第15回「ノースロンドンダービー<マッチレビュー>悪夢の連続」
こんちゃ!どうも、いったーです。
今回は「ノースロンドンダービー<マッチレビュー>」を書いていきたいと思います。
結果はみなさんご存知の通り0-2。敗北。週初めから最悪なスタートです。
いつものモウリーニョ監督の手のひらで転がされました。モウリーニョ監督は就任後のNLDで連勝、一方アルテタ監督は連敗と完全に対照的な結果になってしまいました。
トーマスの復帰と離脱
トーマス・パーティ(ガーナ代表)の怪我の状態です。太腿裏の筋肉系の怪我で、アルテタ監督も年内復帰は難しいというコメントからも欠場と予想されていました。予想に反して、アラビア語のツイッタラーAFCBellの予言通り、スタメン復帰しました。が、前半ラストプレーで自らピッチを後にします。その際空いたスペースを埋めきれず失点してしまうのですが、ピッチ外のトーマスをアルテタ監督がピッチにプッシュした行為は選手上がりの監督とは思えない、選手ファーストな振る舞いではなかったと言わざるを得ません。
確かに、トーマスは座り込み、主審にプレーを止めるアピールをすべきでした。僕自身は、アルテタ監督を信じていますが、監督周辺も騒がしくなったことからも少しばかり焦っているのではないでしょうか。
ホームチーム
トッテナム・ホットスパー(監督:ジョゼ・モウリーニョ)
フォーメーション:4-2-3-1
※以下スパーズ
アウェイチーム
アーセナル(監督:ミケル・アルテタ)
フォーメーション:4-2-3-1/3-4-3
プロローグ
ここPL3試合で1分2敗のアーセナルはNLDで首位スパーズを叩いて上昇気流に乗りたいこのゲーム。勝てない試合ではCFオーバメヤンが孤立しがちで、前線と中盤のリンクマン不在でした。しかし、ELでハマったCFラカゼットのOMF起用により問題解決に向かおうと、試金石です。
一方スパーズは、2試合でマン・シティ、チェルシーとBIG6から上出来と言える勝ち点4を確保しました。モウリーニョ監督らしい、堅守速攻スタイルが浸透し始め、難敵との7連戦のちょうど折り返し地点となるライバルアーセナルとのゲーム。観客が入る今季初めてのゲームがNLDということで、スタジアムの雰囲気にも注目です。
前半アーセナル
〇キーマンOMFラカゼットの躍動
〇やっぱり、またか、右サイドの守備
PLでは久しぶりのスタメンCFラカゼット(フランス)が帰ってきました。彼のタスクはプレッシャーをもろに受ける「2ライン間で縦パスを引き出すこと」、「相手中盤のキーになるホイビュアに自由を与えないこと」の2点だったと思います。もちろんゴールに直結する働きもです。10分の相手の中間ポジションにとり、ハーフスペースを埋める役割を担っているCMFホイビュアを見事釣りだして、SBベジェリンに攻略させる起点となりました。トーマスとのパス交換の間にきちんと相手DFの陣形を認知し、狙ったところにパスを届けられるスキル、昨季の彼が帰ってきたように思えます。
また、守備の局面に移行するネガティブトランジションでの貢献は頼もしかったです。会相手DFのビルドアップを制限する際に、CFオーバメヤンとともにプレスをかけるのか、CMFを捕まえるのか、判断が遅い部分もありましたが、球際で闘える数少ない選手でした。
<最重要課題右サイドの守備>
Noteのレビュー、プレビューで口酸っぱく書かせてもらいましたが、先制点もやはり右サイドの曖昧な守備から壊されました。(WGソンのシュートはノーチャンスなことは承知。)
問題点①SBとCBのカバー&チャレンジの曖昧さ
問題点②誘導の守備なのか、奪取の守備なのか
問題点①SBとCBのカバー&チャレンジの曖昧さ
WGソンがランニング開始したのは、CFケインの足元に入る前からでした。ほぼソンの真横にいたベジェリンもスピードに優れているため、状況を把握し、全速力で帰陣すれば、余裕をもってポジションを取れたと感じます。WGソンのシュート時にカバーからチャレンジに切り替わったものの、チャレンジに行けなかったということは、ポジションが適切ではなかったと判断できます。
カバーに入ったCBホールディングは、WGソンと正対した際に、明らかにディレイ(=遅らせる)させるように判断しました。迂闊に飛び込んで背後の広大なスペースを攻略されたら、即失点に繋がるため、妥当な判断です。
問題点②誘導の守備なのか、奪取の守備なのか
CBホールディングが「誘導」で本来は外にWGソンを向かわせることが目的であったはずですが、1番恐れていたカットインを許してしまいます。恐らく、ホールディング目線で書くとすれば、大外を相手SBレギロンがオーバーラップしたために、少しケアをしたかった。という言い分が考えられます。
SBベジェリンはCBのポジションにいましたが、自身がSBにいると勘違いしたのか、大外のSBレギロンに釣られたのか、後退してしまい、WGソンに距離を縮めて、奪取の意思があることを見せることなく、フリーでシュートを打たせてしまいました。
そのあとのWGソンのシュートはもう知りません。GK守護神レノにノーチャンスです。
前半スパーズ
〇CMFホイビュアの存在感
〇ぶっこわれWGソン&CFケイン
今季新加入のCMFホイビュアの存在感が際立ちました。アーセナルも警戒して、OMFラカゼットに監視させましたが、空いたスペースに顔をだしながら、時に囮として、チーム全体の前進を手助けしました。両CBの間に落ちる形で自由にボールを保持したり、19分の一瞬ラカゼットとウィリアンがポジショニングの判断を間違えた際も、鋭い縦パスを通すなど躍動しました。守備時では、約束事通りに、SBが相手WGと対峙した際にハーフスペースを埋める動きや、CMFシソコとの距離感を保ちながら2ラインを守っていました。
