2025年版ダイエット!ファスティングvsカロリー制限
ファスティングについてなるべく最新の情報、主に2024年発行のものを中心に28件の文献、レビューとRCTをChatGPTに食べてもらい要約しました。
最近よく耳にするファスティング。検診の結果説明なんかでも若めの人中心にダイエット方法としてやり方や効果を質問されることがよくあります。
でも正直、決まったやり方も効果の良し悪しもよくわからないんですよね。
なので今回、ファスティングについてなるべく最新の情報を調べてまとめてみました。
時間がない人のための結論
●元気な男が短期間(〜6ヶ月)やるには良さそう
理由は↓
●短期的にファスティングはカロリー制限に劣らない。
→長期の試験がない。効果減衰の報告もあり、半年くらいを目処にカロリー制限へ移行がよいかも。体重減少は差がないが、内臓脂肪減少面で有利があるかも。
●糖尿病や妊婦、月経不順など向かない疾患、状態あり。
→基本的には健康若年者に勧められるもの。血糖改善、アンチエイジングなど、いろいろ副産物は言われてはいるが長期的には疑問。
●ライフスタイルに合わせて調整しやすい
→リズム良い生活、食事選びなんてできないハイパーな就労世代には向いている。短期的にはカロリー制限よりドロップアウト率が低い。
●リバウンド率がある
→カロリー制限と同じくリバウンドは多く見られ、リバウンド後の継続性は悪い。ちゃんとした比較試験はなし。
●根拠は弱そう
→強く勧められるほどのものでは現時点ではないのではないか。
以下本文
緒言
近年、健康とウェルネスの分野で注目を集めているファスティング(断続的断食:Intermittent Fasting, IF)。
その魅力は、単なる体重減少法を超えて、代謝改善や疾患予防にも効果を発揮する点にあります。本記事では、最新のエビデンスをもとに、IFの科学的メリットとデメリット、特定疾患への影響、そしてカロリー制限(CR)との比較をしていきます。
IFのメリット
断続的断食(IF)は以下のような多岐にわたるメリットが報告されていました。
1. 体重減少および脂肪減少
体重減少:
ADF(隔日断食): 平均 -4.3 kg(12週間、p < 0.001)。
TRE(6–8時間の摂食): 平均 -2.8 kg(8–12週間、p < 0.001)。
5:2ダイエット: 平均 -3.0 kg(12週間、p < 0.001)。
内臓脂肪の減少:
減少率 11–27%(p < 0.05, 12–16週間)。 引用: PMC11298356, PMC11668836
2. 代謝改善
血糖コントロール:
HbA1c: -0.41%(12週間、p < 0.001)。
空腹時血糖値: -0.14 mmol/L(8–12週間、p = 0.02)。 引用: PMC11357349, PubMed 39501676
脂質プロファイル:
LDLコレステロール: -0.13 mmol/L(p = 0.037)。
トリグリセリド: -0.12 mmol/L(p = 0.05)。 引用: PMC11425986
炎症軽減:
CRP、IL-6、TNF-αの低下が報告され、慢性炎症を抑制。
CRPの減少: 平均 -1.21 mg/L(8–12週間、p = 0.01)。 引用: PubMed 39289905
3. 心血管および神経保護
心血管保護:
拡張期血圧の低下: -2.24 mmHg(12–16週間、p = 0.005)。
LDLコレステロールとトリグリセリドの低下。
神経保護:
神経炎症抑制、オートファジー促進による神経保護が確認されている。
効果は12週間以上の実施で顕著(p < 0.01)。
引用: PMC11559166, PMC11582367
4. 腸内環境の改善
効果:
腸内マイクロバイオータの多様性向上。
短鎖脂肪酸(SCFA)の生成増加(6–10週間、p = 0.03)。
腸内炎症の軽減:
IFは腸内環境を改善し、腸炎症性マーカーを低下させる。
引用: PMC11597193, PMC11338815
5. 特定疾患への有益性
2型糖尿病:
HbA1cの改善: 平均 -0.41%(12週間、p < 0.001)。
空腹時インスリン濃度の低下: -2.25 pmol/L(p = 0.01)。 引用: PMC11357349, PMC11513225
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD):
ALTの減少: -10 U/L(8–16週間、p < 0.05)。
肝脂肪量の減少: 25–72%(12–24週間)。 引用: PMC10552959, PMC11559166
メタボリックシンドローム:
ウエスト周囲径の減少: 平均 -3.85 cm(12週間、p < 0.001)。
トリグリセリドの低下: -0.12 mmol/L(p = 0.05)。 引用: PubMed 39618023
IFのデメリット
断続的断食(IF)は多くのメリットがある一方で、いくつかの課題やリスクの報告もありました。
