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映画レビュー「KUSO」

グロ映画として名高いパゾリーニ「ソドムの市」を見ようと思ったのですが、配信がなかったため「KUSO」という映画を見ることにしました。

この映画のあらすじとかどうやって説明するの?名前のある登場人物がほとんどいないので誰が主人公と言っていいのかも難しい映画です。でも、あまり問題ありません。伏線回収とか、起承転結とか、主人公の成長とか、社会に対する問題提起とか、映画らしいお決まりみたいなものとか一切ないです。意味とかメッセージとか何も考えなくても全然いいと思います。風邪引いた時に見る夢?何が起こるか展開が全くわからないという点でじわじわ怖い系です。突然の悲鳴と血飛沫と女の死体のドアップで驚かすタイプではないので、そういうのが苦手な方も安心して見られます。それはそうとして嫌悪感はすごい。観るのやめる理由しかない。でも、「どういうこと?」「もう少し先まで見たら意味がわかるかな?」とか考えていたらやめられなくなって夢中で見てしまう。見終わった後、なぜかスッキリします。ゆめにっきとLSDとリンダキューブを煮詰めた感じです。『パプリカ』の所長が発狂するシーンを1時間半見続ける感覚。アニメポプテピピックをはじめて見た時の、理解不能だけど見るのをやめられない気持ちを思い出した。衝撃的でした。狂ってる。ただただ不気味。『ムカデ人間』がまともに思えてきます。多分この後『ミッドサマー』を「世界の車窓から」と同じ感覚で見れる。ヤン・シュバンクマイエルと同じかそれ以上に食欲が削がれるので、ダイエット中の方にもおすすめしたい。レンタルで見たけど、余裕で元を取れたな…って思う。

糞と虫が大丈夫ならぜひ。観るだけだったら臭ってくることもこっちに飛んでくることもないから。うんこちんちんで笑える人なら、好きだと思う。エロとスカトロ(大)は腐るほど出てきます。スプラッタとかゴアは少なめです。

↓以下ネタバレ注意です><










舞台はロサンゼルスで、大地震が起こり謎の病気が流行ってほとんどの登場人物の顔に腫瘍や人面瘡ができている世界。
あらすじをあえて見出すなら、上記の世界で以下のようなことがあり、オムニバス形式で展開していきます。
①顔に瘤のある少年が、山の中にあるアナルみたいな洞穴から出ている舌みたいな何かに下痢便を塗りたくる話
②ストーカーじみたセフレとの子を妊娠した女性が、異次元から来た着ぐるみたちと友情を深める話
③男性が、クリニックで医師の肛門から出てくるペニスみたいにも見えるフォルムの虫に緑色の下痢便を飲まされておっぱい恐怖症を乗り越える話
④カップルの女の首にできた人面瘡に男が挿入して、人面瘡に名前をつける話
など。

好きなシーンは以下の通りです♪
・彼女に首を絞めてもらいながらオナニーした男が、彼女の顔面に性液塗りたくるシーンがえっちだった。
・異次元から来た毛むくじゃらの着ぐるみ(顔がモニター状になっていて表情や通信?も映すことができる)と、女のシーン。着ぐるみが、女が妊娠していることを知ると子宮から電波で胎児を引き摺り出した後、胎児を女の顔に投げつける。その後女は胎児をパイプにしてライターで火をつけようとする。
・大好きなセフレのうんこが頭に乗った状態で便器から顔を出した男が、セフレとのセックスを振り返って「死んだ犬を犯しているような感じ」と言って相手のマグロっぷりを指摘しているのかと思えば、「そそるよね」
・ちくびピアスを見せびらかし、引っ張ってみたい?どうなると思う?からの「血が出るよ」
・「搾取的で性差別的だが巧みだ」
・レビューか何かで「ニガー痘」とかいう強すぎる言葉を見て、確かに黒人の俳優で発症してる人多いな…と思って見ていたけど、どこのレビューで見たのかわからなくなった。本編に出てきたのかもしれないしそうでないのかもしれない。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08B8PRJL4/ref=atv_dp_share_cu_r

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