暗譜の考え方と目線。楽器の習慣について。
練習効率や演奏表現を考えると、やはり楽譜は暗譜することも心がけたいものと思う。楽譜には忠実でありたいが、楽譜を目で追うことに集中力を割くと、指への意識が疎かになることがある。暗譜することで、指に意識を集中させられる気がする。
暗譜した時に、目線はどこに置いているのか。
鍵盤を見ることは好ましくないので、何もない譜面台を見るか、壁に貼った水彩画のコピーなどを見ることがある。しかし、指と曲に意識を集中させているので、自分がどこを見ているのかは、ほとんど問題にならなくなっている。
私はたまたまピアノであるが、楽器を奏する習慣があることは人間にとって好ましいものと思う。決して強制ではなく、好きな曲を自分の意志で弾いている時間は、やはり自由というものを感じる。音楽という秩序は、日常の秩序(あるいは無秩序)とは別次元の世界であり、一時的にでもそういった時空に自身をシフトさせることができるのは、精神面でのエクササイズと言えるのではないかと思う。
問題は私の技量が下手であることと、下手であることをさほど苦には思っていないということ。
素人の趣味とはいえ、音楽や楽器演奏とどう向き合っていくかという問いは哲学的ではあるが、個人として切実なテーマと言えるかもしれない。こればかりは、ピアノ講師やプロの専門家から教えてもらうわけにはいくまい。
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