ダブり〜2限目〜B
そんな、あるあるを済ました俺たち4人は、
ある店に着いた。
店に入ると
「いらっしゃいませ」
「あっ、リョウ。来てくれたんだ」
「会長まで」
そこは、サワナカナナのバイト先だった。
お洒落なカフェレストランの様な雰囲気で
OLやサラリーマンたちがランチをしていた。
「こちらへどうぞ」
と窓際の奥の席へ案内された俺たち4人は
席へ座りメニューを開いた。
お水とおしぼりを置いて
「また、決まったら呼んでね」
と言って次のお客を案内していた。
普段制服姿の彼女しか見ないから、
違った一面が見れたような感じだった。
ササマキは
「私オムライスにしようかなぁ??」
と言うとタイケが
「じゃー俺ランチ!」
「リョーっちは?」
といつの間にかタイケも言い出した。
それを気にする事なく
「じゃー私は??、ミートパスタにします」
と副会長が言うと、
「ユウっちは?」
とササマキが言った。
「俺は、えーっと、どうしようかな?」
「どれも美味そうだな」
と悩んでいると
ピーンっ!
とササマキが机の上にあるボタンを押した。
俺は
「おい、まだ決まってねーよ!」
「てか、早押しクイズじゃねぇーんだから
そんな急いで押すことないだろ!?」
すると、
「はぁーいっ」
「お待たせしました。ご注文をどうぞ」
とサワナカナナが注文を取りに来た。
「俺、ランチ、私、オムライス、ミートパスタ」
「で、ユウは?」
とタイケが俺をせかす。
「いや、悩むなぁ??どれにしようか」
すると、サワナカは
「へー会長ってそんな悩むだっ」
「意外っ(笑)」
と言うと
「ねーっ意外だよねっ!」
とササマキが言った。
「ナナちゃんって言うの?
ワタシ2年のササキマキ。よろしくね」
サワナカは
「はい、よろしくお願いします。」
と礼をした後、副会長にこう言った。
「ちょっとリョウ、うちの学校はあんたが1番
可愛いと思ってたけど、マキさんすごく綺麗だね」
それを聞いたササマキはよっぽど嬉しかったのか
「でしょーっ、私、綺麗でしょっ」
と髪をかきあげ言った。
ササマキとはそう言う子だ。
「俺、マキの彼氏で、ユウとは幼なじみ!
よろしくね」
とタイケが自己紹介をした。
「よろしくです。」
そんなやりとりをしていると、
「で、おいっ、いつまで悩んでんだ!
早く決めろっ」
とササマキが俺に言った。
顔に似合わず口が悪い。そんな子だ。
「なんだ?その言い方はっ、
お前、顔に似合わず口が悪い」
「なぁ?タイケ、こんな口悪女の
どこがいいんだ?」
と俺はメニューを見ながら言った。
でも、悩むんだ。
なぜなら、どれも美味そうだったから。
「よしっ、決めた!」
「ご注文繰り返します。」
「オムライスと、ミートパスタと、ランチ2つで
よろしいですね?かしこまりました。」
結局俺はランチにした。
あーでもない、こーでもない話と、
タイケは、Mだと言う話をしながら
俺たちは、ランチをしたのだ。
「ご馳走様っ」
「あぁ〜食ったなっ」
「美味しいかったね」
すると、食べ終えたお皿をさげに来た
サワナカナナが、
「リョウ、マスターがドリンクサービスするって言ってるから何する?」
マスターが気をきかせてくれたようだ。
俺たちは、そのご好意に甘え
「マスター、ありがとうございます」
「すみません。」
とマスターに礼を言った。
「俺、アイスコーヒー」
「はやっ!」
とサワナカが言った。
「ほんと、さっきとは大違い(笑)」
と副会長が言った。
タイケは、
「俺、ちょっと一服してくるわ」
と言って外へ出た。
それぞれ、好きなドリンクを注文した。
俺たちは、ドリンクを飲みながら話ていると
店のドアが開いた。
「あれ?ナナちゃん、今日休みじゃなかった?」
と入ってきた客が話ながらカウンターへ座った。
見たところ大学生か?フリーターか?
