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がん終末期:食べなくなった母にどうしたらいい?

死が近づくと食べなくなります。
悲しいけど。

食べさせたい、食べればまた元気になる

そう信じて疑わない。
それが家族の思いです。

食べさせたい!

がん終末期で、食べなくなってきた母親。
眠る時間も多くなってきてました。
この時期になると、食べられなくなるのは、看護師をしているから頭では理解してます。

でも、自分の身内になると冷静になれない。感情が先行するんです。

とにかく、ひとくちでも食べてもらいたくて、食べられそうなものを選んでました。

※食が細くなってきてからの食事メニュー
朝:おじや(雑炊)みそ汁
昼:チョコパン(小さいやつ)ココア プリンまたはヨーグルト
夜:おじや(雑炊) みそ汁 りんごのすりおろし 卵豆腐または茶碗蒸し

こう見ると、けっこう食べている感じですが、どれも少しだけ食べて終わり。

当時の母親の状態記録はこんな感じです。(字が汚くて、恥ずかしいですが)

母親の状態のメモ書き

食事の部分だけ、切り取るとこんな感じです↓

亡くなる7日〜13日前の記録

どんどん食べなくなっていく様子がわかる記録です。
無理やり何かを食べさせようと必死なのが、わかります。
けっこう、飲み物を取っているように見えますが、ウトウトしている母親に無理やり飲ませていました。
ムセこむことも、しばしば。

あと日に日に、排尿と排便が減っていっています。
この頃には「あー、そろそろダメかな」って思ってました。

点滴はしないという選択

口から食事が取れなくなると、点滴という選択肢も出てきます。

「でも、がんの終末期。
腎臓の働きが悪いのはわかっている。
点滴しても、むくむだけ
母親も延命を望んでなかった」

点滴はしませんでした。
たぶん点滴すると、かえって苦しいと思ったからです。

母親はこの記録の翌週末に亡くなりました。

点滴をするかしないかはそれぞれの考え方でいい

看護師をしていて、がん終末期の患者さんをたくさん見てきました。
食べなくなると、点滴をするかしないかを家族に選択してもらうことがあります。

点滴に対しての考え方は、家族それぞれです。
「点滴することで、1秒でも長く生きてもらいたいから点滴する」
「点滴しても状態は変わらないからやらない」

どちらでも良いと思います。

点滴を選択しなかった家族の中には、「自分の点滴をしないという選択で家族を殺してしまった」と悩む家族もいます。

いつも、書いていることになってしまいますが、後悔しない介護なんてないです。

でも、ひとつでも後悔する要素は減らしてほしいと思ってます。

自分の想いを信じて、選択してください。

死が近くなると、本人の寝ている時間が増えるため、家族が選択をすることが多くなります。

もし可能ならばですが、
がんに罹っている家族が、話ができるうちに、本人が終末期にどうしたいのか、話してみるのもいいかもしれません。

疑問なことは、医療従事者(医師・看護師)に相談することで解決することもあります。

介護している人が、孤独になると苦しいです。相談する人を作っておくと少しでも楽になれるかもしれません。

食べなくなる家族を見るのは、苦しいです。
介護していた私もいっしょに食欲がなくなり、1ヶ月に体重が6㎏減りました。



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