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サーモンのカレーオイスター炒め

ズルめし美女。それは高カロリー、高脂質、高糖質……そんなの美味いに決まってる、通称”ズルめし”を、ひたすらかわいい女の子に食べてもらうことで、あらゆる背徳感をお届けする「男の欲望が詰まったグルメメディア」である。

ここはまさに禁断のサンクチュアリ。いや恍惚のギルティー。はたまた微笑みのパラダイス……。足を踏み入れたら最後、あなたはあらゆる欲をくすぐる料理と女によだれが止まらなくなるだろう。
プロのカメラマンとフードスタイリスト、ライターが本気を出してつくる当メディア、今回から3部は脂の乗ったサーモンを題材にしてお伝えする。

サーモン好きな女性は多いだろう。脂質は高いものの、実は低カロリーな食材であるサーモン。もちろん適度な量であれば、だ。今回、ずるメシクルーはサーモンを惜しげもなく使って、3品の料理を作った。第1回は「サーモンのカレーオイスター炒め」をご紹介しよう。

今回のズルめしガール!

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今回のズルめしガールはフリーモデルの降旗さくらさんに務めていただく。

海が好き、という快活さと、文学少女ならではの落ち着きを持つ、ショートカット美女だ。

サーモンよ、おまえもか。

サーモン料理を紹介する前に、そもそもサーモンとはなんぞやを解説しよう。こんな機会でも無ければ「サーモンの自己紹介」なんて目にすることはあるまい。ミッキーマウスだって、ドラえもんだって、背景を知ってこそかわいい。サーモンだって、バックグラウンド知ると、より美味しくなるはずだ。

サーモンは普段、北太平洋のオホーツクやらベーリングやらの冷たい海を泳いでいる。近郊に住んでいたアイヌの方々は、毎日サーモンばっかり食べているので、カムイチェプ(神の魚)と呼んでいるそうだ。ちなみにアイヌでは皮を剥いで、靴にするらしい。いやはや、これぞ、おしゃれである。

どこかで読んだ、赤瀬川原平の著作を思い出す。ハイソなブランド品を身につけている若者が「オシャレでしょ~」なんつっているのを「人が作ったものの、どこがおしゃれだ」と一喝したエピソードがあった。アイヌの方々は生活のなかでオシャレを心得ているのだろう。

ととと、話を鮭に戻す。サーモンといえば帰巣本能だろう。川で生まれたサーモンはエサが豊富にある太平洋までいったん出ていき、産卵するタイミングで、自分の生まれた川に戻ってくる習性がある。これ、実は半端じゃない負担である。大海原の真ん中にいても「あれ? いまおなか蹴った?」と感じると、地元まで泳ぐのだ。その道中たるや、尋常ならざるイバラの道で、なんと無事に帰れるのは0.4%。鮭の産卵量は多くても約6,000個なので、たった24匹しか戻ってこられない。まじで狭き門。これぞ魚介の宝塚である。

そのため、鮭が帰ってきたときに見せる河中からのジャンプには、ある種の感動さえある。かの暴君、ジュリアス・シーザーでさえ鮭のジャンプを見て「おいマジか、やべぇ、あの魚跳ねてる、かっけーなおい」と興奮気味に側近に伝えたそうだ。ラテン語で「跳ねる」は”SALIRE”、派生してSALMONになったらしい。なんか、感動をぶち壊すほどに間抜けな語源、という感じがしないか。跳ねるから、サーモンって……と思ったら「鮭」も、瀬を蹴って跳ねるから、瀬蹴(セケ)→鮭、らしい。ジャパニーズ、おまえもか。


と、まぁサーモン談義はこのくらいにしよう。そろそろ赤身に愛着が湧いてきたはずだ。今回のメニューは「サーモンのカレーオイスター炒め」である。

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こんがりと焼かれた鮭と、オイスターソース、そしてカレー粉で味付けした。牡蠣を原料にしたオイスターソースと鮭、魚介タッグの相性は抜群である。またオイスターソースは中華生まれ、カレーはお隣のインド出身なので、こりゃもうマッチするべくしてマッチしている。エスニック風味満点の逸品だ。

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台所でシャーっと炒める音ともに、2つのソースの香りが鼻腔をくすぐる。さくらさんも「なんだろう? カレー?」と、にこにこ、そわそわしながら、待つこと数分!

「わー、美味しそう! ……なんですか、これ?」

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予想通りのリアクションである。こいつ、所見で分かる代物ではない。一見、照り焼きのような印象まで受けるだろう。しかし香りはエスニック。撮影現場にも、ふわっと匂いが広がって……こっちまでおなかが空いてきた。さくらさんも待ち遠しいご様子……。

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「いただきます」。からのパクリ。

「わぁ。これ美味しいです。カレーと……オイスター……?」

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そう、さすが、さくらさん。正解!

今度は、ていねいにサーモンの身を切ってから……一口。

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「すごい、合いますね。美味しいな」

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にこにこしながら食べてくれる様が、とっても愛らしい。なんかもう、目の前にこの笑顔があると、なんでも許せる。跳ねる=サーモン、いい名じゃないか! かわいいじゃないか!

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それと、お箸の持ち方が美しくて、大和撫子を感じる。名前も「さくら」と、国花を模しているし、もしや和食のほうがよかったのか……。

いやいやそれじゃ、普通すぎて面白くない。我々は「まっすぐゆがんだ変態」なので、やはり少しズレてエスニックくらいのほうがいい。見よ、この眼力を。「あたし、いま、サーモン食べてるぞ」という強い意志を感じる。これは、あと2品も楽しみである。

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次回予告!

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さて今回は「サーモンのカレーオイスター炒め」をご紹介した。

次回は「サーモンバーガー」。サーモンブロックを丸ごと揚げた、ジャイアント過ぎ、大胆過ぎ、なバーガーをぜひご覧いただきたい。

■サーモンのカレーオイスター炒めのレシピ

【材料(1人分)】
サーモン切り身  2枚
塩、こしょう   少々
カレー粉     小さじ2
レーズン     大さじ1
オイスターソース 大さじ1/2
サラダ油     大さじ1
パセリみじん切り 適宜

【作り方】
1、 サーモンは一口大に切り、塩、こしょうをふり、表面にカレー粉をまぶし付ける。
2、 フライパンにサラダ油をひき中火で温め、サーモンを焼く。
3、 サーモンに火が通ったらレーズン、オイスターソースを加えざっと混ぜる。
4、 皿に盛り、あればパセリのみじん切りをふる。


■クルーの紹介

photo:小堀 将生(https://bicture.jp
style:田口 竜基(http://fooddragon.net
write:緒方 優樹(https://giraffecompany1016.wixsite.com/mysite

model:降旗 さくら

Instagram(@sakura_riririri)https://www.instagram.com/sakura_riririri/


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