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新機能リリースを最大限ユーザーさんに認知してもらうためにCSで取り組んでいること
久しぶりにnoteを書きます。筆無精でなかなか書けてませんが、社内のnote発信へのモメンタムの高まりに便乗して、勢いに任せて執筆しています。
本記事のテーマは「新機能リリースを最大限ユーザーさんに認知してもらうためにCSで取り組んでいること」です!
なぜこのテーマ?どんな人に役に立つ?
サービス立ち上げ期から当たり前のように取り組んできた「リリース告知」。ふとしたときに「Twitterで困ってる人いそうだな」と思ったのをきっかけにこのテーマにしました。
特に toB SaaS を提供している方には、何か一つぐらいは読後のお土産になるものが見つかったら嬉しいなと思います。
プロダクトが発展するほど、「機能」ではなく「価値」の伝わるリリースの周知がより一層重要になる
サービス提供開始の初期は、「作った機能をどのように使えるか」を伝えるだけで十分でした。なぜなら、リリースする機能は採用管理システム(以下、ATS)として基本となるような価値が明瞭な機能が多く、ユーザーさんも「見れば分かる」ものがほとんどだったからです。開発の元になるユーザーさんからのご要望も、当時は会社ごとにニーズが大きく変わるものではありませんでした。
私たちの提供する採用管理システム『HERP Hire』は、正式リリースして3年半が経ちました。今では累計導入企業数1500社を超え、デジタル採用を行っている企業さま中心にさまざまな企業さまにご利用いただいています。
今ではATSとしての基本機能はある程度揃い、事業の方針としても「HERPとしてユーザーさんにどんな付加価値を提供していけると良いか」、TO BE を描きながら開発をできるようになってきつつあると感じています。また、ユーザー企業数の増加に伴って、ユーザーさんからの期待やHERP Hireを利用するうえでお困りが生じるポイントも多様化してきました。
以前のように、リリースされた機能を「こういう機能です」と伝えるだけでは価値が伝わらず、ともすると使い方さえもピンとこない、となりえてしまう状況に置かれています。
だからこそ、以前にも増して「機能ではなく価値(使い方ではなくどう便利なのか)を届ける」「何を目指して機能をリリースしたのかを伝える」ことの重要性が増していると思っています。
今回はリリース告知に話に絞りますが、もちろんリリースされる前行程でも、開発チームとビジネスチームで協業をしています。過去の発信については以下の記事をご覧ください。
HERPで実施しているリリース告知
リリース告知のチャネル
具体的な話に入る前に、リリース告知は主に以下5チャネルで行っていることを頭の片隅に置いておいていただければと思います。
・コミュニティSlack(ワークスペース)
・ユーザーさんとの個別にやりとりチャネル(slackコネクトチャンネル・Chatwork・メール)
・Twitter
・プロダクト上への表示(現時点では、チャネルトークを利用したポップアップ表示)
価値を届けるリリース告知のプロセス
リリース予定の把握
スクラム開発を実施している企業さまであれば、スプリントプランニング・スプリントレビューなど定例で開催されているかと思います。
私もそこに出席することで開発進捗を把握し、「リリース告知が必要そうか(有無)」「いつリリースされそうか(時期)」を整理しています。
告知の前準備
1.リリースノートの執筆(Notion)
HERPでは、リリース内容をNotionにまとめて公開し、いつでもユーザーの皆さんにアクセスいただける状態にしています。
(通常のヘルプサイトとは切り分けて公開しています)
POやPdMはじめ開発にかかわったメンバーが執筆し、私がユーザーさんが読みやすい表現に修正する形で作成しています。
2.ヘルプサイトの作成
リリースノートと同様に準備を進めます。
(ヘルプサイトは、別メンバーが担当しています)
3.告知文面の作成
1・2を元に告知文の作成を行います。
特にこのプロセス新機能リリースを最大限ユーザーさんに認知してもらうために私がこだわっている部分なので次の見出しで重点的にお伝えしたいと思います!