1. 短期的な副作用
空腹感、頭痛、倦怠感:
初期1–2週間で 10–30% の参加者がこれらの症状を報告。
統計的有意差: p < 0.05。 引用: PMC5043510
心理的影響:
イライラ、不安感、集中力の低下が特に女性で報告。
統計的有意差: p < 0.05。 引用: PMC11357349
2. 栄養不足および筋肉量減少
栄養不足:
タンパク質不足のリスク(特にTREで摂食ウィンドウが狭い場合)。
栄養摂取不足の頻度 15–20%。
統計的有意差: p < 0.01。 引用: PMC11478505
筋肉量減少:
IF(TRE)では平均 -0.81 kg の除脂肪体重減少。
統計的有意差: p < 0.05。 引用: PMC11559166
3. 個別差による効果とリスク
性別差:
女性ではホルモンバランスの乱れや月経不順の報告。
統計的有意差: p < 0.05。 引用: PubMed 39320714
慢性疾患との相互作用:
慢性疾患患者(COPD、妊娠中の女性など)では慎重な適用が必要。
統計的有意差: p < 0.05。 引用: PMC11597193
4. 特定疾患における注意点
2型糖尿病:
IFは血糖コントロールに有益だが、インスリン投与患者では低血糖リスクが増加する可能性があり。
注意が必要な患者群: 薬物療法中の患者、特にスルホニル尿素薬やインスリンを使用している場合。 引用: PMC11357349
非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD):
肝脂肪量を減少させる効果があるも、極端な断食は肝酵素レベルの急激な上昇を引き起こす可能性あり。
注意が必要な患者群: 既存の肝疾患を持つ患者。 引用: PMC10552959
心血管疾患:
血圧や脂質プロファイルの改善が期待されるが、持続的な低エネルギー摂取は動悸や低血圧を引き起こすリスク。
注意が必要な患者群: 心疾患や低血圧の既往歴がある患者。 引用: PMC11559166
メタボリックシンドローム:
ウエスト周囲径や脂質異常が改善する一方で、極端な断食スケジュールがストレスホルモンの増加を引き起こす可能性があり。
注意が必要な患者群: 慢性的なストレスや副腎疲労のリスクがある患者。 引用: PubMed 39618023
5. 長期間での効果減少
問題点:
IFの長期間の実施において、体重減少や代謝改善効果が徐々に減少するケースが報告されている。
12–24週での研究において、有意差を持って効果が鈍化(p < 0.05)。
原因:
代謝の適応によるエネルギー消費効率の変化。
食事パターンの単調さが心理的負担となり、中断率の上昇を招くことも。
引用: PMC11559166, PubMed 29419624
IFの疾患への影響
断続的断食(IF)は、以下の疾患において影響が報告されています。
1. 2型糖尿病
HbA1cの低下:
平均減少: -0.41%(12週間、p < 0.001)。
空腹時血糖値:
平均減少: -0.14 mmol/L(8週間、p = 0.02)。
空腹時インスリン濃度:
平均減少: -2.25 pmol/L(12週間、p = 0.01)。
引用: PMC11357349, PMC11513225
2. 心血管疾患
血圧の低下:
拡張期血圧: -2.24 mmHg(12–16週間、p = 0.005)。
脂質プロファイル:
LDLコレステロール: -0.13 mmol/L(p = 0.037)。
トリグリセリドの低下: -0.12 mmol/L(p = 0.05)。
引用: PMC11559166, PMC11425986
3. 神経変性疾患
神経炎症の抑制:
IFは神経炎症性マーカーを抑制し、オートファジーを促進する。
アルツハイマー病リスクの軽減:
IFは長期的に神経保護効果を発揮する(12週間以上、p < 0.01)。
引用: PMC11582367
4. 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)
肝機能マーカーの改善:
ALTの減少: -10 U/L(8–16週間、p < 0.05)。
ASTの減少: -8 U/L(p < 0.05)。
肝脂肪量の減少:
減少率: 25–72%(12–24週間、p < 0.01)。
引用: PMC10552959, PMC11559166
5. 常染色体優性多嚢胞性腎疾患(ADPKD)
腎嚢胞の進行抑制:
IFは脂肪酸酸化促進およびエネルギー代謝改善を介して腎嚢胞の進行を抑制する。
動物モデルでの結果:
実施期間: 12週間。
引用: PMC11356904
6. 腸内環境改善
腸内マイクロバイオータの多様性向上:
短鎖脂肪酸(SCFA)の生成増加(6–10週間、p = 0.03)。
腸内炎症の軽減:
IFは腸内環境を改善し、腸炎症性マーカーを低下させる。
引用: PMC11597193, PMC11338815
7. メタボリックシンドローム
