見出し画像

西洋わさびのきいたミュンヒナーシュニッツエル

(アシスタント以下ア)
本日の37分間クッキング、ドイツ家庭料理研究家、独逸(どいつ)善晴先生をお招きしています。
先生どうぞよろしくお願いします。ところで先生、今日の料理と関係なくて申し訳ありませんが、料理研究家の土井善晴先生と名前が似ていますけど、ご関係は?
 
(先生)皆さんどうもこんにちわ。ドイツ語やったらGuten Tag,南の方でしたらGrüss GottかServus。
なんでも聞いてください。
名前が微妙に似てますし、郷土も同じ大阪ですけれど、土井先生とはなんの関係もございません。あちらは日本の家庭料理がメインでしょ、わたしの方はニッチなドイツの家庭料理を専門にしております。

そんでもって向こうさんは一汁一菜、毎日の料理ということですけど、私のはたまーに、でいいんです。なんて言うたらいいのか、献立がマンネリ化してきたな、って時あるでしょ。そんな時にちょっと変わったもん試されたらどうかという感じです。
フレンチやらイタリアンはもう当たり前。ならば、ジャーマンはどうや、ポテト以外にもできますよ、ってなことです。
 
(ア)はい!では今回ご紹介いただくのは「ミュンヒナーシュニッツェル」ですね。もっと日本語に近づけるとミュンヘン風とんかつです。先生、簡単にご説明いただけますか?


 
(先生)ミュンヘンってビールのお祭り「オクトーバーフェスト」で有名なとこがあります。そこのレストランで生まれたといわれる一品です。ところで「ウィーナーシュニッツエル」って聞かれたことあります?
 
 
(ア)あります、あります。昔、ウィーン旅行した時にトルコ軍の砲弾跡が残るレストランで食べたことがあります。紙のように薄く叩いた仔牛にパン粉をつけて揚げたカツレツですよね。お皿から飛び出るほど大きかったのを覚えてます。
 
(先生)そうそう、それのミュンヘンバージョンなんです。ただし違うのは豚肉を使っているというのと、クレンと呼ばれる西洋わさびが入っている点ですね。ちょっと写真をみてもらいましょうか。

横にあるのは大根やないですよ。西洋わさびです

これがお店で出てくるパーフェクト版です。こんなにきれいにできあがらなくてもいいんです。お家で作られるトンカツをちょっとアレンジするという気軽な気持ちでトライしてみてください。
 
(ア)ではここで材料です。

(先生)
1)豚肉、ドイツではこのようにトンカツ用のお肉として売られていますけどこんなビックサイズでなくとも構いません。一口カツでも美味しく作っていただけると思います。

2)それと塩、こしょう、サラダ油*本場ではラードを使用
 
3)で、肝心なのが豚肉の表面に塗る西洋わさび。

クリーム仕立ての瓶詰めをあらかじめ用意していただくと簡単ですが、今回は生の西洋わさびしかないのでこれとギリシャヨーグルト+油+レモン+塩で自作しましょう。

(ア)先生、瓶を買ってなくってすみません。

 
(先生)ええんですよ。なんでも揃えよう思うたら作るのが億劫になりますからね。なければ冷蔵庫にあるもんを使って代用品をちゃちゃっと作ればええんです。ま、日本では生の西洋わさびを手に入れるのが難しいからス一パ一で瓶かチューブがないか、チェックしてみてください。
 
(先生)じゃ、まずは西洋わさびをすりおろします。20グラムほどすってからヨーグルトを大さじ山盛り3杯ほど。クセのない食用油をほんのちょっと、いれますがこれはヨーグルトの脂肪分によっては省いてもかまいません。あとは塩とレモン汁をお好みで。ちょっと味見どうです?

 (ア)西洋わさびの香りがぐんと鼻と口に広がります。 

(先生)ええでしょ。これね、余ったらサラダのドレッシングとかにアレンジしてもいいんんちゃうかな。  

(ア)それもまたいいですね。じゃ、先生、こちらに叩くのを忘れて塩、コショウをふったお肉があります。

(先生)わざわざ叩かんでもええんです。叩くと繊維が壊れて柔らかくなるというのがありますけど、すじが入ってるわけじゃないですからそのままでも十分です。

(ア)安心しました。

(先生)それじゃ片面に先程の西洋わさびクリームを塗ります。それからその面を下にして小麦粉をつけましょう。

ワサビクリームぬりぬり

そして、これはあくまでお好みですが辛子を別の面に塗ります。ミュンヘンらしさを追求するなら、白ソーセージにつける甘いマスタードを、でなければドイツで一般的な中辛マスタードを。ただし、日本のおでんにつける和辛子だけは絶対ダメです。食べられないくらい辛くなりますから気を付けてください。  

(先生)そうして、両面に小麦粉がついたら、溶き卵にくぐらせて、パン粉をつけて温めておいたフライパンで焼きますよ。ええ匂いがするでしょ。衣がちょっとはがれたけど、そんな事は気にせんでも家庭料理は愛嬌があってらいいんです。 


(ア)がっつり食べたい時はこの大きさがたまりませんね。 

(先生)西洋わさびはね、消化促進にもいいって言われとるんですよ。特にこんな脂っこいもんにはいい組み合わせなんです。お皿のわきにすりおろしたんもちょこっと盛っておいて一緒に食べるてもいいんやないですか。 

(ア)ジャーマンポテトを添えて、人参とコールラビのサラダを付け合わせて仕上げました。


先生、どうもありがとうございました。 
本日は‘’‘たまーに目先を変えてミュンヘン風トンカツ‘’を教えていただきました。

皆様、どうぞお試しください。

いいなと思ったら応援しよう!

Pflanzenjäger
いただいたサポートは旅の資金にさせていただきます。よろしくお願いします。😊