□□□とボードゲーム(2.1)〜数学と芸術のBridges
前回の記事はこちら。
2回ほど迂回して軌道を整え(?)、これから数回ほど数学詩にアプローチしていきます。
きっかけはアインシュタインタイル?
さて、なんで数学詩をとりあげたのか。
その個人的な辿り方を綴っておきます。
まずきっかけが去年に結構な本数の記事を書いた「HAT」や「SPECTRES」のアインシュタインタイルです。
それらの記事での参考サイトとして「Tiling Encyclopedia」をあげました。
最近になってちょくちょく拾い読みしたりするのですが、ちょっと気になる敷き詰めなどを見つけて、その元となった文献(References)を覗くようになりました。
そこで、むちゃくちゃ気になる団体にぶち当たりました。
The Bridges Organization
The Bridges Organization
The Bridges Organization(以下、「ブリッジズ」と略します)の公式サイトはこちら。
ドメイン名が「bridgesmathart」とあるように、math(数学)とart(芸術)のbridges(橋渡し)が目的のorganization(組織)です。
英語版Wikipediaにも項目があります。
ブリッジズの創設者はReza Sarhangi(レザ・サルハンギ)さん。
2016年に逝去されていますが、遺志は他のメンバーに引き継がれ2024年現在も活動が続いています。
先ほどあげた公式ページのAbout(ブリッジズについて)には、現在の取締役(運営)の役職・氏名・顔写真が掲載されています。
その中のひとり、Communication(いわゆるマーケティング・広報)を担っているのがCraig S. Kaplan(クレイグ・S・カプラン)さんです。
あれ?この人聞いたことあるぞ。
「An Aperiodic Monotile(アインシュタインタイル)」
論文のメンバーの1人じゃないか。
HATを発見したDavid Smithさんが、本当にそうなのか最初に相談したのがCraigさんです。
つながったねぇ。
The Bridges Conference
ブリッジズは年に1回定例会議「The Bridges Conference(ブリッジズ会議、以下「会議」と略します)」を開催しています。
第1回は設立年の1998年、カンザス州ウィンフィールド大学で行われました。
第4回まで同大学で行われましたが、第5回でメリーランド州のタウソン大学、第6回でスペインのグラナダ大学と米国を飛び出しました。
その後、カナダ、イギリス、ハンガリー、ポルトガル、韓国、フィンランド、スウェーデン、オーストリアと世界各国で開催されています(2025年はオランダ)。
公式サイトに、2021年以降に開催された会議の記録が残されています。
さらに、会議のカタログも販売されて購入できるのですが、発表された論文のアーカイブ(PDF形式)が無料で閲覧できます。
しかも、第1回から。
このアーカイブページの作成者はCreigさん。
さすがCommunication。
Mathematical Poetry at Bridges
会議ではさまざまなイベントがあります。
その1つが「Mathematical Poetry Reading(数学詩の朗読会)」です。
上のリンクはブリッジズの公式サイトではなく、朗読会のコーディネーターであるSarah Glaz(サラ・グラズ)さんのホームページになります。
Sarahさんは、コネチカット大学の数学の名誉教授です。
数学の主な研究分野が、ホモロジー代数、可換代数。
数学教育、数学史も研究対象で、詩と数学との関係も対象となります。
会議での朗読会は2011年から始められ、毎年行われています。
毎年ではありませんが、そこで朗読された数学詩をまとめた詩集をPDF形式で無料で閲覧できます。
いくつかかいつまんでみようか、と目論んでいます。
締め
ということで、まだ数学詩が出てきおりませんが、数学芸術ガッチャンコしたブリッジスを紹介しました。
次回は、数学詩を知る情報源として、外せない人物を取り上げてみます。
では。