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茹で豚と豆苗のサラダ

ズルめし美女。それは高カロリー、高脂質、高糖質……そんなの美味いに決まってる、通称”ズルめし”を、ひたすらかわいい女の子に食べてもらうことで、あらゆる背徳感をお届けする「男の欲望が詰まったグルメメディア」である。

ここはまさに禁断のサンクチュアリ。いや恍惚のギルティー。はたまた微笑みのパラダイス……。足を踏み入れたら最後、あなたはあらゆる欲をくすぐる料理と女によだれが止まらなくなるだろう。
2月は「豚料理特集」をお届け。前回は豚の脂たっぷり、脂質と糖質の暴力グルメ「角煮丼」をご紹介した。今回は一見あっさりとしたメニューである「豆苗の豚しゃぶサラダ」をお送りする。しかしそこはズルめし、ただのヘルシー料理にはしないので、ぜひ最後までご覧いただきたい。

今回のズルめしガール

今回もコントラバス・ピアノ奏者であり作編曲も手掛けている「Yu-Ka」さんにズルめしを召しあがっていただく。彼女、東京藝大で楽器の演奏を学び、現在はプロのコントラバス・ピアノ奏者として、活躍している。前回はハイカロリーメニュー「角煮丼」をしっかりと食べてくれた。その華奢で美しい体型から、なんとなく「高級フレンチでちっちゃいパスタ食べてそう」と思ってしまいそうになるが、意外にも大衆居酒屋が好きという正にズルめしにぴったりのお嬢さんだ。

そういえば、コントラバスってどんな楽器なの?

Yu-Kaさんにゆくゆくの目標を聞くと「コントラバスをもっとメジャーな楽器にしたいですね」と壮大な目標を語ってくれた。

音楽にあかるくない限り、コントラバスってあまりメジャーではないのかもしれない。小学生の吹奏楽部で背の高い子が任命される、そんなイメージだ。

(出典: https://note.com/aoyamana/n/nae7d980ff6d1))

まったく楽器を知らない人としては「コントラバス?え? なに? 淡水魚? 外来種?」という方もいるかもしれない。

ということで、コントラバスのことを探ってみよう、と思ってリサーチしてみると、これがなかなか面白い楽器で、私はすっかり低音の魅力に取り憑かれた。

コントラバスは「バス」というだけあって低音をつかさどる弦楽器だ。低音なので、ぶっちゃけあんまり目立たない。どちらかというと縁の下の力持ち的な存在だ。普段は意識しないけど、いざいなくなったら違和感がすごい。オーケストラを料理とすると、醤油とか塩とか、そのレベルで大事。味噌汁で言うところの出汁。まさにベース。

音楽を聴く際「低音にちゃんと集中する」という方はどれくらいいるのだろう。私含め、あまり低い音は聴かないのではないか。スマホじゃあんまり出ないし、どうしても耳に残るのは高い音だ。ふんふんふーん♪みたいなハミングかますときに、ベースの音を口ずさむ人は見たことない。

しかし低音がなければ音圧もなければ迫力も出ない。めっちゃしょぼく感じるだろう。そう考えて、Spotifyでこの前グラミー賞を総なめしたビリー・アイリッシュの「bad guy」なる曲を聴いてみた。

これがマジでびっくりした。ほぼ低音しかなかった。なので、他の曲もベースにばっかり注目して、1週間過ごしてみた。

これが渋い。どうしようもなく大人の香り。1週間ずっとウイスキーとタバコが見えてた。マジで。なんか高音のギターソロとかが、子どもの戯れに聴こえ始める。こう、はじめて自転車の補助輪を外すギターをベースがささえている感じ。バンドのお父さん。

するとコントラバスのムーディな大人の雰囲気、広い心がだんだんと癖になってくる。低音の楽器は色々あるが、コントラバスはクラシック、ポップス、ジャズなど汎用性が広いことに気づいた。というのも演奏法が複数あって、弓を使ったり指で撫でたり、はじいたりできる。音色がいろいろあって、おもしろい。

ほんで楽器が大きいからか、弾いている姿がどうしようもなくかっこいいというのも、コントラバスの大きな魅力だ。弦楽器を立てて弾くって、オーケストラの中でも目立つ。弾けないけど持ってみたい。コントラバスと肩組んで写真撮りたい。

ちょっといったん、低音に集中して音楽を聴いてほしい。するとコントラバスの大人な魅力に気づくはずだ。

さて、そんなコントラバスのプロ奏者であるYu-Kaさんの前に今回のズルめし「豆苗の豚しゃぶサラダ」が到着した。

あっさりした豚しゃぶに豆苗を盛り付け、自家製のソースをかけたひと品だ。ちなみに隠し味もこっそりふりかけている。

「わぁ〜豚しゃぶだ!」

Yu-Kaさんもご満悦のご様子。このままではちょっとヘルシー過ぎるので、仕掛けを1つ。アッツアツのごま油をかける。

ジュワっと響く音、湧き立つ湯気。その向こうに「いい匂い〜!」とはつらつとした笑顔。これで一気にカロリーアップ。旨みもアップ。ズルめしの完成である。

「いただきます〜」

「ん〜おいしい!」

「(田口氏)ちなみに、そのオレンジ色の、なんだと思います? たぶん知ってるよ」

「え? お芋? かぼちゃかな?なんだろ」

「それ、カラムーチョ」

「え、ほんとに? あ、ほんとだカラムーチョだ! すごいですね。お料理にも使えるんだ」

「これご飯欲しくなりますね! カラムーチョも美味しくて、ハマっちゃう(笑)」

コントラバスを弾いている時はこんなにも凛として、大人な雰囲気なのに、美味しいものを食べているときは子どものような笑顔のYu-Kaさんに、現場もほっこりと癒されたのだった。

次回予告

さて今回は「豆苗の豚しゃぶサラダ」をご紹介した。次回は2019年に大久保周辺でブームになっていた「チーズハットグ」を、あえて2020年にご紹介。ぜひぜひ見てほしい。


茹で豚と豆苗のサラダ

《材料》
豚バラしゃぶしゃぶ用肉   200g
湯             600ml
鶏がらスープの素      大さじ1と1/2
塩             少々
豆苗            1/4束
長ネギ           1/8本
カラムーチョ        ひとつかみ
フライドにんにく(市販品) 適量
ごま油           大さじ3

《作り方》
1、 たっぷりの湯に鶏ガラスープの素、塩を入れ、豚肉を茹でる。
2、 半分に切った豆苗、斜め薄切りにした長ネギ、カラムーチョを混ぜ、皿に盛った1の上にのせ、フライドにんにくをかける。
3、 小鍋で軽く煙が出るくらい熱したごま油をかける。

■クルーの紹介

photo : 小堀 将生
style : 田口 竜基
write : 緒方 優樹

model : Yu-Ka

Youtube(Yu-Ka [優香]Contrabass)


Instagram(contrabass.ka)

Twitter(Yu-Ka/Contrabass)

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