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リブレット

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〜リブレット〜全14話 ある日突然彼女からのメール。 1日1回の彼女とのやりとり。 だけど、そのやりとりにルールを作った自分。 そんな彼女と俺のやりとり。 あなたは自分ルール…
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#小説

リブレット〜1〜

ある日突然、俺のスマホに
「ひさしぶり❤︎覚えてる??」
とメールが来た。

それは、以前付き合いで行ったクラブの
女の子からだった。

俺は、
「覚えてるよ。久しぶり!!元気してた?」
とだけ返信した。

その日、彼女からの返信は無く朝になると
「もちろん、覚えてるよ。
        抱っこして欲しいなぁ」
と、返信があった。

俺は、勘が鈍い方ではない。

何か裏があると思った俺は普段ならこ

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リブレット〜2〜

朝起きると、また彼女から返信があった。

「抱っこして欲しいなー。
        それと、エッチ好き?」

俺は、
そのメッセージで、何か裏があると察知した。

その日俺の返信は、
「また、なんで?」
と言うシンプルな返答をした。

その日彼女からの返事は無かった。

次の日、返信が来ていた。

「だってしたいもん」って

俺は、なぜ?
今頃になってそんなメールをするのか?
営業メールに違いない

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リブレット〜3〜

また、朝起きるとメッセージが来ていた。
今日は、メッセージと写真が添付されていた。

「新しいドレス。どーかな?」

黄色いドレスを着た彼女の写真と一緒に
送られてきた。

俺は
「お似合いです。」と、返信をした。

その日も彼女からの返信はなく次の日の朝には

「こっちは?」と、

黒いタイトな衣装を着た写真が一緒に
送られてきた。

例えるなら、峰不二子。

そのままを彼女に返信した。

その

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リブレット〜4〜

次の日の朝、また彼女から返信が来ていた。
そんなたわいもないメールに対して、
俺は、SNSにイイね!をするかのように淡々と
返事をしていた。

そして彼女からメールがきて1ヵ月が経った頃。
ついに彼女の本性がでたメールが来たのだ。

「今月23日が誕生日なの。今回が20代最後なのだから、一緒にお祝いしてくれないかなぁ❤︎
1度だけのわがまま聞いて欲しい」

と言う内容だった。
結局、そう言う事か!

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リブレット〜5〜

次の日、休日の午後、
また、彼女から返信があった。

「今日はお休みだから家の片付けをして
              くたくた。」
と言うメッセージと普段は派手なドレスと化粧で着飾った写真だが、
ナチュラルメイクとラフな格好の彼女の写真が
送られてきた。

俺は、

「今日も仕事でくたくた。」と

ただ
家でTVを観てるだけなのに少し見栄をはった。

その日彼女からの返信は無かった。

次の日

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リブレット〜6〜

そんないつも通りの1日1回の彼女やりとりが
始まって、2ヵ月。

23日。

彼女の29歳の誕生日を迎えた。

その日彼女から
「今日は、20代最後の誕生日!やっぱり1時間
だけでいいから会えないかなぁ???」

俺は、
「仕事が忙しいから。ごめん。
          誕生日おめでとう」
と返信した。

今日は、俺からメッセージを送った方が
良かったのだろう。

だけど、自分のターンで終わらすと

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リブレット〜7〜

彼女からメッセージがきていた。

「昨日は、飲み過ぎた。かなり二日酔いかも?
でも会いたかったな」
というメッセージと色鮮やかに装飾された店内と真っ白なドレスを着た彼女。
その後ろにシャンパングラスで積み上げられた
ピラミッドと、凄い数のシャンパンが写った
写真が送られていた。

その姿はうまく表現できないが

夜の蝶。

いや、女帝と言うのか。

俺は、
「よかったな。ゆっくりお休み」
とだけ返

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リブレット〜8〜

それからも彼女とのやりとりが続いた。
メッセージの内容は、彼女の一方通行な文章と
写真。まさにSNS投稿者とフォロワー。
俺の返信はいいねボタンを押す様で相変わらず淡々としたものだ。
俺の画面は、左側だけが賑やかだ。
なのに毎日1回だけメッセージが送られてくる。
名前だけ変えて、他の男にも同じ事を送っているのであろう。

俺は勘の鈍い方ではない。

だけど少しずつだが1日1回の彼女とのやりとりが楽

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リブレット〜9〜

少しずつだが、
彼女からのメッセージを待つ様になった俺。
彼女はブレることなくいつも一方通行だ。
でも俺の返信に少し変化がでてきた。

例えば
「今日は、可愛い服があったから思わず買って
しまった。」や「こんな鞄かった」とかに

「いいんじゃない」とか「似合うよ」
みたいな事を返信をするようになった。

でも、1日1回のやりとり
そこは変わらなかかった。

そんなやりとりが繰り返される事、突然。

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リブレット〜10〜

初めて食事に誘われた次の日彼女から
日にち、時間、場所と真っ赤なドレスを着た
写真が送られてきた。

俺は、「わかった」とだけ返信した。

それから数日が経ち、
当日の彼女からのメッセージは、

「ゴメン。。今日行けなくなった」と言う

文字だけが届いていた。

ドタキャンなんてよくある話。

俺は「わかった」とだけ返信した。

その日から彼女のメッセージには、
写真がなく、すごい数の絵文字とスタ

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リブレット〜11〜

それからも、写真はないが目がチカチカする
ような文章が1日1回送られてくる日が続いた。
そんな日が今では楽しく感じてる俺もいた。

彼女から突然メールが来てから4ヵ月が経とうとした頃、俺はこんな返信をした。

「俺にメールするくらいなら他のお客さんに
営業かけた方がいいんじゃない?俺は店には
行かないよ」

その日から彼女のメッセージは来なくなった。
                
〜12〜へつ

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リブレット〜12〜

彼女からメールが来なくなって数日。
俺は、毎朝スマホを手に取ってしまう。
そこに、海辺で撮っている彼女のアイコンは
表示されていない。

ただ、普段の朝に戻っただけなのに少し寂しい
気持ちだった。

それから、数週間たったある日。

段々とメールのない生活に戻りつつある頃
ふと今までのやりとりを読み返していた。

やっぱり左側だけが賑やかだった。

俺は、最後に彼女の働くお店へ行く事にした。

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リブレット〜最終話〜

彼女は病気だった。

誕生日イベントを最後に入院しているらしい。

俺は病院へ行った。

そこには、
仕事モードの彼女からは想像できないくらい
痩せ細り、髪は副作用で抜けた彼女が生死を
彷徨っていた。

俺は、その場に居るのが息苦しくなり机の上に
あった冊子を無意識に震える手で持って病院の
外へ出た。

そしてその冊子を開いた瞬間。
全身に鳥肌が立ち胸が今まで感じた事がない
くらいに締め付けられた

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リブレット〜エピローグ〜

彼女の30回目の誕生日。

彼女の育った町に電車は着いた。

海があり山があり彼女にお似合いの町だ。

駅からタクシーで少し走った所に
彼女は眠っている。

桶に水を入れ、柄杓を持ち、歩いて行く。

すぐに目に付いた。

色とりどりのお花が彼女を飾っていた。

写真のドレスのように。

本当に彼女は賑やかだ。

俺は、地味だけどお似合いの花と
あの日のリブレットを置いて手を合わせた。

そして、

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