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精神の下降の波にのまれない

うつ病になって教師を辞めた男の話⑩

いろいろな出会いの中で、約8年続けてきた教員という仕事をいったん辞めることになりました。
この時は、正直自分がどうなっていくのか想像もつきませんでした。
幸いなことに、家族と一緒に暮らしていたので、とりあえず急いで次の仕事を見つけないとまずい、ということはなく、約2か月のんびり過ごしました。

この時ののんびりは、本当に良かった。
精神的に落ちている僕を気遣って、家族が犬を飼うことを提案してくれて、丁度お迎えした時期でもありました。
家で過ごす約30歳の男には、子犬を育てる、躾けるということが、すごくやりがいのある、夢中になれる時間でした。

同じように、約2か月間、鬱の診断をされて休んでいたことがあります。
この時は、休みをもらって、「復帰」というのが常に頭の中にあったので、休めている気持ちは少なかったかもしれません。

子犬と一緒に過ごす2か月は、本当に救われたし、支えられたし、やりがいがあったし、充実していました。

人にはそれぞれ、心を満たすために必要なエネルギーがあると思います。
ストレス発散法ともいいますね。

それが何なのかは、人それぞれ違うと思いますが、やはり楽しめる何かに心を注ぐというのはとても重要です。

では、僕の心が少しずつ病んでいく中で、まったく気分転換、ストレス発散をしていなかったかというと、そういうわけでもありません。

今の心の状態をしっかり理解し、何が足りていないのか、どうすればいいのか、そういった、自分を理解することができれば、ずいぶん楽になると思います。

今のままでは、憂鬱な気持ちは晴れない、というようであれば、一度すべて手放してみるのも必要な選択なのかもしれません。

色んな余裕、支えが必要にはなりますが。

家族(ペット含む)、友人、趣味、時間、いろんなものが自分を救ってくれます。

この時の僕は子犬だっただけです。

今の僕は、ストレスがほぼない状態です。いや、だった、かな。
何かをしていれば、やっぱり心に澱みが全くたまらないということはありませんもんね。

皆さんに合った、上手なストレス発散をしてほしいです。

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