第20回「大分トリニータvsコンサドーレ札幌<J1第32節マッチレビュー>」
こんちゃ!どうも、いったーです。
今回もJ1の記事です。「地元大分トリニータホーム最終節vsコンサドーレ札幌」をDAZN観戦しました。
大分から先週#19星雄次,#20小手川宏基,#27三平和司,#32前田凌佑の4選手が契約満了につき、退団リリースされました。J1昇格を目指していた時代から、共に戦ってきました。彼らの貢献がなければ、今の大分はなかったといっても過言ではありません。ホームではラストゲームでしたが、残り2試合最高のプレーで躍動している姿が見たいです。
キックオフ
ホームチーム:大分トリニータ
監督:片野坂知宏
フォーメーション:3-4-2-1
アウェイチーム:コンサドーレ札幌
監督:ミシャ・ペトロヴィッチ
フォーメーション:3-4-2-1
コーチとして広島で育った片野坂監督は札幌のミシャ監督のサッカーの流れを汲むスタイルを標榜する師弟対決でもあります。
ミラーゲームを仕掛けられた大分
またも、ミラーゲームの対決となりました。師弟対決ということで、似たサッカーを展開するため仕方がないことですが、、、ビルドアップで1on1になっている相手をいかに剥がすかが勝負の分かれ目になると思いました。
〇RCB,LCBが長いボールを積極的に使い先手を取る
〇ひし形を軸に前進
大分は2OMFが前線から降りてきて、ボールを引き出すプレーが特徴的な#10野村と#8町田を起用しました。柏戦では#27三平#31高澤というよりFWタイプの選手を配置していたため、降りてきてターンして前を向くというプレーが少なかったです。その点vs札幌ではボールの引き出しが多かった印象です。
相手の3バックもほぼマンツーマンで大分のビルドアップに対応してきた為に、至る所にスペースが生まれました。大分はそのスペースをチーム全体で認知し、攻略するという意識が見えました。特にRCB智輝くんとLCB三竿はキックの質が高く、ワンタッチで前線に縦パスを刺したり、スペースに送ったりするボールが多く、局面を動かしました。(下図)
大分の大きな特徴でもある、CMFがCB横に落ちて、GKを含めたひし形のビルドアップの形を継続しました。札幌は前線3枚で激しく前線からプレスをかけましたが、ハマったタイミングで大分は躊躇なく、距離を変えるボールを活用することで狙い通りにボールを奪わせませんでした。(下図)
LCB福森とLWB菅で仕掛けて、右で仕留めたい札幌
リーグ随一のキック精度と球種を蹴り分けることが出来るLCB福森とLWBには東京オリンピック世代の縦に仕掛けることの出来る菅が配置されました。3バックでは左右のCBが攻撃に深みを付けられるかどうかで、攻撃の選択肢が増やすことが出来るフォーメーションです。LCB福森の特徴であるロングキックを生かし、RWBのL・フェルナンデスのドリブルを生かすために、陣形そのものを左に寄せた形を取りました。
お互い、3-4-2-1という同じフォーメーションでスタートしたため、LCBにはOMFがしっかりと噛み合わさる位置をとることができました。特にOMF町田とRWB松本がアリバイ・プレスではなく、しっかりと距離を詰めて長いボールを蹴る時間駅余裕を与えませんでした。(下図)
23分先制点 大分
CF知念がGKにプレスをかけた際に足をだし、相手GKがぶつけてしまいました。そのこぼれ球にいち早く反応し、マイボールにしました。CKフラッグ付近でPA内を向いた瞬間に、ボックス内に空いたニアのスペースにOMF町田が素早く走り込みました。
CF知念はワンクッションドリブルで仕掛けるのではなく、素早くボールをPA内に届けた為に、札幌の対応は後手に回りました。OMF町田は意外性のあるトラップで出し抜いたものの、ミートしませんでしたが、そのこぼれ球に走り込んでいたOMF野村がワンタッチで押し込み先制点を奪いました。前線3枚がプレスをかける意識が統一され、その後のトランジションも素速く素晴らしいゴールでした。
後半
コンサドーレ札幌はハーフタイムでAロペスとドウグラスのFWを2枚投入し、CFジェイと外国人強力3トップを形成しました。前半はDFラインから丁寧にビルドアップする形をとっていましたが、前線に強烈な3枚が配置されたことで、躊躇なくロングボールや、アーリークロスを蹴りこんできました。鉄人のCB鈴木の代役として起用されたCB羽田中心に跳ね返し続けましたが、大分のDFラインは徐々に押し上げきれなくなり、自陣に押し込まれる時間が増えました。
RWB松本玲→RCB刀根、OMF町田→ST三平の投入
大分は押し込まれる時間帯が増えました。片野坂監督が選択したのはボールの供給元であるポジションに対して強くプレスをかけられるように、消耗したOMF町田→ST三平と交代させ、対人に強いCB刀根をDFラインに加えることで守備の強度を高めました。RCBともきくんをRWBに上げ、外に対する起点も制圧しようとしました。
75分自陣のスローインから失点
自陣のスローインでは2パターンあると考えます。
〇フリーな選手にスローして、リターン安全なゾーンに回避させる
〇タッチライン沿いにスローし、徐々に陣地を回復する。
大分は前者のフリーな選手にスローし、安全なゾーンに回避させるやり方を取りましたが、LWB星のクリア(縦パスを狙ったのかもしれません)が短くなってしまい、自陣の真ん中でボールを奪われました。
その際LCBでスローのカバーとしてラインを下げていた三竿はラインをあげる時間がありませんでした。そのため、奪われた瞬間に相手STアンデルソン・ロペスがDFラインの凹凸を絶妙に狙い、裏にパスを呼び込みました。LCB三竿はラインを上げるため、前方へのベクトル、Aロペスは裏に抜けるためのベクトルと、完全に入れ替わってしまいました。札幌も素早く縦パスを刺したために、CFジェイをマークしていたCB羽田のカバーも間に合いません。GKと1on1になったAロペスの絶妙なトラップでGKを寝かせて、コントロールシュートを決めたさすがの一撃でした。(下図)
結果
大分トリニータvsコンサドーレ札幌(1-1)
得点者:‘23野村直樹(大分) ’75A・ロペス(札幌)
ホーム最終戦
大分は4戦士の契約満了発表があり、感慨深い最後のゲームでした。#19星雄次#20小手川宏基#27三平和司#32前田凌佑は大分が苦しんだJ3やJ2で支えてくれた最高の選手でした。特に、「大分」という街へ最大の愛を注いでくれました。多くの選手が「大分が第2の故郷」と残して退団していく理由が分かったかもしれません。どこに行っても大分ファミリーです。残りのサッカー人生での活躍を祈っています。
今日は、vs湘南(19:00~)に遠征に行って現地観戦したいと思います。
それではこのへんで、、、
ばいころまる~