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大雪と書いてたいせつと読む。

 今日は二十四節気のうちの大雪なのだそうだ。

 北日本を中心とした日本海側で雪が降りやすくなるそうで全国的にも気温がグッと下がって冬の寒さが一段階進むことになる。

 雪が降って困る人もいればありがたい人もいる。
 
 困る人は大多数の仕事で移動をする人であろう。

 ひとたび大雪となれば交通機関はマヒするし外に出るのにそれなりの装備が必要になる。

 逆に嬉しい人で思い浮かぶのはスキー場経営の人たちでこちらは雪が降らないと商売が上がったりなので深刻な問題である。

 私が住んでいる町も五十年前くらいまでは年に何度か大雪が降っており山奥の盆地では特設スキー場が設けられてたいそう賑わっていたそうだ。

 父が子どもの頃までは営業していたそうだが年々降雪量が減少してきて閉鎖を余儀なくされたとのことである。

 今でもスキー場の跡地はそのままの形で残されており古ぼけた看板にそのかつての栄光を見ることが出来る。

 もともと温暖な地域なのだが季節の境目が昔はきっぱりしていたのだなと思う。

 そんな大雪の夜に寒さに震えながら今夜のごはんの買い出しに出かけた。

 今日は最初から鍋にしようと決めていた。

 今シーズン何度目かの鍋だが入れる具材によって味が千変万化なので何度でも楽しめる。

 何より基本的に切って鍋に入れて煮るだけという行程のシンプルさが分かりやすくていい。

 さぁて今日は何鍋にしようかなと思ってお店の入口でアルコール消毒をして入店。

 昨日はお肉を食べたので今日は魚にしようかなとぼんやりと考えながら鮮魚コーナーを覗く。

 タラとアサリが二割引きだったのでこれをメインにすることにした。

 となると野菜だが白菜は家にあるので葉物野菜とキノコ類をいくつか買った。

 それからお酒を買い足してセルフレジで精算して帰宅。

 この時期は夕方になると日が落ちるのが早い。

 家の中もなんとなくひっそりしておりうすら寒い。

 とりあえず温まろうと思ってお風呂を入れた。

 それから居間のこたつを弱運転にしておいた。

 まったりしているとお風呂が沸いたのでじっくりと入浴。

 身体全体がホクホクになってからお湯から上がって髪の毛を丁寧に乾かしてから晩御飯の支度。

 タラを水洗いして表面に塩を振りかけて酒を振りかけておく。

 アサリは時短で五十度のやや熱めのぬるま湯につけて放置する塩抜きテクニックを使う。

 そのあいだに他の具材をザクザクと刻んでいく。

 副菜も欲しかったので冷蔵庫を覗くと使いかけのネギと冷凍の砂肝があったのでこれを使う。
 
 砂肝を解凍して細切りにする。
 
 ネギは小口切り。

 フライパンに油をしいて摺りおろしたニンニクを加える。

 ニンニクがパチパチなり始めたら砂肝を投入。

 砂肝は冷凍ものなのでしっかりと炒める。

 火が通ったらそこに醤油、酒、みりん、コチュジャンを加えて仕上げにネギをこれでもかとどさりと加えて砂肝のネギ炒めの出来上がり。

 その頃にはタラの下拵えが済んでいるのでキッチンペーパーで表面をよく拭いておく。

 アサリもしっかりとこすり洗いをして砂を落としておく。

 さぁて鍋を食卓に運んだら晩御飯の始まり。

 鍋つゆは昆布出汁ベースのあっさり味。

 沸騰するまでの間にお酒を飲む。

 今日のお酒はハイボールでスタート。

 濃さは定番のウイスキー3対炭酸水7で作る。

 ではではとグラスを掲げてキュキューッと飲む。

 炭酸はやや薄いもののウイスキーの香ばしい味は存分に楽しむことが出来る。

 ううん、美味いと思わず声が漏れる。

 鍋が沸騰するまでは砂肝をつまみながら間を埋める。

 ニンニクたっぷりの炒め物なので香ばしくてパンチがある。

 余りがちな冷凍庫の食材もガンガン使っていかなくちゃと思いながらハイボールをグビリ。

 二杯目のハイボールを作っているうちに鍋が沸いたので具材を入れていく。
 
 タラとアサリを投入して野菜は白菜、原木シイタケ、シメジ、ニンジンと火の通り具合の遅い方から入れていく。

 白菜に火が通ったらそこに春菊、ねぎ、絹ごし豆腐を加えてフタをしてさらにひと煮立ち。

 鍋がぐつぐつしはじめたら出来上がり。

 さぁて何から食べよう。
 
 鍋はこの瞬間が一番ワクワクする。

 今日はアサリから。
 
 ハグッと噛みしめると貝の旨味がジュッと広がる。

 それから野菜はシイタケをチョイス。

 飾り切りは面倒だからしていないが肉厚で噛みしめるとこれもキノコの特上の美味さがあふれる。

 やっぱり原木のシイタケは一味も二味も違うなぁと思ってもう一つパクリ。

 それからメインのタラに箸を伸ばす。

 身が柔らかいので崩れないように注意しながら口に運ぶ。

 ホロリと口の中でほどけてかなりいいお味が広がる。

 下ごしらえをしたのが良かったのか臭みもなくて食べやすい。

 それからは目につく具材を拾っては一気呵成に食べた。

 お酒は途中から純米酒のぬる燗にした。

 鍋には日本酒がよく合うなと思いつつツピッと飲んだ。

 途中で満腹になってしまい締めまでたどり着かなかったので明日の朝に雑炊にすることで手を打った。

 今日のお酒はハイボール二杯、日本酒三合という控えめな量でおさめた。

 タラちりアサリ鍋、あっさりとしていて食べ応えも十分だった。

 暦の上の寒さに負けないようにホカホカのご飯を食べて風邪を予防したい。

 本日もごちそうさまでした。

 さぁて明日は何を食べようかな。

 

 

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