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本日、和歌山日和

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和歌山ならではの神社仏閣、イベントなどをまとめています。神話や歴史背景など、豆知識を書き添えていることも…。地元目線を楽しんでいただければ嬉しいです。
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2020年7月の記事一覧

竈山神社、神話時代のなごり

連休前、久々に和歌山市の「竃山(かまやま)神社」に参拝しました。社殿の奥に、こんもりとした緑豊かな古墳を持つ神社です。 眠っているのは神武天皇の兄・彦五瀬命(ひこいつせのみこと)。「神武東征」の際、大和の長髄彦(ナガスネヒコ)との激戦で矢傷を受け、無念のまま和歌山の地で亡くなったとされています。 そんないわれのある神社ですが、境内はいつもやさしい空気感。緑と光が美しく、ゆったり癒される風景です。 「神武東征」は『古事記』や『日本書紀』に記されている、神武天皇が日本を統一

蛇、直立不動

荒梅雨のさなか、ほんのひと時、雨がやんでいた真昼のこと。家のすぐ前のアスファルトに、体長1メートルほどの細い蛇が現れた。頭の形が四角く、体にはタテに縞模様があるため、毒のないシマヘビかな、とも思ったのだが、近づいてみるとマムシに似た模様があるようにも見える。 どちらにしても、庭のめだか鉢には馴染みのヌマガエルが住んでいるため、できればうちには入ってきてほしくはない。 ほどなく蛇はすべるように、でも体のどこかに小さな引っ掛かりがあるかのように、細かなS字を描きながら、するすると

梅雨闇

梅雨闇、という季語がぴったりの朝。 雨雲が厚いのだろう、暗い緑を含んだ闇が、窓の外の景色を覆っている。 土を、アスファルトを、庭木を、トタン屋根を、直線の雨が叩く。 トーンの違う雨音が重なり合い、梅雨闇の奥行きを深くしている。 おおん、おおん、と鳴る空は、雲の向こうに何か大きな生き物を隠しているようだ。 不意に巻き起こる風は、それの羽ばたきなのかもしれない。 7年ほど前、地域の水生生物保護活動に参加していました。 「水の中に住む生き物を撮って、地域の人たちに自然の豊かさ、

しろがね

雨戸を開けると、空を覆う梅雨雲が一面、白銀に光っていた。 今朝は雲が薄くて陽の光が透けているのだろう、糸の切れ端のような雨も、浮遊する銀の粒に見える。 広がる家々の屋根、遠くの山並み、何もかもがしろがねの光に満たされて、日常の輪郭が少し違って見える梅雨の朝。 ベランダから空の写真を撮って、東京と京都に住む息子たちに「今朝の和歌山」を送信することが習慣となっています。 特別なものは何もない風景だけれど、変わらぬ日常を届けられる幸を感じているこのごろです。

はじめての「西国三十三所参り」①・紀三井寺【和歌山】

今年の春、幼馴染のEちゃんと「西国三十三所参り」を始めようと計画していました。 「西国三十三所参り」とは和歌山、京都、滋賀、大阪、兵庫など、観音様をお祀りしている関西の寺院を三十三か所、御朱印をいただきつつ巡る参拝です。 それぞれの寺院には「札所」として番号が振られているのですが、巡る順番は決まっておらず、行ける時に行ける場所だけ、何年かけて回っても大丈夫な巡礼となっています。 ずっとコロナ禍でスタートできずにいた私たちですが、そろそろ和歌山は状況が落ち着いてきたこともあり