スマホ・ゲーム依存問題にどう対処すべきか
◆デジタル時代だとは言え・・・
デジタル時代の今日、子どもたちがスマートフォンやタブレット、テレビゲームに夢中になっているのは周知の事実です。このようなテクノロジーを用いて画期的な学習機会や娯楽を提供できる一方で、スクリーンに過度に依存することが、身体活動の低下、社会性の低下、睡眠の乱れなど、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
親として、教育者として、この深刻化するスマホ依存・ゲーム依存の問題に対処し、子どもたちが健全にデジタル社会で生活できるよう導くことが極めて重要になってきています。
◆明確な境界線を設定し必ず守らせる
ゲームや動画サイトなどデジタルな情報に向かい合う時間、いわゆる「スクリーンタイム」に関する明確なルールを家庭内に設けることが重要です。
1日または1週間のデバイス使用制限(=境界線)を設け、子どもたちにその境界線を理解させることが第一段階です。
次に大事なのは「一貫性」です。「この時はまあ特別にいいよ・・・」的な例外を決して作らないことが重要です。ここは親が心を鬼にする場面です。家庭内で一貫したルールを作りましょう。
私の相談経験において、ほぼこの段階が不十分なケースが多いように思われます。
◆手本を示すのは大人の努め
デジタルは若者の世界、大人はついていけない・・・と、ついつい子どもの口車に乗せられている親御さんがいますが、それは紛れもなく大人の勉強不足です。
子どもは周囲の大人の行動を真似ます。大人自身がスマホやタブレットの使い方に気を配り、健全に活用する模範となるように努めましょう。特に、家族で食事をしたり、充実した会話の時間を過ごすべき時に、親がスマホを「ながら見」していませんか?
子どもはそういう姿を自然と真似しています。
子どもをスマホ中毒でメンタルクリニック送りにしたくなければ、大人が率先して使用時間を制限し、子どもたちにバランスの大切さを教えましょう。
親は子どものお手本です。
◆他の興味を広げる
子どもたちの興味を多様化させるために、スマホやタブレット以外のさまざまな活動をやらせていくのも大事です。外遊び、芸術、読書、スポーツなど、創造性や思考力を刺激するような体験学習の機会を提供することが刺激となって、デジタルゾーンへの埋没を防ぐ効果があります。
◆スマホNGゾーンを作る
駅のコンコースや大型モールなどに「喫煙コーナー」を見かけませんか?人が集まる場所が禁煙なのはもはや当たり前の世の中で、愛煙家の自由も保証された空間が存在していますね。
これを応用し、たとえば家の一室のみデジタルOKな部屋を作り、寝室やダイニング、子ども部屋などは禁止区域にしてしまうという方法もあります。
当然デジタル機器は、自由に使える部屋で一括管理し、使いたければそこに来る。その代わり制限時間を設けるというルールにしてしまうというものです。
これで食事中に気が散るのを防ぎ、子供部屋や寝室からスマホやゲームを遠ざけることで、健康的な生活空間が確保できるでしょう。
◆そもそもスマホは必要なもの
デジタル時代において、スマホやタブレットは必要不可欠な道具でもあります。よって根こそぎ奪い取るべきものではありません。
正しく有効に用い、そこから利益や満足を生み出すツールとして活用する知恵を与えなければ、中毒に苦しむ未来しか待っていません。
親がデジタル教育やリテラシー教育に無頓着ではいけないのです。
年齢に合った学習や能力開発を促す教育的なコンテンツやアプリを選んでみたり、楽しい動画ならば子供と一緒に見たり、一緒に遊んだりして、親が率先してデジタルメディアについて話し合い、興味を持ちましょう。
◆子どもを守るためのコミュニケーション
デジタルコミュニケーションの基本は、子どもとのアナログなコミュニケーションにあります。アナログとは「連続した量」、デジタルとは「非連続な量」を指す言葉です。デジタルでは実現できない親子の会話は、0と1の記号化された非連続な信号ではなく、心の波形の重なりによって繋がれ、親子の関係が築かれるものです。
何でもかんでも拒絶するのではなく、かといって子ども可愛さに無秩序に許してしまうのでもなく、親子が腹を割って会話を繰り返し、双方の信頼関係を構築することが第一ではないでしょう。
信頼ある相手からの監視や制限なら、受け入れるのではないでしょうか?
親の責務は、子どもの自立を促し、そして子どもを守ることです。
名学館 庄内通校 おや塾オンライン
家庭学習問題研究会(いえもん)
塾長 白藤 和成
TEL 052(521)5519
【名学館 庄内通校とは】
名古屋市西区の大学受験・高校受験専門 個別指導塾 名学館 庄内通校の塾長、白藤和成です。2005年9月に開校以来現在まで600名を超える若者たちと学習に励み、保護者の方からの学習・子育て相談を数えきれないくらい経験してきました。
そこから私が学んできた様々なノウハウ、知識などを皆様に還元できればと思っています。