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全く見知らぬ小学生が、突然声をかけてきた記憶

私には、不思議な出来事の記憶がある。未だに釈然としていない。

小学生三年生の頃、習い事からの帰り道だった。

人1人通れるかどうかの細い路地から、私めがけて女の子が飛び出してきたのである。見たことも喋ったこともない、同学年くらいのその女の子は
「ねぇ遊ぼう?」
「一緒に遊ぼうよ」
「おうちどこ?」
と執拗に迫ってくる。
幼心にも気持ち悪いなと思いつつ、これを断ったらさらに大ごとになるのではないかと渋々承諾した。

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見ず知らずの女の子は特に会話をすることもなく、私が住んでいた団地までついてきた。

自宅を案内すると、その子は
「じゃあ、あっち行くねー」
あらぬ方向へ歩いて行く。

私は慌てて止めに入る。
しかし彼女はしばらく譲らなかった。

「困ったことになったな」と思いつつ、
なんとかなだめすかして家に着いた。

その後私たちは一体何をして遊んだのかは覚えてはいない。
しかし、30分もしないうちに、その子が唐突に「帰る」と言い出したことは覚えている。

挨拶もせずパッと立ち上がり玄関から突然出ていった。
母から「あの子誰?」と聞かれたが「知らない」と答えた。

同じような不思議体験を友人から聞いた。

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実在するため以下仮名とする。

サヤカちゃんが4~5歳。まだ幼稚園児だった頃。
玄関の外から
「サヤカちゃーん、サヤカちゃーん遊ぼー」
という小さな男の子の声がする。
しきりに娘の名前を呼ぶが、こんな声の友達はいなかったはずだけど、とサヤカちゃんの母は思った。

恐る恐るドアを開けると、
そこにはサヤカちゃんと同い年くらいの男の子が一人で立っていた。
「僕ケンタ君」
「サヤカちゃんいますかー?」
「サヤカちゃんと遊びたいんです」

こんなに小さな子が一人で来て執拗に娘と遊ぼうとすることに違和感を覚えた母は、咄嗟に
「今いないよごめんね、おうちに帰りなね」
とウソをついた。

するとその男児は
「そうかーいないのかー」
とあっさりとどこかへ消えた。

数年後、その謎はさらに深まることになる。
サヤカちゃんが通うことになる
小学校の同級生にケンタ君がいたのである。

当時のことを聞くと遊びに行ったのは覚えているが、
なぜ小学校入学前に娘の名前や住所を知ったのかは覚えていないという。

どちらの話もイマジナリーフレンドだったとも妖怪だったとも思えない。
あれは実際に起こった話。
だけれども妙に釈然としない、
ただただ不思議さを記憶の中に残している。

ちなみにサヤカちゃんは数年後、
ケンタ君のことを好きになるのでやっぱり不思議な話である。



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