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【現代アート展】Tokyo Gendaiに行ってきた
7/5~7/7にパシフィコ横浜で開催されたTokyo Gendaiに行ってきました。
たまたま、神奈川県で開催されているイベントを調べていたら、現代アート展が開催されていると当日の昼に知って、これは行ってみるしかないと思い、パシフィコ横浜に突撃しました。
現代アートについては深い知識はないものの、触れていく中で培われるものがあると思ったので、とりあえず飛び込んでみたのです。
当日は雨が降っていたにも関わらず大勢の方がいらっしゃいました。
あ、私が行ったのは7/6(土)のほうです。
パブリックプログラムというトークセッションもやっていたのですが、作品を見るのに夢中になっていて、後で行けばいいやと思っていたら、時間制だったことを忘れていて聞き逃すという大失敗をしでかしました。
まあ、その分作品に没頭できたので、よかったということにします。
また、今回の現代アート展に行くにあたって、意識したことがあります。
それは作品の説明を読まないこと、一つの作品をジックリと見て、あれこれと考えてみることです。
どうしても、美術館などに行くと作品の概要を知ることで、知った気になって、鑑賞を終えてしまいます。
なので、各コーナーに作品のタイトル等の記載がありましたが、私は一切読んでいないので、作品の解説とかはできません。
読んでいてもできないと思いますが…。
作品たち
印象に残った作品は沢山あるのですが、そういう作品ほど撮影せずに想像を膨らませて、鑑賞することに没頭していたので、残っていないんですよね。
こちらの写真は入口近くに展示されていた「ShugoArts」というギャラリーの作品になります。
ガラスのこの形、指のようにも見えるし、蛇のようにも見えるし、何をイメージしたものなのかを考え続けていました。
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暗雲を思わせる絵ですね。
台風の真っただ中の雲の中はこんな感じなのではないかと想像を膨らませました。
また、宇宙の誕生のようにも見えて、闇の中からこの世界は生まれてきたのだと思うと、なんだか怖いような不思議なような感じがしますね。
上が黄色で下が青い色なので、天と地下をイメージしたようにも見えますね。
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写真の撮り方をこの日ほど学んでおけばよかったと思わずにはいられません。
こちらの絵ですが、全体はもっと大きい絵になります。
その中で、気になったのが絵の右下にローソンがあります。
このローソンから町にかけていく道があり、その先には町があります。
ローソンが大きく映っているので、ローソンの近くから描写したということになるのでしょうが、不思議な構図になっているなと思ったのが、すごく印象的です。
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とても美しい絵でえすね。
女性の美しさとどこか儚げというか薄幸な感じがしました。
そう見えるのは女性の表情が虚ろであり、体が痩せているように描かれているからでしょうね。
しかし、左から差し込む光によって包まれており、それがなんとも言えない神々しさを出して、女性の美しさを引き出しているのではないかと感じました。
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かわいらしいキャラクターの絵ですね。
加筆用なのでしょうか?道具が近くにあって、写真には写っていないですが、梯子もあって高い位置の絵も調整できるようになっていました。
絵もさることながら、こういう作業間のあるのって好きなんですよね。
アトリエとかに行くと、描きかけの絵と周りに散らばる絵具などの道具があり、まさに今制作しているというのが伝わってくる。
そういう空間が大好きなので、このアトリエの雰囲気を感じさせる空間そのものすらアートなのではないかと思います。
もしかしたら、そういう意図もあったのかもしれません。
作品を楽しむというよりも、作品が作られていく過程に存在する空間を楽しむ。そこからどのように作られていったのかを想像すること、それもまた大いなる楽しみです。
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近くには他にもキャラクターの絵が展示されていました。
奥にある絵はなんだか少し不気味な感じがしますね。
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子供が描いたような純粋な絵に見えます。
しかし、純粋な絵がどうして怖いと感じるのでしょうか?
私が思うに子供の純粋な絵が怖いと感じる時があるのは、その絵から感情というものが感じられないからではないかと思うのです。
明るい絵だったり、暗い絵だったり、楽しい表情や悲しい表情といった何がどうなっているのかを認識できる、その絵から感情を受け取れるものは安心できる。
しかし、その感情を感じることができないと不安になるのではないかと思うのです。
そしてそれは、私たちが普段から抱えている人間関係の問題でもあります。
相手が喜んでいるのか、怒っているのか、わからないととても不安になりませんか?
相手の気持ちがはっきりしていたり、見えている場合にはそれが真意でなくても、安心できるものです。
こちらは女の子でしょうか?
おかっぱ頭の子に見えますね。
平たくてかぼちゃのような形をしています。
表情は口元がニヤリとしているので、笑っているのでしょうか。
髪の毛は前髪だけはおでこまでで、そのほかは首下まで伸びていますね。
目はよく見ると付け根の近くに線が入っており、目の中の白目ゾーンでしょうか?
とすると、他は黒目?
黒目がかなり大きいですね。黒目が大きいということは暗闇の中ということになります。
人間は暗い中にいると光を得ようとするので、瞳孔が開きます。そうすると黒目が大きくなるのです。
暗い中にいて、ニヤリと笑みを浮かべているのを想像すると少し怖いですね。
どんな事を考えているのでしょうか…。
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まるで青い鉱石のように見えますね。
ファンタジーのお話の中に出てきそうです。
こちらよく見ると文字が書いてあり、中国語でしょうか、漢字が沢山書かれています。
三角形の青い紙を沢山重ねてあるのです。
最初に鉱石だといいましたが、改めてみると都心の街中のようにも見えます。
突き出ているのはビルであり、私たちはその奥底で見えなくなって生きている。
文明というものの中に私たちは置き去りにされてしまっている…という風に見えましたね。
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感じたこと
現代アート展に行ってみて一つの作品をジックリと観察するということをやると、多くのことが見えてきました。
今までとは違い、作品を見てから少し経っても、当時の気持ちや想像した考えなどをありありと思い出すことができるのです。
私たちは日々を何気なく過ごしていますが、その一秒一秒が本当にかけがえのないものであることを忘れてしまいます。
昨日のことが明確に思い出せるほど、全力で生きたでしょうか?
自分が望んでいる生き方に向かって、精一杯取り組んだでしょうか?
当たり前の日常をただのルーティンとしてこなしていないでしょうか?
作品の鑑賞を通して、人生の大切なことに気づきそれを生かしていく、それが現代アート展の魅力、ひいてはアートというものの魅力なのではないかと感じました。