経営(者)理念の明確化と意義、リーダーの資質と能力、事業環境(ドメイン)、従業員のモチベーションや教育度合い、ガバナンスが事業の成否を決めるのであ