アブストラクトゲーム『Interplay』とアブストラクトゲーム『Interplay』を紹介してみる。
はい、どうも。
珍ぬと申します。
3年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれ250本ちょっと書いています。
ついこの間、複数のAdvent Calendarをハシゴする記事を書いてみようかと思い、双方のカレンダーの空いている日(13日目)がちょうどありましたので、乗っかってみました。
よろしくお願いします。
来年を見据えて鬼に笑われます
珍ぬはボードゲームやパズルを話題にした記事を書いているのですが、
毎年あるテーマでのシリーズ記事を書いて見るようにしています。
◆2020年:ドミノ
◆2021年:トリテと連句
◆2022年:マンカラ
来年もシリーズ記事のテーマを探しておりました。
その候補の1つとして、「Impartial Game(インパーシャルゲーム)」に注目しました。
インパーシャルゲームは、日本語にすると「公平ゲーム」「不偏ゲーム」です。
引用をもうちょっと言い換えると、2人交互にプレイしていて、仮に一方のプレイヤーが手番をパスしたあと、もう一方のプレイヤーの手番でできることが、パスしたプレイヤーの選択肢といっしょ、ということです。
さらにもう少し見方を変えて、
・先手の手番で終了する=奇数手で終了する
・後手の手番で終了する=偶数手で終了する
とすると、1人で遊ぶのとさほど変わらないゲームです。
不偏ゲームが気になった
不偏ゲームをいろいろ探しまわりまして、とあるBoardgamegeekのギークリストをみつけました。
「"Impartial" 2-player Combinatorial games(公平な2人組合せゲーム)」です。
およそ30近くの不偏ゲームをまとめています。
さらに、リストから外した不偏ゲームっぽい不偏ゲームじゃないゲームも、記録が残っていました。
その1つが『Interplay(インタープレイ)』です。
で、『インタープレイ』の情報をかき集めてみると、面白いことがわかりました。
全くルールが異なる、同じタイトルのゲーム『インタープレイ』がありました。
ギークリストにあるのは1970年に発表された『インタープレイ』で、別ゲームとして見つけたのは1980年に発表された『インタープレイ』。
考案者は別人です。
『Interplay』(1980年)
まず、別のゲーム『Interplay(インタープレイ)』から紹介します。
このゲームの存在は、ブログ「ふうかのボードゲーム日記」で知りました。
それぞれのプレイヤーは、受け持つ色の
・細い柱コマ(10本)
・太い柱コマ(4本)
・太い筒コマ(4本)
を持ちます。
プレイヤーは交互に、盤面にコマを置いて(あるいは動かして)、敵自分関係なく、タテ・ヨコ・ナナメに
・細細太細細
・細太細太細
・細太太太細
のいずれかのパターンで並べると、勝ちとなります。
このゲームの考案者はPhilip Shoptaugh(フィリップ・ショップトー)さん。
彼のプロフィールは、サイトJawbonesのコンテンツ「About Shoptaugh(ショップトーについて)」に書かれています。
オーケストラの出番待ちの暇つぶしにうまれたゲームだったのかあ。
『インタープレイ』は、1986年に携帯版のTravel Editionがつくられました。
左上が『インタープレイ』、右下が「チェス」です。
残りの2つもShoptaughさんが考案したゲームです。
右上が『Calypso(カリプソ)』、左下が『Shuttles(シャトル)』です。
『Interplay』(1970年)
こちらが、ギークリストから外された『Interplay(インタープレイ)』です。
盤面は、7×7の方形に、中心から外れた位置に2×2の方形分マスがない、変則的な形状をしています。
最初に、先手プレイヤーが盤面の1箇所にコマを置きます。
次の後手の手番から交互に手番を行います。
手番にすることは、コマを動かしてもとにいた場所に別のコマを置きます。
すでにコマのあるマスには、移動できません。
コマの移動は、タテに3マスか、ヨコに3マスか、ナイトと同じ動きのいずれかです。
図にすると、タテ・ヨコに3マスはなれた場所です。
チェス盤のようにマスを市松に塗り分けましたが、コマは白→黒→白→黒→……と移動するので、うまくすれば盤面全てのマスを移動できる、と思われます。
コマの移動後、タテヨコに接したマスに別のコマがあれば、その数だけ得点になります。
コマが移動できなくなった、あるいは36回移動(各プレイヤー18手番)したら、ゲーム終了で、合計得点の多いプレイヤーの勝利です。
考案者は、代表作『Acquire(アクワイア)』などでおなじみの、Sid Sackson(シド・サクソン)さん。
『インタープレイ』は1970年にStancraft Productsから出版していますが、盤面やコマなどコンポーネントが似ているゲーム『Odd or Even(オッド・オア・イーブン)』『TEMPO(テンポ)』を出版しています。
なんで不偏ゲームでないの?
さて、Sacksonさんの『Interplay(インタープレイ)』が、なぜ不偏ゲームではないとしたのか?
ギークリストを立てたHerbさんの、外した理由のコメントです。
いわゆる、負けが決定するような動きをつくることができるから、公平ではない、つまり不偏ゲームではない、ということです。
さて、あなただったら、どう考えます?
締め
ということで、アブストラクトゲーム『Interplay』とアブストラクトゲーム『インタープレイ』の紹介でした。
同名のゲームは結構ありますが、同じジャンルのケースもあるのか、と珍しく思ったのでした。
不偏ゲームはまだまだあるようなので、今後も追ってみます。
次回、
ボードゲームに関わるエトセトラ Advent Calendar 2022の14日目は、わにのこさん。
アブストラクトゲーム Advent Calendar 2022の14日目は、アニマルウィップさん。
お楽しみに。
では。
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