1500万£(21億円)とバーゲン価格で獲得したため、モウリーニョ監督もニンマリでしょう。
WGソン&CFケインのコンビは説明不要の破壊力です。実際、スパーズの攻撃はこのデュオによって完結するといっても過言ではありません。簡単に止めることが出来ない領域に到達してしまい2人で31点目を奪いました。モウリーニョ監督がチェルシー時代に主軸に据えたCFドログバ&OMFランパード(現チェルシー監督)が2人のコンビで36点あげた記録を超えるのはもはや時間の問題です。CFケインが落ちて、WGソンが相手SBの裏を狙うか、釣りだしたCBの裏を狙うかが定番パターンです。CFケインが点取り屋としての役割だけでなく、パスの球種も豊富なため、アンストッパブルな存在であると言えるでしょう。
後半アーセナル
〇工夫のないクロス攻撃の真意
ここ最近、得点力不足に悩まされるアーセナルですが、アルテタ監督サイド攻撃からのクロスでの得点に自信を持っており、このゲームでも試行錯誤のクロスの応酬でした。(実際、スパーズがPA前に「バス・ストップ」したために、手段としてクロスを選ばざるを得なかったです。)
アルテタ監督が推奨するクロス攻撃の真意とは、2つあると考えます。
〇ハーフスペースを攻略し、グラウンダーまたは「点」で合わせるクロス
〇PAに放り込んでセカンドボールを回収し、2次攻撃に繋げる
実行されていたのは、むやみやたらにとりあえずPA内にボールを送り込む、意図が見えないクロスでした。(後者のセカンドボールを回収できなかったため、そう見えたのかも。。。)
シンプルな3人が流動的にクロスまで持ち込んだ成功したシーン(下の図)
SBティアニーの質の高いキックに依存してしまっています。
今回はDFラインを相手にかなり低く設定され、場所を埋められたため、グラウンダーで速いクロスは実現できませんでした。(ELではできているシーンもありました。)
もしくは、PA内に放り込み、セカンドボールを拾い、2次攻撃で連続して攻撃することで、「何か」ゴールに結びつけるきっかけを得ようとしているのかもしれません。
再現性という点では、前者よりも低いため、継続して取り組むには選手との特性も考えるとあまりアーセナル向きではない気がします。
後半スパーズ
〇DFラインの設定
〇CBトビー・アルデルヴァイレルトの復活
スパーズは先制点を取った後から一貫してDFラインを下げた、いわゆる「バス・ストップ」を実行してきました。FW陣も第1次プレスゾーンも自陣5mまたは相手SBにボールが入った時と設定されており実行できることから組織としての完成度は高かったです。また、両CMFやSMFが連携して縦パスを通させないポジショニングも光り、これぞ「モウリーニョ監督」のチームといった形でした。
モウリーニョ監督に変わり、恩恵を受けたのは、CBトビー・アルデルヴァイレルト(ベルギー代表)ではないでしょうか。ポチェティーノ前監督は前線から強度の高いプレスをチームに要求し、それに応じてDFラインもハイラインに設定されました。CBアルデルヴァイレルトも年齢を重ね、スピード低下が指摘されました。そのため、D・サンチェス(コロンビア代表)が優先されました。出番を失いかけた時にモウリーニョが就任し、お得意の低いライン設定&カウンターアタックの戦術に見事マッチしました。
問題のCFケインの競り方。
この試合が決してしまった92分にアクシデントが発生しました。
問題のCFケインの競り方です。今季というか、これまで何回見てきたのでしょうか。CBマガリャンイスがヘディングをしようとした際に、CFケインが背後のマガリャンイスを確認して、しゃがむような形で、あたかもケインがマガリャンイスにのしかかられたような倒れ方をしました。マガリャンイスも空中でバランスを崩し、頭から落下し、危険なシーンでした。
シンプルに双方の大きな怪我につながるのではないでしょうか。互いに信頼したうえで、競り合うのにもかかわらず、非紳士的な競り方は絶対に罰を受けるべきです。
vsウェストハム<vsクレスウェル>,
vsブライトン<vsララーナ>←PKのシーン
結果
スパーズvsアーセナル(0-2)@トッテナム・ホットスパー・スタジアム
得点者:‘13ソン・フンミン(S),’45+1ハリー・ケイン(S)
エピローグ
失点してはいけない前半終了間際にカウンターで2失点目を喫しました。後半に入ると、ハーフコートゲームになり、アーセナルの背後には広大なスペースが広がっていました。ミドルサードでボールを失えば、再びカウンターの危機に瀕するということは火を見るより明らかです。
そのネガティブトランジションでの強度が低下していたように思えます。リスクを背負った戦いをする際に、アルテタ監督が求める勇敢さ、チームへのコミットメントを強調していますが、何度もボールを失った際に即時回収できない、プレス強度が低いということが連続することは問題に思えます。
戦術、メンバー編成を語る前に、根本的に逆境を跳ね返すだけの、闘う姿勢、デュエルで絶対勝つんだという気持ちが欠け、まるで昨年のエメリ前監督時代の自信喪失さが見えます。監督周辺が騒がしくなるような負けっぷりですが、今こそサポートする時です。
季節的にも冬が到来したということで、厳しい時期になりましたが雪解けするまで辛抱強く信じ続けるしかありません。
それではこのへんで、、、
ばいころまる~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?