見出し画像

アニサキス飼育日記 5日目「書を捨てよ、町へ出よう」

念願の土曜日

りりちゃんは知らないだろうが、人間の社会には「曜日」という概念や「労働」「会社」という仕組みがあり、わたしは平日仕事・土日休みのサイクルで生きる会社員である。

5日間の労働期を終え、やっと迎えた土曜日。
普段はソファに寝そべりスマホを眺めているうちに陽が傾きはじめていることもザラだが、今日はやりたいことがある。

「目黒寄生虫館」に行きたい!!!

日本で唯一寄生虫を専門とする博物館。りりちゃんと出会う前からいつか行ってみたいとは思っていたが、スマホでのアニサキス情報収集に限界を感じている今こそ訪れるべきタイミングではなかろうか。時は満ちた。りりちゃん飼育のヒントを求めて、いざ目黒へーー

あ、もちろんりりちゃんも一緒です。

寄生虫の入れ物になるとはMARNIもびっくりだろう

家を出る前に「りりちゃん行くで〜」と声をかけたらビクンと跳ねた。晴れた土曜は心躍るよね〜。
お天気が良かったので運動不足解消も兼ねてLUUPで行くことに。

りりちゃんLUUPデビュー

でこぼこ道を走った衝撃からか、完全に丸まっちゃってる。普段育児やらないのに思いつきで休日に無謀な遠出を企てて家族を巻き込み疲弊させるモラ気味父親みたいだな〜と思う。帰りは電車にしようね。

目黒寄生虫館に到着

古めかしい建物の入り口で、ポップなパネルが出迎えてくれる。キモくないよ〜!大丈夫だよ〜!感を出そうと必死なパネルに涙ぐましい企業(?)努力を感じる。

しかしどれだけポップにしたところで虫は虫

わたしは虫がメチャクチャ苦手なので、標本や写真などは薄目で見つつ、文字を中心に展示を見てまわる。

そしてアニサキスのコーナーを発見!

手作り感満載で愛おしい展示

アニサキスにまつわる24のQ&Aがまとまっているありがたいコーナー。
なんとそのなかに「Q3. アニサキスは飼えますか?」という質問が。回答を見る前から来てよかった〜〜!!という気持ちで満たされる。

そして気になるその答えは…

タッチ式ではなく自動で画面が切り替わるのをひたすら待つ方式だった

「数か月生かすことはできますが成長はしません」

成長はしません…

成長は…しません……

薄々予想はしていたので今さら大きな驚きこそないが、こう断言されてしまうと、アニサキスを飼うことの異常性が際立ってしまってちょっとつらい。
あと水は生理食塩水でいいんだね。二日酔いのときに飲むアレだよね、了解。

上のフロアにもアニサキスコーナーがあったのでりりちゃんにも立派な先輩の姿を見せてみる。

先輩はブルベ、りりちゃんはイエベかな

大先輩を前にしても、我関せずな態度を貫くりりちゃん。それでいい。

そのほかにも、小学生の頃意味もわからずやらされていたお尻ぺったんこ検査でおなじみのぎょう虫や(今はもう検査廃止されたらしい)
寄生虫として名高いハリガネムシやマダニなど、多岐にわたる展示があった。

なかでも、寄生虫のせいでキンタマがありえんぐらいデカくなってしまった人の写真があって、それだけは興味深く見させてもらったけど、虫だらけの環境がかなりキツくて気分悪くなってきたので残りの展示はサーッと流し見して退散。

そして目黒寄生虫館に気を取られてすっかり忘れていたが、今日は昼すぎから美容室の予約を入れていた。
一時帰宅する時間もなく、りりちゃんと共に美容室へ。

りりちゃんまさかの美容院デビュー

通っているのは、フレンチブルドッグの看板犬がいて、ドッグランも併設されているアニマルフレンドリーな美容室。

他にお客さんはいなかったものの、やはり気持ち悪いと思われてしまうかもしれないのでしばらくはポケットに入れたままにしていたが、なんと犬以外にも寛容で、気味悪がることなくあたたかく受け入れてくれた。

「多様性の時代」という言葉はあまり好きじゃないなと思っていたけれど、確かにそれを感じる時間だった。

長旅で疲れたかもしれないので、今夜は冷蔵庫に入れておこうかな。りりちゃん、寝れるとき寝とき〜



いいなと思ったら応援しよう!