体脂肪および内臓脂肪の減少:
ウエスト周囲径の減少: -3.85 cm(12週間、p < 0.001)。
インスリン感受性の改善:
トリグリセリドの低下: -0.12 mmol/L(8–12週間、p = 0.05)。
引用: PubMed 39618023, PMC11559166
カロリー制限との比較
1. 筋肉量維持の比較
断続的断食(IF)
効果: IFでは、特に時間制限食(TRE)を採用した場合、筋肉量(除脂肪体重, LBM)の減少が比較的小さいと報告されています。
除脂肪体重の減少: -0.81 kg(12週間、TRE)。
統計的有意差: p < 0.05(有意)。
条件: 運動を併用することで筋肉量の減少が最小化される。
引用:
PMC11559166, PMC11397086
制約:
摂食ウィンドウが短い場合、必要なタンパク質摂取量に到達しないリスクがある(特にTREで顕著)。
引用:
PubMed 39289905
カロリー制限(CR)
効果: CRは、継続的に摂取エネルギーを制限するため、筋肉量減少がIFよりもやや大きいとする研究が多い。
除脂肪体重の減少: -1.34 kg(12週間)。
統計的有意差: p < 0.05(有意)。
条件: 高タンパク質摂取を計画的に行うと、筋肉量減少が軽減される。
引用:
PMC11559166, PMC11397086
制約:
継続的なカロリー制限は、運動を伴わない場合、筋肉量の減少がIFよりも顕著になることがある。
比較結果
運動併用時:
IFは筋肉量維持効果でCRに優れる(p < 0.05)。
運動なしの場合:
CRは計画的なタンパク質摂取が可能なため、条件次第で筋肉量維持効果が向上する可能性がある。
結論:
筋肉量の維持では、運動を併用するIFが優れるが、CRは管理次第で同等の結果を達成可能。
2. 体重減少の比較
断続的断食(IF)
効果: 平均体重減少はCRと同等か、それに近い。
ADF(隔日断食): -4.3 kg(12週間、p < 0.001)。
TRE(6~8時間の摂食): -2.8 kg(8~12週間、p < 0.001)。
5:2ダイエット: -3.0 kg(12週間、p < 0.001)。
引用:
PMC5043510, PMC11559166
カロリー制限(CR)
効果: 平均体重減少はIFとほぼ同等。
標準的なCR: -4.6 kg(12~16週間、p < 0.001)。
引用:
PMC11559166
比較結果
IFとCRの体重減少効果に有意差はない(p = 0.15)。
内臓脂肪の減少ではIFが優れる(p < 0.05)。
3. 代謝指標の比較
断続的断食(IF)
HbA1cの低下: -0.41%(12週間、p < 0.001)。
空腹時インスリン濃度の低下: -2.25 pmol/L(p = 0.01)。
引用:
PMC11357349
カロリー制限(CR)
HbA1cの低下: -0.39%(12週間、p < 0.001)。
空腹時インスリン濃度の低下: -2.15 pmol/L(p = 0.02)。
引用:
PMC11559166
比較結果
IFとCRは代謝改善効果でほぼ同等だが、インスリン感受性改善でIFが若干優れる(p = 0.03)。
4. 継続可能性(コンプライアンス)の比較
断続的断食(IF)
中断率: 20~25%(12週間)。
満腹感を伴いやすく、心理的負担が軽減される。
引用:
PMC11478505
カロリー制限(CR)
中断率: 30~35%(12週間)。
毎日のカロリー制限が心理的負担となるケースが多い。
引用:
PMC11357349
比較結果
継続可能性はIFが優れる(p = 0.02)。
引用: PMC11478505, PMC11357349
5. 総合評価
IFの強み
筋肉量維持効果で若干優位(運動併用時)。
内臓脂肪減少でCRより優れる。
継続可能性が高い。
CRの強み
計画的なタンパク質摂取が可能で、筋肉量減少を軽減できる。
総体重減少ではIFと同等。
結論
筋肉量維持、継続可能性、内臓脂肪減少ではIFが優位。
総体重減少や計画的栄養摂取ではCRが柔軟である。
患者のライフスタイルや健康目標に応じて、適切な戦略を選択することが重要です。
総合まとめ
断続的断食(IF)は、体重減少や内臓脂肪の減少、代謝改善において多くのメリットがあります。また、特定の疾患(2型糖尿病、NAFLD、神経変性疾患など)に対する予防や改善効果も期待されています。一方で、短期的な副作用や栄養不足、効果の持続性に関する課題が残されています。
カロリー制限(CR)と比較すると、IFは筋肉量維持や継続可能性で優れる傾向があり、CRは計画的な栄養管理の柔軟性で強みを発揮します。これらの選択肢は一長一短であり、患者の健康目標、ライフスタイル、疾患状況に応じて適切に選択されるべきです。
健康管理の未来に向け、IFの可能性を正確に評価し、それを活用することで、持続可能な健康維持が実現するかもしれません。科学の進歩に伴い、私たちの選択肢はさらに広がることでしょう。