『キッチン』
先日、自己紹介で好きな作家さん、
小説を書きました。
その中の、吉本ばななさんの『キッチン』を
再読しています。
今日このあたたかな日に久々に読んだけれど
何度も感じたことのある、
言いようのない寂しさがついてきて
冷たい風が身体を通り抜ける感覚だった、
台所って料理するところ=生きることを
作る場所だと思っていて
みかげがひとりになって台所で
眠るシーンは、
音や温度が以前と違ってしまったけど
台所だけはまだそのままだったのかな。
(p7〜)
眠る場所って特別な気がしていて
自分が無防備でいれる場所でも
あるから、そんな場所が、安心して
眠っても大丈夫だと思える場所が
あって良かった。(p24)
人が人にする受け入れますよ。という好意的な
気持ちに対して甘えるのはとても難しい。
受け入れられるのが怖い。
でも1人で立っていられないときには
だれでもいいから支えてほしいって
思うときはある。
そんな時にただそばにいてくれる人が
いたら離れられなくなってしまいそう。
(p53〜)
自分のこと
家族というのは
当たり前にある人もいれば
当たり前にはない人もいる。
私は血縁関係が縁遠くて
甘える、頼るを当然のように
小さき頃、置かざる得なかったから
少しばかり大人になるしかなかった。
この年齢になっても
自分の中の何かが欠けてしまった感は
確かにあって、
それが色んな所で歪みが出ている。
この欠けてしまったかけらのピースは
新しくつけることはできない。
小さかったあのときに欲しかったものだから。
生きる上で、
少しばかり大人になるしかなかった
自分だったけど、それは対応力的なもので
みんなが卒業していった子供時代を
ちゃんと卒業できたわけではない。
このどうしようもない寂しさと
色んな場面を俯瞰して見てしまう癖は
今後もついて回るんだろう。
どう付き合っていけばいいのか
生きていく上での課題だと思う。
生きづらい世の中だけど
ふとした瞬間瞬間には春の日のような
あたたかい思い出や人との出会いも
確かにあって、
少し口角が上がる。
今日みたいにあたたかい光を浴びて
春の訪れを感じた1日は
生きていたいと思える1日だった。
みんなはどんな1日でしたか?