低投資・高感度という考え方
前回の記事で「戦略と戦術」について整理した時、
陥りやすい罠として、「最強の戦術(武器)を持っている時に、戦略(どこに向かうか)を間違えると取り返しがつかないことがある」というポイントがあると紹介した。
上記から「どこで戦うか」しっかり決めて戦うことが大切なのだが、その一方で1番の悪は「何もしないこと」であり、行動が伴わない思考は無駄というか、もったいない時間の使い方になってしまう。
会社や大きな組織では慎重さがどうしても必要になってくると思うが、特に個人においては、行動しないリスクのほうが大きい。
矛盾したことを述べていると思われるかもしれないので、「スープで、いきます」に綴られていた「低投資・高感度」という考え方をご紹介したい。
1. 低投資・高感度とは
低投資・高感度を簡単に説明すると
「小さく始めるが、細部にこだわっていきましょう。」
という考え方である。
まず、「低投資」。
ここにおける投資という言葉は、単に金額だけの話ではなく、規模・時間・労力など様々な投資に対してのことである。
とにかく自分自身に無理が生まれる状況を減らすことが重要。
なぜかに関しては、本当にシンプルで
「行動しない理由を作ってしまうから」。
小さく始めることで行動が生まれ、次第にペースが掴めるようになるはずである。
低投資に対してこだわっていきたいのが「高感度」。
ここにおける感度という言葉は、センス・アンテナ・ひらめき・ときめきなど、自分の脳内・感性で作ることができるものすべてに当てはまる。
「こういう言葉遣いは素敵だな」とか「このデザインにときめく!」など感じたことをどんどん自分の始めたことに当てはめていく。
2. なぜ、「高い感度」が大事なのか
投資は小さくてもいいが、感度がとても大切だと筆者は語る。
理由は「感度」には、投資の大小をひっくり返す力があるからだ。
誰でも莫大な投資をすれば、巨大で立派な建物を建てることができたり、大物を呼ぶことができたりするが、感性はだれにも真似できない個人個人の価値となっていく。
これはわかりやすく目に見えるものでもないし、お金を払いさえすれば身につくことでもない。個人が日々生きていく中で、いかに高感度を意識できているか、感じたものを蓄えているか。
このシンプルな積み重ねの差で大きく変わっていくんじゃないかと思う。
3. 低投資を活用していきましょう
「スープで、いきます」を書いた遠山さんがスープストックトーキョーを創業した時と世の中は大きく変わり、今は低投資で実現できる世界が整えられている。
(2000年代に低投資・高感度という考え方を持って事業を作っていった遠山さんには脱帽である。)
書き物を始めたければ、note。
自分の作ったTシャツを世に出してみたければ、UTme!。
自分の声を届けたければ、standFM。(これは今週から自分も始める。)
などなど、誰でも始められる手段が整っている。
低投資でいいから自分自身が主体的となっているものを何かしらはじめることで世界の見え方や、それこそ「感度」が鍛えられると思う。
いろんな考え方があると思うが、この「低投資・高感度」という考え方が誰かに届き、行動の指針になれば嬉しい。
この本は、スープストックトーキョーがどのようにして生まれたか、育ったかが細かに綴られている。
物語調の企画書の書き方などとても参考になるので、ぜひ一読してみてほしい。