アインシュタインタイルマスの盤面でヘックスを遊ぶと引き分けになりうるので、愛でてみる。
前回の記事はこちら。
アインシュタインタイルをマスにしたボードゲーム盤面を考えてみたわけですが、その続きです。
もっと菱形よりの盤面
前回の記事のあと、論文「An alternative proof for an aperiodic monotile」の執筆者の1人でもある日本テセレーションデザイン協会代表・荒木義明さんから、以下のツイートがありました。
5個のタイルを並べた1列の両側に、6個のタイルを組み合わせた三角形T₂をそれぞれ組み合わせた4×4の盤面。
16個のタイルを並べた1列の両側に、78個のタイルを組み合わせた三角形T₃をそれぞれ組み合わせた12×12の盤面。
より菱形に近くなりまして『Hex(ヘックス)』の盤面っぽくなりました。
『Hex』だと引き分けになる盤面
ところがですね、NestorgamesでおなじみのNestorさんより、ツイートがありました。
どういうことか。
4×4の盤面を例にしてみると、「some vertices with 4 tiles」は以下の図の赤丸の部分です。
赤丸に関わる4個のマスで、双方のコマ(白・黒)を以下の図のように置くと、互いのコマがつながらずに分断されることになります(『Hex(ヘックス)』では、辺に接するマスがつながるので)。
このような置き方をクロスカットと呼ぶこともあります。
クロスカットによって、引き分け(Stalemate)が起こりえます。
12×12の盤面だと、「some vertices with 4 tiles」は左半分だけで16箇所あります。
これだけの箇所でクロスカットが起こりえます。
数カ所発生すると、引き分けになる結果も出てくるでしょう。
そう考えると、アインシュタインタイルの盤面で『ヘックス』を遊ぶのは、どちらかといえば不向きです。
引き分け回避のルール
とはいいつつも、なにかルールを変更や追加をして引き分けになる結果を減らせることはできないか。
過去に書いた記事を漁ってみると、みつかりました。
この記事で紹介した『Quadrex(クァドレックス)』です。
『クァドレックス』は『Hex(ヘックス)』と同様に、コマをつなげて対辺をつなげるゲームです。
しかも、正方形マスの盤面を用います。
したがって、
上のようなクロスカットの状況にならないように誘導するルールがあります。
たとえば
上の状況で右上に赤のコマを置くと
となります。
こうなった場合、クロスカットにならないように自動的に
左下に黒のコマを置きます。
アインシュタインタイルマスの盤面でも、このルールがつかえます。
左図の状況で、中図のように白コマをおくと、クロスカットにならないように、自動的に白コマが2個置かれて右図になります。
マスを色で塗り分けることでクロスカットを強調すると、以下の図のようにすることも考えられます。
青と黄色、緑と赤でクロスカットの組み合わせになります。
中央の裏返しのマスは、青と赤の両方となります。
さて、これを12×12の盤面に適用するとどうなるか。
端を除いた盤面内側のマスは、
ほとんどクロスカットに関わっていました(怖)。
締め
ということで、アインシュタインタイル盤面で『Hex(ヘックス)』を遊ぶと引き分けになるぞ、でした。
本当に荒木さんとNestorさんには感謝です(香流さんもありがとうございます)。
また、なにかミスやポカがあるかもしれませんが、よろしくおねがいします。
では。