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お金の管理②家計管理編~家計管理の全体設計~

「家計管理」ってことばを聞いて、どんな印象をもちますか?

  • いろいろやってみるけど、続かない。

  • 夫もしくは妻にまかせてるからわからない。

  • お恥ずかしながら、どんぶり勘定で。。。

  • 自分に合った方法がわからない

  • とにかく、めんどくさい。

  • おこづかい帳なら、つけたことある。。。

まあ、こんな感じでしょうか。
苦手意識を持つ方が多めだと思います。

いまは便利な家計管理アプリがたくさんあるので、アプリ使って管理してます!って方も増えてますかね。スマホならいつも手元にあるって方多いですし。
最近は、新NISAが注目され、お金に対する関心も高まってるので、YouYubeなどで手軽に投資について学んでいる方もたくさんいらっしゃると思います。
使ったお金を管理するより、未来に増えるかもしれないお金のことを考える方が希望がある感じがしますしね。

大人の間で投資に対する関心が高まっていると同時に、2022年4月から、高校学習指導要領改訂で「金融経済教育」の内容が拡充され、高校でも投資について学ぶようになりました。
だけど、だけど。。。投資について学ぶ、その前にまずはやるべきことありませんか?


投資について学ぶ、その前に。

投資について学ぶ、その前に、まずは以下の質問に答えてみてください。

・投資するお金、どこから捻出しますか?
・無理なく続けるために、毎月いくら投資するのが適切かわかりますか?
・もし、損をしたとしたら、そのあとどうしますか?
・逆に、うまく増えたとしたら、その金は何に使うの?

どれもこれも、「今」の自分のお金の現状が見えていないと、答えが出ない質問です。そして、「今」の自分のお金は、「過去」のお金の使い方が積み重なった結果です。「過去」のお金の整理整頓をして、「今」のお金の把握する。「未来」のお金を考えるのはそのあとです。
「過去」と「今」と「未来」のお金をつなげる、そのために家計管理はあります。そして、家計管理の全体設計をするのは、自分自身です。
家計管理をやらずして、投資の知識だけいくら増やしても、意味のあるお金は増えません。
もちろん、たんまりと余剰資金があって、マネーゲーム・投機として楽しむ方は別ですが。。。

もう1年半ほど前の放送になりますが、ちきりんさんも2022年9月のVoicyで「金融教育=投資教育だと思い込ませたい金融業界」というタイトルで、金融教育について取り上げていました。過去放送なので、購入が必要です。

この音声配信で、まずは、家計管理の方法、次に借金の知識を教えて、最後に投資教育にすべきという内容のお話をされてました。さらに、金融教育といえば投資教育ばかりが叫ばれるのは、家計管理教育と借金教育が進んで個人の金融リテラシーが上がってしまうと、金融業界が儲からないからともおしゃってました。さもありなん。。。確かに、住宅ローンにしても保険にしても、金融リテラシーの低さゆえに成り立っているところ、ありますからね。

さて、家計管理といっても、その方法はさまざま。家計簿に手書きという超アナログ派、会計ソフトやアプリに口座やクレジットカードを連携させて、すべて自動で取り込み、各費用ごとにまとめて管理しているデジタル派、封筒やファイルを使って費用ごとに予算をわけて使っていくといったアイデア派もいますね。
何を簡単と感じるか、何を楽ちんと感じるかは、ひとそれぞれなので、やり方に正解はないのかもしれませんが、収支の記録を歯磨きぐらい習慣化させるためには、「簡単」と「楽」がキーワードになると思います。

家計管理の全体像

どんな方法を使っても家計管理の全体像としては、次の3つのフェーズにわかれます。

1.手取り収入を把握する(実際に使えるお金はいくらなのか)
2.支出を把握する(月々の支出の可視化)
3.お金の使い方を見直す(ムダづかいはないか、余剰分をどうするか)

まとめると、入ってくるもの、出ていくものは把握して、適切なお金の使い方ができるようになることをめざし、余剰資金があれば貯蓄もしくは投資に回して将来必要になるまとまった資金を確保することが全体像となります。

