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生活習慣病には発展途上の栄養サポートチーム

5歳年の離れた弟は糖尿病内科クリニックに通っており、外来治療で事足りているのだが、そのクリニックには極度のやせの患者もよく来ており、まれに心臓あたりのCTとかMRIの検査を受けさせるのに近くの公立病院(そこでは6年そこいら前に糖尿病患者の受け入れをやめ、弟のクリニックの先生が木曜午後の休診の時間帯に血糖コントロールの必要な入院患者の回診に行っている。)に検査だけ紹介状を出すことも頻繁に行われている。

栄養治療が絡む疾患の場合、外科手術後の中心静脈栄養の管理を目的に『栄養サポートチーム』が編成されることがあり、弟のクリニックの院長も数ケース関与がある。しかし、この栄養サポートチーム、低栄養の患者を前提に組織されるため、患者教育が求められる生活習慣病には適用できない事情があるという。

なぜこの話題を出すのか?
私がうつ病になった際、デイケアに通う患者と待合室を一緒にしていた。当時通っていた病院でデイケアの場合食事が出ていたのだが、デイケアに通う患者の一人から聴いた話で、ネフローゼ症候群を併発しているにも関わらず減塩食が適用されておらず、食事の変更が必要なのは糖尿病併発の場合しか認めていない不平等さを彼が愚痴ったことにあり、デイケアへのプログラム参加をめぐって栄養管理の見地が何もないという不満があったという。栄養サポートチームさえ編成していれば、昼食が大規模になるプログラムを休むなどの配慮ができたはずだとの彼の主張である。

彼の愚痴から日々思うようになったのは、
『すべての生活習慣病に栄養サポートチームの適用を!』
というもの。
彼のようなデイケアに通う患者の場合なら、利用のアセスメントの際参加せず休むべきプログラムを指定でき、毎月1回のデイケアの月間予定が組まれた場合に食事の関係で休む日をあらかじめ設定できるのではと思う。あと、弟の絡みでいえば糖尿病に関しても、これまでの『外来型の指導援助』から『多職種が関与したチーム型療養』へのシフトが求められ、血糖コントロールでの入院治療であっても『入院型栄養サポートチーム』が必要なのは容易にわかるはず。

低栄養状態を前提に栄養サポートチームは誕生したのだろうが、本来は生活習慣病の治療こそ栄養サポートチームによる対処って必要だと思う。療養型病院に入院中の父は経口での栄養摂取が困難になり静脈点滴による栄養摂取に切り替わった。病院から送られてくるリハビリテーションの計画書への管理栄養士の記述を見るたび、生活習慣病治療の難所を見るようである。

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