がん終末期:食べなくなった母にどうしたらいい?
死が近づくと食べなくなります。
悲しいけど。
食べさせたい、食べればまた元気になる
そう信じて疑わない。
それが家族の思いです。
食べさせたい!
がん終末期で、食べなくなってきた母親。
眠る時間も多くなってきてました。
この時期になると、食べられなくなるのは、看護師をしているから頭では理解してます。
でも、自分の身内になると冷静になれない。感情が先行するんです。
とにかく、ひとくちでも食べてもらいたくて、食べられそうなものを選んでました。
※食が細くなってきてからの食事メニュー
朝:おじや(雑炊)みそ汁
昼:チョコパン(小さいやつ)ココア プリンまたはヨーグルト
夜:おじや(雑炊) みそ汁 りんごのすりおろし 卵豆腐または茶碗蒸し
こう見ると、けっこう食べている感じですが、どれも少しだけ食べて終わり。
当時の母親の状態記録はこんな感じです。(字が汚くて、恥ずかしいですが)
食事の部分だけ、切り取るとこんな感じです↓
どんどん食べなくなっていく様子がわかる記録です。
無理やり何かを食べさせようと必死なのが、わかります。
けっこう、飲み物を取っているように見えますが、ウトウトしている母親に無理やり飲ませていました。
ムセこむことも、しばしば。
あと日に日に、排尿と排便が減っていっています。
この頃には「あー、そろそろダメかな」って思ってました。
点滴はしないという選択
口から食事が取れなくなると、点滴という選択肢も出てきます。
「でも、がんの終末期。
腎臓の働きが悪いのはわかっている。
点滴しても、むくむだけ
母親も延命を望んでなかった」
点滴はしませんでした。
たぶん点滴すると、かえって苦しいと思ったからです。
母親はこの記録の翌週末に亡くなりました。
点滴をするかしないかはそれぞれの考え方でいい
看護師をしていて、がん終末期の患者さんをたくさん見てきました。
食べなくなると、点滴をするかしないかを家族に選択してもらうことがあります。
点滴に対しての考え方は、家族それぞれです。
「点滴することで、1秒でも長く生きてもらいたいから点滴する」
「点滴しても状態は変わらないからやらない」
どちらでも良いと思います。
点滴を選択しなかった家族の中には、「自分の点滴をしないという選択で家族を殺してしまった」と悩む家族もいます。
いつも、書いていることになってしまいますが、後悔しない介護なんてないです。
でも、ひとつでも後悔する要素は減らしてほしいと思ってます。
自分の想いを信じて、選択してください。
死が近くなると、本人の寝ている時間が増えるため、家族が選択をすることが多くなります。
もし可能ならばですが、
がんに罹っている家族が、話ができるうちに、本人が終末期にどうしたいのか、話してみるのもいいかもしれません。
疑問なことは、医療従事者(医師・看護師)に相談することで解決することもあります。
介護している人が、孤独になると苦しいです。相談する人を作っておくと少しでも楽になれるかもしれません。
食べなくなる家族を見るのは、苦しいです。
介護していた私もいっしょに食欲がなくなり、1ヶ月に体重が6㎏減りました。