1.で「手取り」としているところが重要なポイントになります。まず、収入と手取りの違いを知ること。よくスポーツ選手の年俸が話題になりますが、マスコミがセンセーショナルに報じるその金額がすべて手に入るわけではありません。収入と手取りが違うことくらいは知っているよと言われそうですが、何をいくら引かれてその手取り額になっているか、ちゃんと把握しているでしょうか。実際に、銀行に振り込まれるのは、手取り金額なので、まずは、ご自身の給与明細をみて、なぜその金額になるのか、自分で計算してみることをオススメします。
確認すると実感しますが、社会保険料、けっこう払ってますよ。(ちなみに、給与から引かれるのは半額だけです。残りの半分はお勤めの会社が負担しています)

2.の支出に関しては、まずは生活費の把握からです。毎月、なににいくらぐらい支出しているか、ぱっと言えますか?最低いくらあったら、1か月生活できるのか、わかっていますか?

1.と2.の把握ができてはじめて、3.に進めます。1.引く2.がマイナスになれば、手取りより生活費の方が多いので、使い方を見直す必要があります。プラスになったとしても、わずかな額なら、マイナスになったときに備えて、すぐ使える状態でキープしておく必要があるでしょう。プラスがある程度あれば、貯蓄したり、投資資金にしたりすることが可能です。
ここではじめて、投資の学びが役立つスタートラインに立てます。

家計管理の全体設計を考える

では、家計管理の全体設計を考えるために、具体的なやり方について順にみていきます。

  1. お金の収支を記録する
    家計簿(ノート)に手書き、表計算ソフト(Excelなど)でまとめる、会計ソフトやアプリを利用するが代表的な3つの記録方法でしょうか。

  2. 明細が残る方法でお金を支払う
    現金払いをしてレシートをもらう、クレジットカードで払う、利用履歴が残る電子マネーで払うなどです。お金を使った後に記録するので、明細がわかるようにする必要があります。

  3. 用途ごとに口座をわける
    大きくわければ、生活費用の普通預金口座、貯蓄用の口座や投資用の証券口座など。細かくわけるなら、子どもの学費を払う口座、特定の目的のために貯蓄する口座など。ただ、細かくわけすぎると逆に把握できなくなる恐れもあるので、自分に合った数の口座を見つけてください。

  4. 自動的に貯蓄できる仕組みをつくる
    収支を把握して、月々いくらずつなら貯蓄or投資ができるかがわかったら、給与天引きの財形、定期預金、つみたてNISAなどを使って、強制的に毎月決まった金額が貯蓄や投資に回る仕組みをつくります。

  5. 貯蓄を増やして投資する  
    1~4までの家計管理ができるようになったら、より効率的に貯蓄を増やし、投資する方法を考えていきます。

    5-1.おおよそのライフプランを考え、貯蓄に対する明確な目標を立てる
    将来が不安だからとやみくもに貯めても、不安が解消されることはないです。人生100年時代といわれていますし、100歳までのライフプランをまずはおおまかに考えます。いつ何が起こるかわからないからこそ、ひとまずプランを立てておけば、ズレが起きても早めに気づけますし、軌道修正ができます。
    大きめの出費がどのあたりで起こりそうか、目安がないといつまでにいくら貯める必要があるかわかりません。近いモノからでいいと思います。1年後に海外旅行に行くため、5年後に車を購入するため、10年後の子供の大学進学資金のため、15年後のリフォームのため、老後の生活のため、など、いついくら必要か明確な目標を立てることで、毎月いくらを何の目的のためにどういう方法で貯めるべきか、金額も方法も優先順位もはっきりします。

    5-2.定期的に収支を見直す
    もちろん、計画通りにいかないこともあります。病気になる、災害が起こる、転職する、介護で親と同居することになった、教育移住を検討している、急に家電が壊れたなど、予定外の支出が発生することもあります。逆に、転職が成功して手取り金額が上がった、子育てが落ち着いて働けるようになったなど、収入が増えることもあります。日々の収支を把握していれば、しかるべきタイミングで収支を見直すことができ、具体的な軌道修正もやりやすくなります。

