見出し画像

初心者でも面白い2000円以下のワイン3選

はじめに:ワインは微妙すぎる

1本750ml。重い瓶に入っている。
一晩で飲みきるには量が多い。
開けるのにそれ専用の道具が必要。
生産者や銘柄が多すぎて、選ぶのに知識が必要。
有名なものはとにかく高い。

……こんなもん、興味を持てというのが酷じゃなかろうか。

それでも飲んでみたい!と思ってくれた方への敷居の低いガイドとして、素人のワイン飲みが今年飲んで楽しかったお手頃ワインを3つ選びました。
予算は1本2000円です。

選定基準を「美味しさ」にするのは諦めました。
「ワインの美味しさって何?」を整理するのは難しすぎるからです。

ワインのテイスティング用語は難解です。

「酸味がほどよい」
「果実味が強い」
「凝縮感がある」
「収斂するタンニン」
「なめし革の香り」

……人に説明する気あるの?

そこで今回は飲んで「美味しいし面白いなー」「ワインって奥深いなー」と感じられたものを選出することにしました。

・「いやいやいや、こういうことは全部知ってるよ!もっと出し惜しみせず美味しいやつ出して!」という方、すみません、私よりお詳しいと思うので教えてください。飲みに行きましょう。

・当方ワインエキスパートも未取得のド素人なので、間違いがあったらご指摘いただけますと幸いです。
※記事中に画像が展開したい都合上、Amazonのリンクを使っています。Amazonで買えるものは楽天でも購入可能です

それではやっていきましょう!

①飲む香水 🇨🇱コノスル ビシクレタ レゼルバ ゲヴェルツトラミネール

ワイン好きが満場一致で挙げる安旨ワイン「コノスル」から1本。
コノスルはチリのワインメーカーです。南北に長いチリの国土を生かし、たくさんのぶどう品種を栽培しています。トレードマークの自転車の絵のラベルを見たことがある人も多いのでは。

コノスルはどれも非常にクオリティが高いのですが、際立って面白いのが「ゲヴェルツトラミネール」です。ぶどう品種の名前がついています。
特徴はとにかく香りが強いこと。白ワインといえば柑橘もしくはハーブ系のスースーした香り……と思っていると大胆に裏切られます。
ライチ・白桃・マスカットなどのトロピカルフルーツの香りに加えてバラの香りまで。まるで飲む香水です。

画像2

ゲヴェルツトラミネールはメジャー品種ではないため酒屋でもなかなか見かけないし、あっても3000円を超えてくる印象なので、1000円以下で買えるコノスルは神がかってますね……。

ちなみにゲヴェルツトラミネールのように特徴的な香りが強いぶどう品種のことをアロマティック系と呼びます。コノスルではヴィオニエも作られていて同じ価格帯で買えます。こちらはもう少しハーブ寄りのジャスミン系の香りです。ゲヴェルツトラミネールと並べて飲み比べるのも良し。


②「飲みやすい」と「うまい」の両立 🇮🇹カサーレ・ヴェッキオ モンテプルチアーノダブルッツォ

こちらのカサーレ・ヴェッキオ、通販はもちろん、カルディや大手百貨店のワイン売り場でも取り扱いがある売れっ子イタリア赤ワインです。ワイン漫画「神の雫」でテンション高くベタ褒めされて有名になりました。

Amazonのページの売り文句もこんな感じ。

一度、飲んでいただければこのワインの凄さがおわかりいただけると思います。
とにかく濃いです!そして美味いです! リピーターが非常に多い人気ワイン。

凝縮、かつ熟したフルーツがドド~ンと口に衝撃を与えます。
濃くて、甘味もあり、でも甘すぎない凝縮系の果実味です。
イタリアらしさと南仏の濃いワインにも似たニュアンスがあり、
ボルドーの要素も少しだけ感じる紳士さもあります。
若くから飲めるワインで、インク、クレーム・ド・カシスを感じさせる確かな味わいです。
このワインは、やっぱ凄い!

……。
飲んだ私の目線でまとめると、「飲みやすい」のに「うまい」という意味だと思います。

世に「飲みやすい」ワインは多いですが、言い換えると「単調なワイン」であることが多いです。
ちょっと甘すぎたり、渋みがなさすぎたり。1本空ける頃には飲み飽きてしまうこともあります。

飲み飽きないワインは、果実っぽさ・酸味・苦味などがバランスよく感じられるもの。そういうワインは手間がかかるのか、売値が上がります。
2000円以下で探すのは骨が折れます。特にフランスワインでは。でもイタリアなら結構あるんだなこれが。見つけるとゲームの抜け穴、バグを探し当てたような気分になります。

少ない予算でこれぞという一本がほしい日は、イタリアに照準をあわせてみてください。


③それでもフランスワインが飲みたい 🇫🇷シャトー クロ デュ ロワ2008

おフランスのワインはずばり高いです。
何百年と外国にワインを売り続けてきた国ですから、イタリアみたいなバグはもう残っていないのかもしれません。

フランスの2大産地としてボルドーとブルゴーニュが知られていますが、2000円で探すならボルドーの方が望みがあります。
(美味しいブルゴーニュワインが2000円以下で買えたとしても、それはオタクの縛りプレイです)

ボルドーワインは性質上、リリースが最近のものはピンとこないことが多いです。渋すぎて口の中がザラザラになります。
長期熟成して美味しくなるブドウ品種が多い土地なので、ボルドーは10年待った方が美味しくなるかもしれません。
最近は比較的すぐ飲んで美味しいワインが増えているそうですが、うーん、本当かな……?10年なんて待てない……。

画像1

シャトー クロ デュ ロワ2008 1980円
※ごめんなさい、ネットではもう見つかりませんでした

筆者なりの解決策はこちら。すぐ飲むならボルドーは既に古いものを買う!
渋みが熟成によってこなれて、バランスのいいワインになっていることが多いです。②のようなイタリアの濃いワインとはまた違った、複雑な美味しさがたまりません。

カルディや成城石井で「バックヴィンテージ」と書いてあるものが売られていたら、古いワインです。2008、2012、2013あたりは飲み頃の可能性があるので試してみてもいいかも。
とはいえバグが少ないフランスなので……ハズレを引いたらごめんなさい。

ハズレを引きたくない人は、ちょっと予算を上げてこちらのモンペラを飲みましょう!人気なので品薄気味。成城石井で買えたらラッキー。

一晩で飲みきれなかったら

安心してください。ワインは抜栓してから3日くらいは大体大丈夫です。
むしろ濃い赤ワインはカレーみたく2日目の方が美味しくなることもザラにあります。
2〜3日で飲み切るなら抜いたコルクにラップをかけて押し込んでおきましょう。

空気を抜く専用の道具もありますが、ハマってから買っても全然遅くないと思います。


買ったワインが気に入らなかったら

砂糖を入れてホットワインにしちゃいましょう。赤白問わずかんたんにつくれます。


来年も美味しいワインに出会えますように。よいお年を〜

この記事が参加している募集

いつか猫を飼う時の資金にさせていただきます