俺より2つくらい上のような感じだ。
「実は、休みだったんですけど急に休みの子が
出てしまって、そのかわりにって感じです」
とサワナカが答えた。
「ラッキー良かった!!ナナちゃんに会えて」
と年上の男がいった。
サワナカは、少し顔を赤くして
「またぁ〜口うまいですね。」
「そうやって、
いろんな子に言ってるんでしょ?」
って嬉しそうに話していた。
パリンっ
「大丈夫?」
「失礼しました」
とサワナカがお客へ言った。
どうやら、棚の上のグラスを取ろうとしたが
掴みきれず落としてしまったようだ。
「ナナちゃん、怪我ない?」
と言う年上。
「はい、大丈夫です。マスターすみません。」
マスターは、
「気にしないで」
と言って、ホウキとチリトリを渡した。
届きそうで届かない、
少し背伸びをすれば届きそうな。
俺は、その光景を見てこのフレーズが出てきた。
確かに。
でも、そんな時に限って落としてしまう。
横着せずに、踏み台を使えばすぐに掴めるものも
背伸びした事により壊してしまう。
そんな風に感じた。
壊れたグラスを片付け終わると
「あっ、そう言えばナナちゃんの学校って
いずみだよね?」
と年上くんが聞いた。
「はい、そうですよ」
「あそこって、ヤバい奴いてるんだろ?」
年上くんは言った。
サワナカは、少し間を置いて
「いや、そんな事ないと思いますよ。
とは言え、私もまだ入ったばっかりですから、
あまり詳しくなくて」
とフォローしている様子で答えた。
すると、
「そうなんだ、こないだ俺の後輩が、いずみの奴らに絡まれたらしいんだ。だからナナちゃんも
気付けてね」
「ありがとうございます。でもその後輩さんは
大丈夫だったんですか?」
とサワナカが聞いた。
「まー大事には、至らなかったけど
言いがかりを付けられ殴られたみたい」
「うそっ、大丈夫なんですか?」
とサワナカはそう答え俺たちの方を見て
「あっ、ちょっと待って下さいね」
「会長っ、」
と、サワナカが俺を呼んだ。
「どうした?」
俺は、さっきの話を聞いた。
「それ、どんな奴かわかりますか?
うちの学校には、そんなむやみにいいがりつける奴はいないと思いますけど」
と俺は言った。
その年上は、
「あっ、君もいずみなんだ。」
「じゃー何?
俺の後輩が悪いって言ってんのかな?」
と、鼻につく言い方をしてきた。
「はぁ?」
俺は返した。
「おいっ、ユウ」
とタイケが俺を呼ぶ。
「おぉ〜こわいね。。」
「やっぱり、いずみは噂通りだよね」
と言ってサワナカに
「ナナちゃん、大丈夫なの?
なんかあったらすぐ俺に言いなよ」
と年上が言った。
サワナカは、
「まぁっ、、」
と気まずそうに返事をした。
俺は、少しキレそうになったが、
サワナカが首を振って俺にブレーキをかけた。
「なら、その後輩に絡んだやつ見つけますよ」
「それならいいでしょ?」
俺は言った。
年上くんは、
「助かるわ。そして謝ってやってよ」
「あっ、俺そこのバーで働いてるんだ、
なんかあったら店おいでよ」
「でも、未成年に酒は出せないからね」
と言って名刺を渡してきた。
「こいつ学生じゃないんだ」
俺は、思った。
俺は、その名刺を受け取り
「どうもっ」
「んじゃーわかったら連絡しますわ」
年上くんは
「ヨロシコ!」と言った。
「サワナカ、わりぃな、お会計して」
と言って俺たちは店を出た。
店を出て歩いている最中に
「あぁ〜なんじゃ、あの言い方。ムカつくぅ」
「【ヨロシコっ!】って何!?」
「何が、【ナナちゃん、大丈夫なの?なんかあったらすぐ俺に言いなよ】だよ!?誰がお前なんかに言うかっーのっ」
タイケが
「いいじゃんか、言わせてやれよ」
と言った。
「何が、【あっ、俺そこのバーで働いてるんだ、なんかあったら店おいでよ】だよ」
「何があったらお前の店いくんよー?」
「まーいいじゃん、あの人もそんなつもりで
言ったんじゃないから」
「あいつ、絶対おちょくってたよなっ」
「【ヨロシコ】だぜ、なめてるよなっ」
「ほっとけって!このままじゃ、ほんとアイツが
言ってるみたいな学校だと思われるぞ」
とタイケが言った。
「だが、このムカつきはおさまらん。
カラオケいくぞっ」
と俺が言うと
副会長が
「えっ、ほんと!?行こ、行こ!
ねーマキさん達もいきましょうよ」
「もちろんっ、行くっ、行く!」
「いぇーぃっ」
俺は、
「タイケの奢りでぇ〜ヨロシコっ!」
と言うとササマキと副会長はそれに続いて
「ヨロシコぉー!!」
と言った。
タイケは
「なんだそれっ!結局気に入ってんじゃん」
なんだかんだ盛り上がって
このままカラオケへ行く事になった。
その日
コニシユウは存分に歌い、発散したのだった。
2限目Cにつづく