    5-3.貯まったお金を投資する
    貯蓄が目標額に達したら、今度は投資ができます。勘違いしてはいけないのが、余剰資金を投資に回してさらにお金を増やすことだけを指すのではないということです。
    車を買うことも家をリフォームすることも、日常生活を便利で快適にするための投資になりますし、旅をすることも人生を豊かにするための投資になります。お金をためて大学院に進学して学びを深めることも、海外に語学留学することも自分への投資です。
    よく、消費と浪費と投資(「投資」と短期間で大きな利益を狙う「投機」の違いも大事)をわけて考えようといわれますが、同じお金を使うという行為であっても、その意味がかなり違います。
    もちろん、余剰資金をただ銀行に預けているだけでは非常にもったいないので、もし今すぐ使う目的がない資金があるなら、ある程度は自分で学んだうえで、低リスクで安定的な利回りを得られる可能性があるもの、たとえば積立NISAやiDeCoなどから始めてみるのもいいと思います。

費用は大きく4つの項目にわけて考えよう

ここまで、家計管理の全体設計を考えてきましたが、最後に「支出」だけにしぼって見ていきたいと思います。支出を考えるときは、大きく4つの費用項目にわけて対策を考えるといいと思います。以下がその4つになります。

  1. 生活費
    食費や水道光熱費、通信費や医療費、娯楽費など、生きていくために不可欠な出費です。1か月単位で収支を確認しましょう。家電が壊れたなど急な出費も想定しておくといいです。物価の影響ももろに受けますし、工夫次第でコントロールしやすい費用でもあります。

  2. 住居費
    こちらも生きていくために不可欠な出費ですが、賃貸に住み続けるのか、ローンを組んで家を建てるのか、どこに住むのかで大きな違いが出てくる費用なので、通常の生活費とは分けて考えた方がいいです。都会に住むのか地方に住むのか、転勤があるかどうか、地元に戻る必要があるかどうか、家族構成の変化に合わせて住み替えるかどうかなど、個人差が大きな費用でもあります。もちろん、賃貸ではなく、家を建てても、定期的なメンテナンスやリフォームの費用も想定する必要があります。今後は、介護を理由とする親との同居や引越しがあるかもしれません。実家の片づけ問題なども考えておくべきところです。

  3. 教育費
    お子さんがいれば、教育費が必要になります。習いごとにかかる費用、学校にかかる費用など。公立か私立か、高等教育をどこまでうけるか、留学するのか、などなど変動の要素が大きい費用です。お子さんの人数にもよりますしね。投資効果が一番高い出費ではないでしょうか。こちらは、扶養すべき子どもがいなければ必要ない費用になります。

  4. 老後費
    ここが一番むずかしいですね。いつまで生きられるかわからないし、健康寿命がいつまで続くかわからない。年金の受給開始年齢も、年金の額もどうなるかわからない。現役時代の働き方により、年金額が決まる。それまでの生活レベルによって、最低限の生活費が人によって変わるので試算しにくい。などなど、不確定要因がたくさんあって、いくら貯めれば安心という正解はありません。一時は2,000万円必要だという話題が取り上げられていたことがありましたが、モデルケースに当てはまる人は、どれくらいいるんでしょう???
    正解はないので、余剰資金を投資しつつ、とにかく自分が健康で幸せに生きるために必要な最低限の金額を把握しておくこと、何らかの方法で年金や貯蓄以外の収入源を得られるように準備すること、できるだけ健康な状態を保てるように気をつけることなどが大切です。
    健診も人間ドックもケチらずに定期的に受けて、予防医学にお金をかけたほうが、結果的にはコスパがいいです。

全世代型社会保障制度って?

いかがだったでしょうか?ここまで、家計管理の全体像と全体設計について考えてから、最後に支出について詳しくまとめてみました。
今後は、社会の大きな変化が予想されます。社会制度の変化に合わせて、柔軟に対策を取っていけるようにするには、まずは、基本的な家計管理が無るなく続けられるように、自分に合った方法を見つけてください。合わなければ方法を変えればいいだけなので、まずはやってみることが大切です。

実は、2022年に日本の社会保障制度は、大きな転換点を迎えました。
「全世代型社会保障制度」って耳にしたことがりますか?
詳しくは、別記事で取り上げようと思いますが、この転換の影響を受けて、今後の社会保障制度の向かうところがこれまでとは変わります。
社会保障制度の当たり前が変われば、家計管理の方法も軌道修正する必要が出てきます。変化にアンテナを立てつつ、まずはできることから。

引き続き、わが家の家計管理の具体例や共働き家庭の家計管理などについても取り上げていきたいと思います。

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