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チッテで愛してる

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ノンケの僕とレディーボーイの彼女とのアチチな日常をここに書きました。この話しを公開した理由。それは、日本の法律を変えたい。法律を変えて彼女と結婚したい。 この物語はハッピーエン…
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#小説

チッテで愛してる#8 『目に見える約束』

チッテで愛してる#8 『目に見える約束』

警察官が僕を部屋に通す。3畳ほどの部屋に長テーブル。パソコンと、小さなコピー機。部屋のドアは開けられ、パーテイションが置かれていた。警察官は僕に言った。

「ここで少し話を聞くから。」

 僕は言った。

「彼女と話をさせてください。」

 3人居る警察官の中で一番若い男が言った。

「それはできないんですよ」

 僕は語気を強めて言った。

「だったら、彼女の顔だけでも見させて下さい。何も話せな

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チッテで愛してる#6『私の子供 前編』

チッテで愛してる#6『私の子供 前編』

ジャスミンと二人で電車に揺られている。僕達は、お互いに知らない場所へ向かっている。事故か何かで、この電車が止まれば…何度考えただろうか。きっと今日を境に変わってしまう。ジャスミンと僕を包む時の移ろい方が。今日で変わってしまう。僕達を包む世界の温度が。僕はジャスミンの手を握った。勇気が欲しくて。       
 

 僕が十一才の12月25日。山梨の田舎町
 
 僕はサンタさんにずっとお願い事をして

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チッテで愛してる#5「初めて体が結ばれた日」

チッテで愛してる#5「初めて体が結ばれた日」

 真っ暗な部屋で僕は目が覚めた。僕の左腕の中に居るはずのジャスミンが居ない。眠くてなかなか開かない目を擦り、ジャスミを探した。ジャスミンは明かりも付けずに流し台の前に立っていた。何かを口の中に入れ、水を一口飲んだ。何だか不気味で、僕は声をかけられずにただ見ていた。そして、ジャスミが布団の中に戻って来る。僕はとっさに寝ているフリをした。

 そして次の日の夜。
 付けっぱなしのテレビの明かりだけが、

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チッテで愛してる #2『心』

チッテで愛してる #2『心』

 十二月二十四日

 この日はクリスマスイブ、街に出るといろんなお店が飾り付けをしていた。サンタの格好をした居酒屋の店員さんがきゃっきゃしながらお客を呼び込み、家で待つ誰かのためにサラリーマンがケーキ屋に並ぶ。いつもと違う街の中を、いつもどおり一人で歩く僕はいつもよりゆっくりと歩く人々を、いつもより邪魔に感じていた。きっとこのキラキラの街並みを素敵に感じられる人は、心に余裕のある人だけだな。そんな

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僕がこの話しを公開した理由。

僕がこの話しを公開した理由。

 なぜ僕がこの小説を書くのか。その理由を皆さんに知っていただきたい。

 理由は。“世界で一番大切な人に会いたいからです“
 
 皆さんは人を愛した事があるだろうか?恋人、家族、友達、ペットでもいい。愛した人の顔を思い出してこの話を読んでいただきたい。
 
 僕も皆さんと同じように一人の女性を愛している。僕はその人の事を考えると、笑顔になって、そして涙が出る。今までの価値観と心と体、その全てが粉々

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