鍵盤の距離感。自覚的な練習。
電子ピアノを所有して10年弱になるが、まだ不具合は生じていない。経年劣化がそれほど感じられないのは、もしかしたら練習が少なく、実際の使用量がそれほど多くないからかもしれない。そうであるなら、少々情けないことでもある。敢えて言えば、アコースティックのピアノに比べて、鍵盤が軽い点が気に入らないが、それほど大きな差があるわけでもない。
不具合や故障がないことはありがたいことだが、買い替えるタイミングがないことも意味する。とはいえ、電子ピアノに格段の技術革新があったとは聞かないから、買い替える必要もないのだろう。しかしながら、家電量販店でワンランク上の電子ピアノを見ると、やはり欲しいと思ってしまう。もちろん、アコースティックのピアノも憧れるが、ライフスタイルに合うのはいつでも練習ができる電子ピアノであろう。
最近の練習で心がけているのは、鍵盤をなるべく見ずに楽譜を見て弾くことであるが、音の離れたパートを弾くとき、どうしても鍵盤の距離感が掴めずにミスタッチを繰り返している。この鍵盤の「距離感」を、何とか身体に覚え込ませたい。そもそもパソコンのタッチタイピングができて、なぜ鍵盤でそれに似たことができないのか、と以前から思っているが、タッチタイピングも一朝一夕にできたものではなかったし、単純な練習不足と、適切な訓練方法を知らないことが要因ではないかと思う。タッチタイピングも、「ローマ字入力」から「かな入力」に転向しようと志したが、これは挫折している。練習不足と、意欲に欠けていた。
アクションゲームのゲームコントローラーの操作も、慣れるまでは苦労したものであった。そういったものと楽器の演奏を比較することは適切ではないかもしれない。ただ、道具に対して身体を慣らすという点では、やはり少々似ているようにも思われる。
ピアノに限らず、楽器の演奏の練習には何らかの普遍的なコツがあるのではないか。楽器の練習に取り組んでいる人は、練習しているその時、何を考えているのだろうか。優秀な人は、おそらく自分の演奏練習に常に自覚的で、リアルタイムにそれを分析し、回帰的な修正をかけ続けているのではなかろうか。私は最近、自分の練習方法がどうにも合理的ではなく無駄が多いように思われて仕方がない。
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