自らの弱みにどう向き合うか:課題を克服する方法
誰しも自分が苦手なこと、課題となる能力はあると思います。
それを伸ばしたい、と思っても、そもそも弱い部分なので、なかなか伸ばせないことが多いと思います。
今回はどういった形で自分の弱みとなっているスキルに向き合い、課題を克服すれば良いか、という点についてお伝えしようと思います。
「課題となるスキルを克服する方法」について、以下の流れでお話しします。
① そもそもなぜそのスキルを伸ばしたいのか:価値・成果から考える
② 参考にすべき自分と近しいタイプの人を探す
③ その人が能力を伸ばしてきたメカニズムを考察する
④ 徹底的に訓練する(業務外、業務内)
① そもそもなぜそのスキルを伸ばしたいのか:価値・成果から考える
例えば、コミュニケーション力に対して課題意識を持っており、伸ばしたい人がいたとします。この場合、闇雲にそのスキルを伸ばそうとするのではなく、「なぜそのスキルを伸ばしたいのか」「スキル向上によりどんな価値や成果を創出したいのか」ということを考えるべきです。
例えば、「営業で成果を出したい」かもしれませんし、「お客さんのことを深く理解したい」かもしれませんし、「彼女が欲しい」かもしれません。
そもそも、「コミュニケーション能力」というのはかなり漠然としており、この粒度では鍛えられないので、営業で成果を出すためのコミュニケーションだとすると
・インプット:相手の話を引き出すヒアリング能力
・スループット:相手の話を自らの経験や知識と紐づけて解釈する力
・アウトプット:相手にわかりやすく伝える力
などにわかれるかもしれませんし、例えば「相手にわかりやすく伝える力」を切り出しても、「構造的にまとめる力」かもしれませんし、「相手のニーズを正確に把握する力」や「相手のニーズに合った情報を取捨選択する力」かもしれません。
ですので
・まずはそもそもなぜ課題となっている能力を伸ばしたいか
・その上で具体的にどんなポイントを伸ばしたいか(絞り込んで)
が重要となります。
※ 脱線しますが、先日以下の本を読みました。その道の達人はかなり具体的に自分の課題を絞りこんでひたすら繰り返し練習している、という話です。タイガーウッズは深い芝生からのショットを繰り返し練習し続けます。ビジネスでも同じように、自らの伸ばすべき能力をかなり絞り込んで練習することが極めて重要です。
② 参考にすべき自分と近しいタイプの人を探す
自分の課題となるスキルが明確になれば、次にトレーニング、といきたいところですが、まずはちゃんとロールモデルを探しましょう。
できれば、自分と近しいタイプのロールモデルを探しましょう。近いタイプではないと、スキルの高め方が全く参考にならない場合があります。ロールモデルは、職場の上司など、近くにいる人が望ましいです。本や動画上の人物でも問題ないですが、その場合はその人に関してかなり多くの情報が必要となります。
というのも、スキルが課題となっているのは、単にスキルのトレーニングが不足している、というだけではなく、自分の「考え方」や「癖・習慣」などがボトルネックになっている場合があります。
そうしたことから根本的に叩き直す必要がある可能性があるのですが、自分ひとりだけで考えるのは難しい可能性があるのです。
ですので、必ず「ロールモデル」がいると良いです。ちなみに、「フィットする指導者」がいるとなお良しです。
③ その人が能力を伸ばしてきたメカニズムを考察する
ロールモデルが見つかれば、その人が自分が欲しい能力を伸ばしてきたメカニズムを考察しましょう。
直接聞いてしまってもいいですし、色々その人の様子を観察しながら盗んで行ったり考察してみてもいいです。大きなヒントがあるはずです。
メカニズムとしては、例えば、
・今はすごい人に見えるが、元々はできないこともあり、時期によって伸ばすべき力を意識的にトレーニングしてきた
・よく「トレーニング」という言葉を使うが、おそらく仕事をしながら、または仕事外でも、常に自分が磨くべき能力を意識し続けている
・その能力を訓練するために人の2倍ほどの物量をこなしている
などが見えてきます。その人の成長の軌跡が見えるとかなり良い線に行っています。
④ 徹底的に訓練する(業務外、業務内)
ここまでくれば、あとは訓練するのみです。
業務においては、できるだけ意識的にそのスキルを磨けるように仕事を進めること、もしアサインなどを変更できるなら自分が伸ばしたいスキルに合わせて案件のアサインや仕事の内容を変えてもらっても良いでしょう。
また、業務外においても、徹底的に「インプット」と「アウトプット」を繰り返しましょう。
先ほど紹介した、「究極の鍛錬」では、「トレーニング」の際には、「即時フィードバック」が非常に重要という話が書いてあります。
ですので、やりっぱなしせず、常にトレーニングをした後は必ず「フィードバック」から「答えあわせ」をしましょう。(フィードバックは、人からうけるだけではなく、例えばケース問題のように回答がある場合、それとの比較で自分の思考プロセスをチェックする、などでも問題ありません)
ここまで、自らの課題となるスキルに焦点を当てて克服する方法についてお伝えしてきました。
特に大きな課題となるスキルがある場合は、そこに自らの成果が引っ張られてしまうことも多いので、是非トレーニングを通じて克服してみてください。