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ちょうど秋の土用ですね。

 昨夜は遅くまで読書をしてしまい寝るのが明け方になってしまった。

 これはいかんと思って布団に入ってからもなかなか寝付けず鳥の鳴き声を聞きながらぼんやりしていた。

 最後に時計を見たのが六時前でそれからウトウトしているとスウッと眠りに落ちた。

 夢も見ないで熟睡していたが急に外から爆音が聞こえてきたので慌てて目を覚ました。

 大きな破裂音と家が揺れる振動で何事かと思って窓を開けると最近工事を始めたお隣の土地の整地作業をしているようだった。

 土曜日にも仕事をするんだなと思いながら二度寝をしようと思ったが騒音がひどくてとてもじゃないが眠れなかった。

 ううん、参ったなと思って寝るのをあきらめて布団を畳んで家じゅうに掃除機をかけた。

 それからイヤホンで音楽を聴いて騒音を遮断して読書にいそしんだ。

 お昼になると職人さんのお昼休みか工事の音が止んだのでその隙に仮眠をとる事にした。

 何だかんだで三十分くらい眠れたので随分スッキリした。

 ふとスマートフォンを見ると母から連絡が来ていた。

 何事かと思って電話をかけてみるとウナギを知り合いから貰ったので分けようかという願ってもいない話だった。

 ウナギは夏の丑の日に食べたが普段はなかなか口にする事のない高級食材である。

 冷凍で届く養殖ものらしいがすでに焼いてあるので解凍して温めればすぐに食べられるよと言っていた。
 
 じゃあ夕方に取りに行きますと返事をして工事の騒音に耐えながら再びイヤホンを着けて映画を一本観た。

 映画を観終わると日がずいぶんと傾いていたので実家に行く事にした。

 手ぶらで行くのもなんなので駅前で回転焼を人数分買ってお邪魔した。
 
 まずは仏間で線香をあげてそれから居間でテレビを観ている父に挨拶をした。

 母は台所で何か作っているようだった。

 お邪魔しますと父に声をかけたらおう、いらっしゃいと返事があったがすぐにテレビでやっている麻雀番組に熱中し始めた。

 母がああなったらもう話は聞かないわよと言うのがいつもの風景である。

 まあ実家なので私もリラックスして話をする事が出来る。

 さっそくウナギを見せてもらったが程よく解凍されており後は温めるだけになっていた。

 どれだけいる?と聞かれたがそんなに食べられないので一尾で十分だよと答えた。

 そう、と返事をした母は肉じゃがを炊いたから持って帰りなさいと言ってくれた。

 それはありがたいと言ってもらって帰る事にした。

 それから冷凍庫を開いて冷凍のとんかつやシュウマイなどあれはいるか、これも持って帰りなさいと次から次に食材を出してきた。

 そんなに冷凍庫には入らないよと言いながらやんわりとお断りをするのがいつものお約束である。

 結局ウナギと肉じゃが、冷凍のシュウマイを貰って話は落ち着いた。
 
 それから手土産の回転焼をおやつにコーヒーを飲んでからお暇した。

 家に帰ってからうがいと手洗いをしてシャワーを浴びてゆっくりした。

 日が暮れてからお腹が減ったので晩御飯の支度をした。

 と言ってもウナギを温めてご飯の上に乗っけてタレをたっぷりかけてうな丼を作るのと肉じゃがも温めるだけの簡単な工程で晩御飯が出来た。

 今日のお酒は日本酒の冷や、いただきますをしてキュウッと飲むと喉が温まって胃の辺りがじんわりとする。

 うん、口開けが日本酒だと潔いねと思いつつ肉じゃがをパクリ。

 よく煮こまれておりジャガイモがホコホコである、味付けは母の味らしく少し醤油が強いがそれがまた実家の味だと思って箸が進む。

 肉じゃがで一合飲んだので追加でもう一合つける。

 ではではとうな丼を食べる。

 山椒をたっぷり振ってハクリとほお張るとウナギ特有の美味い脂が口中に広がる。

 ウナギは養殖物だが国産なので品質が良くてふんわりとしていてとても美味しい。

 タレの染みたご飯もうな丼の楽しみの一つで思わずパクパクと一心不乱に食べてしまった。

 最後の一切れを残しておいてそこに熱々の出汁をかけて食べたら、もうそれだけで今日のご飯は満点だったなと思えた。

 うな丼を食べきったらお腹いっぱいになったので残りのお酒は肉じゃがをチビチビつまみながら飲み切った。

 はぁご馳走になったなぁと母にお礼の連絡をしたら、また遊びに来なさいと返事が返ってきた。

 いやぁ大満足の晩御飯だった。

 さぁて明日は何を食べようかな。

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