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チャンポン麺のカルボナーラ、チャルボナーラ
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賄いメシ的な一品。
何もなければダルマのハイボールと合わせる。
はじめに
チャンポン麺でナポリタンを作ればチャポリタン、チャンポン麺でカルボナーラを作ればチャルボナーラ。
どげんですか、ルールは簡単でしょう?
アイデア的には「ロメスパ」の亜種なんだろうなと思う。ロメスパがわからない方は、ジャリコやらダニエルやらパンチョやらで検索して、是非とも心を奪われて欲しい。
しかしまあ、チャポリタンもチャルボナーラも、マイナーもどマイナー。おそらくローカルフードなのだろうが、これらを知っている人に会ったことがない。
因みに自分は、長い長い大学生活を送った福岡の地で、はじめてお目にかかった。
オフィス街にある、リーマンや専門学校の兄ちゃん達が挙って通うような街の忙しない食堂で、例えば、平たく薄く揚げて長さが30センチくらいになったチキン南蛮を、味噌汁とご飯とキャベツをつけて当時500円くらいで売ってるような、ご飯屋さん。
常時20種類くらいメニューが出ていて、チャンポン麺で作る「皿うどん」もよく出ていたような所だから、メニューのバリエーションとして出しやすいのだろう。
ここでチャルボナーラとチャポリタンを覚えた。450円で食べられて、量も多かったので、大学2年生の食べる飯としてはそれで良かった。それ以降、これらを街の食堂なんかで見かけたら、確実に頼む程に虜となった。ノスタルジアである。
見かける頻度は依然として低い。昔からありそうな街中華みたいな所であれば、どちらかがあるといった按配である。
レシピ考案にあたって
「チャルボナーラ」で検索すると、下のスクショみたいに想定していたチャルボナーラとは異なるsomethingが出てくる。イメージとしては青森にある味噌カレー牛乳ラーメン的なモノであろう、塩ラーメンに牛乳入れるの合うのでね。
しかしまあ、海を超えて韓国にも同様の食べ物があるとは思わなんだ、案外人間が美味しいと感じる食の組み合わせって共通してるものがあるのかも…などと思いを馳せつつ、求めているモノと全く異なるので、思い切って自分流でレシピを考えてみることにした。
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韓国版は炸醤麺のアレンジ。
因みに韓国にもチャンポンはあるみたいです。
実践-レシピと実食-
さていざレシピをば。
イタ飯屋さんで食べるカルボナーラが好きなので、かた焼きそばの要素の中に、どうにかイタリアの風を吹かしたかった。
そこで、カルボナーラに敬意を表して、生クリームや牛乳を使わずに、卵(卵黄のサルベージに失敗したため全卵)とペコリーノチーズで味を決めることにした。福岡で見てきたチャルボナーラは、基本的に牛乳を使うタイプの和製カルボナーラと思われるから、今回のレシピは完全なオリジナルである。
また、パンツェッタやグァンチャーレを使うと塩が入りすぎることがあるので、下味をしっかりつけた生肉を焼肉の要領で、今回は思い切って豚トロを使うことにした。ベーコンは薫香が入るので今回は使わないことに。拘りが大事なのですよ拘りが。
実食したレシピ(材料1人前)
・チャンポン麺:2玉
・卵(全卵):2玉
・ペコリーノチーズ:20gくらい
・豚トロ:200g
・塩胡椒:お好みで
・黒胡椒(粗挽き):お好みで
・オリーブオイル:大さじ1
・お好きな魚醤:数滴程度
・水または白ワイン:適量
①チャンポン麺を袋のまま600Wで90秒温める。袋の中で麺を蒸すイメージ。
②ペコリーノチーズを標記の分量を意識して削り入れ、取り分けておいた全卵と混ぜる。トロみを調整するため予め水を10〜20cc程度入れる。味の補強のため卵液に魚醤を数滴入れても良い。
③塩胡椒で豚トロの裏表にガッツリ目に味をつける。少し多すぎる?と感じる量で、豚トロにあじ塩を振ると、味がつきやすい。イメージは肉の総量の2〜3%くらい。
④オリーブオイルをひいてフライパンで豚トロを焼き、焼き目がこんがりついたら、一度別皿へ移す。
⑤フライパンに袋から出したチャンポン麺を入れ、少しずつ水を入れてほぐしつつフライパンいっぱいに広げる。その後、豚トロから出た脂で、チャンポン麺に焦げ目をつける。ほぐし水として白ワインを使うと小洒落た味になる。
⑥麺に焦げ目がついたら、④の肉を入れて麺に脂を纏わせる。その後火を消した状態で②の卵液を入れて、ダマにならないように一気に和える。
⑦②の卵液が固まる寸前くらいで和えるのをやめて、皿に盛り付ける。お好みで黒胡椒を挽く。
基本的にスープのあまりないパスタを好むので、卵をミニマルの量で設定しているが、チャンポン麺1玉あたり卵をだいたい1個半使うと、めちゃくちゃボリュームが出る。2玉なら卵は3個。重めがお好きなら、卵多めで召し上がれ。
また、普通のパスタ麺で作るカルボナーラと比べると、麺がモチモチしていて、チャンポン麺の卵の部分が強調されていることがわかる。イタリア人は怒るだろうけど、日本人なのでこの辺りは寛大で宜しいでしょう。
そして、焼き目をつけるのでとてもクリスピーな香りを楽しめる。白ワインを使うとクリスピーな香りに甘めの香りがつくので、より西洋料理の風格が出る。
豚は設定の分量よりも少なくて全然良い。流石に多過ぎたかな。豚コマでも十分美味しいから、好みの部位を使うと良いと思う。
ボナペティ。
終わりに
チャンポン麺でカルボナーラを作ると、時短にもなるし、洗い物が少ないので、後片付けがまあまあ楽。
味はめちゃくちゃジャンクなので、太りたい人や親油性のストレスを持っている人は是非。
3年ぶりくらいのnoteでした。
次はチャポリタンのレシピを書ければと思います。またいつか。