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【仕事メモ】久しぶりの現場作業に対するリモートワークでの取り組み方
こんにちは。
自立に向けてとにかく手を動かしたいとっとです。
昼休みnoteです。
今日から、本業の衛星開発のほうで試験がはじまります。
いまのフェーズの試験をインテグレーション試験といい、すでに始まっている衛星全体の組み立ての途中、要所要所で接続性や機能の確認を行う試験の初日になります。
衛星を全部完成させてから不備が見つかると、またバラしたりしないといけないので、組立の間に確認をいれていきます。
衛星の開発スパンはおおよそ3~4年なので、ひさしぶりの現場作業なのですが、今回はわたしにとってこれまでとは違う環境での取り組みとなるので新たな学びがありそうで、まとめてみたいとおもいます。
衛星の試験
学校で人が受ける試験は、その人がどこまで理解しているかを確認するためにおこなわれますが、製品の試験は意図(設計)どおりにつくられているかを確認するために行われます。
人工衛星もおなじです。
数十万点を超える部品をあつめ、
部品→複合部品→機器→モジュール→衛星、
と組み立てられていきます。
モジュール単体では意図通りの動作だったのが、あわせてみるとうまくいかない、なんてことが工程終盤の衛星システムインテグレートにおいて判明したりします。
人と一緒ですね。ひとりひとりはイイ感じなのに、あつまるとウマが合わず、チームとして機能を発揮できない部分がでてくるのです。
そこをひとつずつ、順番立てて確認し、トラブルがあれば是正していく地道な作業です。
これまで参画させていただいた4機のプロジェクトでは、この試験フェーズに入ると現場につきっきりとなり、品質管理部門と一緒になって試験の進行とトラブルシュートをしてきました。
衛星開発の現場でも、技術屋と品質管理屋がいます。
技術屋は設計確認のためにどのような試験を行うか策定し、ひとつひとつの項目に対して合格ラインとなる規格を切っていきます。
品質管理屋はその規格にもとづき、試験の手順を策定し、実際に試験を行ってデータ取得を行います。
わたしは前者の技術屋に分類されます。
これまでと違うところ
衛星試験という業務内容は変わらないのですが、体制とわたし自身の携わり方がこれまでとは大きく違います。
過去、試験作業の実施主体も、それに付随する工程管理上のスケジューリングも、すべて自身で担当してきましたが、今回のプロジェクトでは主担当者が別にいます。(別会社のメンバー)
とはいえ、実際には試験現場の業務だけでなく、プロジェクト進捗管理側との橋渡し作業もあり、体制の建付け上そこまでは期待できません。
・現場からの作業フィードバック
・イレギュラー時のリスケ検討
・提出物のフォロー
・・・
今回はそういった付随する事柄に気をまわしつつフォローしようかなと、ぼんやり考えていました。
ところが、わたしには昨年から優秀な後輩がついています。
ということで、主担当のフォローという作業も、直属の後輩にやってもらうことにしました。
イメージ:
作業の主担当者 ← 後輩がフォロー
あれ??
そうなってくると、わたし不要では・・・
左うちわとは、こういうことを言うのでしょうか?
・・なんてことは無く、主担当者の付随作業をフォローするということは、主担当作業者と同等以上の経験がないとできませんので、後輩のフォローが必要となってきます。
イメージ(訂正版):
作業の主担当者 ← 後輩がフォロー ← わたしがフォロー
まわりくどいように見えますが、組織として見てもかなり理想的な体制を組めているとおもいます。
経験者がいつまでも現場に出張るとその組織がどうなるか、火を見るよりも明らかですから。
違った見方をするとこうなります。
主担当作業を外注 ← 自社で進捗管理
本当は期限だけ切って進捗管理も外注化したいのですが、それを定型的に契約事項として落とし込めるほど、自社側が自作業を把握できていないという致命的な実情があります。
すこし脱線しますが、後輩はまだ入社4~5年目の若手(?)です。
わたしのもとに来てくれる前は違う現場にいましたので、衛星の開発経験はほぼゼロに等しいです。
にもかかわらず、その若手より経験のある主担当者のフォローを命じているのですから、実際のところかなり高度な要求をだしているとおもっています。
でもその後輩は、知識や経験では身に着けることのできない部分で、とても良いものを予め持っていると感じています。
一言では表現しづらいのですが、仕事への取り組み方とか当事者意識とか、そういった部分です。
個人的な意見ですが、主体性というのは社会に出てなお、経験したからといって身につくかどうかは怪しく、それでいて一番大事な部分だと感じています。ある程度育った環境から身についているものであり、そういうものを持っている人を入社面接の段階でいかに見抜けるかが肝だとおもっています。(技術伝承よりも)
どうやってフォローのフォローをしよう
これまでのわたしの経験談を、あれこれ口頭で説明するのはねむくなるだけですので、とりあえず衛星を見てみよう!とおもいたち、先日、後輩を引率して試験現場を下見してきました。
ひさしぶりに無塵衣(パン屋さんのような埃を防ぐ全身スーツ)を着て、エアシャワーをくぐり、工場内に入ります。
さまざまなプロジェクトが平行して走っていますから、現場はにぎやかです。
わたしたちが参画しているプロジェクトの現場までいき、まだ組立途中の衛星やこれから始まる試験の概要について簡単に説明しました。
製造メーカーやミッションにもよりますが、完成した衛星の大きさは路線バスより少し小さいぐらいです。完成前のバラバラな状態の主構造部分は、組みあがったあとは衛星の内部になり覗くことができませんので、良い経験です。
「試験はじまったら朝会に出て、現場の作業日報なんかも出してみて」
なんて、ちゃんと先輩面もしてきました。
これから後輩には、主担当者たちのフォローをしてもらいたいと考えるのですが、そのためには主担当者たちの動きをこちらで見て、気づいたことを後輩にインプットしていく必要があるとおもっています。
そのときに、できるだけ理由とともにつたえ、必要性を理解してもらうことを心がけたいです。
それをもって納得したら、後輩自身が動くか、もしくは主担当者に動いてもらうように声かけしてもらうか、といったやり方でどこまでいけるか、といまは考えています。
まわりくどいやり方ではありますが、そういう経験をとおして、
・主担当業務の俯瞰した理解
・付随する周囲業務の理解
の2点において、優秀な後輩はわたしの2倍のスピードで成長していけるのではないでしょうか。
そのためのキャパは十分にありそうなので。
まとめ
今回、ひさしぶりの衛星試験現場作業をこれまでと違った体制で臨むにあたって、わたしの考えるフォロー体制を整理してみました。
最終的には、試験工程をオンスケで進めることを目指し、わたし自身はリモートワークで後輩のフォローをしつつ、後輩から主担当者のフォローをし、うまくまわるか実践してみようとおもいます。
勘の良い方はお気づきかもしれませんが、管理者でもないわたしが何故ここまで自由に事を運べるのか、、
については、会社の上司たちに感謝している次第です。
これもわたし自身の自立に向けた大事な一歩になりそうな気がしてやみません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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