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せまゲー生半可集(2)~三目並べの「せまゲー」化(後半)

前回の記事はこちら。

記号を1つしか使わない三目並べ『Notakto(ノタクト)』を紹介しました。
実は、このゲームよりも古い(いつごろ考案されたのか不明)、同じく記号1つしか使わない三目並べがありました。
しかも、

盤面は一次元

せまゲーどころか、せませまゲーです。

Treblecross(トレブルクロス)

それが『Treblecross(トレブルクロス)』。
Boardgamegeek、日本語版Wikipediaにも項目がありません。
今回は、英語版Wikipediaを参照します。

ゲームのルールを簡単に紹介します。
適当な数のマスが1列に並んでいる盤面を使います。

先手後手交互に、盤面の空きマス1つに「×」を描いていきます。

「×」を3つなげて並べたプレイヤーの勝ちとなります。

以上です。

つまんねー!とほざいたあなた。
結構な正直者だと思います。

OOXOO

『Treblecross(トレブルクロス)』は、盤面のマスの数で先手必勝もしくは後手必勝が決定します。

ゲームが成立する最小の盤面は3マスです。
3マスだと先手必勝です(なぜなら、マス全てに「×」を描くことになるからです)。
後手必勝になる最小の盤面は6マスです。
なぜそうなるかは試してみるといいです。

一方で、『トレブルクロス』と異なるルールだけど同等となるゲームも考えることができます。
ということで、そんなゲーム「OOXOO」を考えてみます。

「OOXOO」の盤面は、『トレブルクロス』と同じマスの数に揃えるため、
両方の盤面端2マスに「O」をあらかじめ描いておきます。

上の場合(16マス)だと、
『トレブルクロス』では
12マスの盤面に相当します。

「OOXOO」では、プレイヤーは交互に、連続した5つのマスに「OOXOO」と描きます。

ただし、「X」が描けるのは空きマスだけで、「O」は「X」の描かれたマスには描けません(「O」は「O」に上描きできる、とみなします)。

左上と中央は描けませんが、
右上だと描くことができます。

盤面に「OOXOO」を描くことができなくなったプレイヤーの負けとなります。

どうして「OOXOO」は『トレブルクロス』と同等なゲームなのかというと、盤面にある「O」のマスに「X」を描くと、リーチ(もう1つ「X」を描くと三目並べることができる状態)ができるのです。

左側は、一間トビのリーチで、
右側は、二目並んだリーチ
(次の手番で、赤い「✕」を描くと三目並ぶ)。

『トレブルクロス』では、リーチを作ってしまったプレイヤーは負けが確定します。

Trebleparallel(トレブルパラレル)

ところで、アブストラクトゲームなどのボードゲームのルールバリエーション(派生)としてよくみられるのが、勝敗条件を逆転するルールです。

『Treblecross(トレブルクロス)』は、三目並べたプレイヤーが勝ちとなるので、逆に負けになってしまうルールです。
このゲームをcrossと対になるように『Trebleparallel(トレブルパラレル)』と仮に名付けます。

試しにプレイしてみると……なんとなく『Yavalath(ヤバラス)』っぽさがあります。
『ヤバラス』は、三目並べてしまうと負けになる変則四目並べです。

『トレブルパラレル』も『トレブルクロス』と同じく、盤面のマスの数によって、先手必勝あるいは後手必勝が決まります。


問題:後手番。
どのマスに「X」を描くと、
勝つことができるのでしょうか?
(回答は、記事の最後に)


締め

ということで、『Treblecross(トレブルクロス)』でした。
一次元盤面で、まさか三目並べができるとは思ってもみませんでした。

ところで、このゲームって一次元盤面でしょうか?

『Connect 4(コネクト4)』です。
一次元盤面とは違うと思うのですが、どう説明すればいいのでしょうかね。

次回は、ちょっと一次元盤面について、いろいろ考えてみたいと思います。

では。



答え:

オレンジの空きマスに「X」を描きます。
その後、先手後手と(ピンク、もしくは緑(どちらか1箇所))2手続き、
その次の先手の手番では、どの空きマスに「X」を
描いても、3目並んでしまいます。

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