4.SNSへの投稿準備(Twitter等)
SNSでの発信は、現在のユーザーさんだけでなく、見込みのユーザーさんにも情報が届くチャネルになります。
既存のユーザーさんにはいち早くアップデートがわかり機能の利用浸透が進むことを意識し、見込みのユーザーさんにはHERPを使ったことのない人でも文章自体の意味やわかり、製品の価値がキャッチーに伝わることを意識して作文しています。
リリースの周知を最大化するポイント
告知文作成のポイント
告知文の作成で具体的に以下5つのポイントを意識しています。
何ができるようになったのか端的に1文にまとめる
機能の使い方より先に、「どんなケースでどう価値発揮するか」を記載する
操作場所のわかる画像をつける
[コミュニティ投稿のみ]TwitterのURLを貼る
毎回リリースノートのURLを貼る
1.何ができるようになったのか端的に1文にまとめる
よっぽどのHERPファンでなければ告知文の全文は読んでいただけない、と言う前提で考え、1文目にはこだわっています。
1文目では「便利そう」「使ってみたい」という興味喚起をできることを目指し、端的かつ投稿文全体の中で一番目立つようにすることを意識しています。
2.機能の使い方より先に、「どんなケースでどう価値発揮するか」を記載する
何か新しい機能を開発する際には、あるユーザーさんが顕在的あるいは潜在的に困っていて、それを解決するためのソリューションが「機能」という形でアウトプットされているわけですが、これはさまざま考えられた解決のアプローチ方法のうち一つだけが表層化したに過ぎません。
そのため、手元に届いた機能だけ見ても、一部のユーザーさんには「これっていつ役立つんだ?」「うちの会社でも何か便利になる関係のある話なのかな」と自分ごとに感じられないケースもあり得ると思っています。
さらに、開発方針として「小さくリリースする」というものを掲げており、大きな機能も小さくスコープを切って、ミニマムな実装がされた状態でユーザーさんに機能をご利用いただくことも非常に増えてきました。すると、ますます何に役立つのか・今後どんな状態を目指して機能拡張していく見込みか、もセットで伝えなければ、「HERPはどこを目指して開発をしてるのだ?」となりかねないことも増えてきてるんじゃないかなと思っています。
少し説明が脇道に逸れましたが、上記踏まえて以下のようなリリース告知を行っています。
■機能を使うことで得られる価値を先に書く例
①:slack: 複数の職種をまとめた職種グループごとにSlackの通知を出し分けることができるようになりました
職種別/部署別/レイヤー別などにSlackの通知を出しわけていただくことで、現場メンバーの皆さんに自分に関わるポジションの通知だけスムーズに伝えることができるようになります。さらに、通知する項目もカスタマイズいただけるため、自社の現場巻き込みのスタイルに合わせた設定を行っていただけます。
◇機能の詳細はこちら
機能の設定方法は「◇機能の詳細はこちら」の方に集約し、どんな場面で使ってもらうことを想定しているか、ケースについて言及しています
■あえて機能の仕組みを先に書く例
🎉 機能リリースお知らせ 🎉
お世話になっております。HERPの原です。
機能アップデートのお知らせです!
📧「応募者メール」でメール送信を予約できるようになりました
『次の午前9時』もしくは『30分刻みで72時間先まで』の時刻を指定いただく形で、予約送信ができます。
候補者へ夜中の連絡を避けていただくなど、メールコミュニケーションをより最適なタイミングで行っていただくことで、候補者体験の向上につなげていただけると幸いです!
この機能は多くのユーザーさんからご要望いただいていた機能で、機能名から価値を連想しやすいと考え、あえて『次の午前9時』もしくは『30分刻みで72時間先まで』という、具体的な利用に踏み込んだ話を先にしています。どういう時に便利と考え、採用活動に活かしてほしいかも、後に続く文章で触れています。
3.操作場所のわかる画像をつける
ATSはたくさんの機能が詰まっているので、機能についての文字情報だけでは該当する画面を発見できない、というケースもあり得ます。視覚情報や直感性は大事かなと思うので、できる限り画像を添付するようにしています。
先ほどのメール送信予約機能の例でいうと、以下のようなスクショをつけています。
![](https://assets.st-note.com/img/1665120969364-6oF4PD2qbw.png?width=1200)
4.[コミュニティ投稿のみ]TwitterのURLを貼る
HERPは採用ドメインのシステムを提供しているので、サービスをご利用いただくメインは人事・採用担当の方々になります。人事の皆さんは、積極的にTwitter発信されていたりSNSでも繋がってたりということが相対的に多い職種なのではないかなとSNSを見てて思います。
「新しい機能リリースだ!嬉しい!」と思った時にその気持ちをシェアしていただきやすいように、告知文を全体にお知らせするより先にTwitterで投稿を行い、その後ですぐにコミュニティ・ユーザーさん個別にお知らせをしています(いつもシェアやいいねくださる方々、本当にありがとうございます)。
5.毎回リリースノートのURLを貼る
ユーザーさんがリリース告知のタイミングで毎回欠かさずお知らせを見てくださっているとは限りません。ですので、毎回リリースノートのURLを貼り、まとまった時間を取れるタイミングで過去分にもすぐに参照いただけるようにしています。
こことかもちゃんとPVとるなどして改善の動きはやっていっても良さそうだな、と伸びしろは感じつつも執筆していて思います…!
告知方法のポイント
告知方法は以下をポイントとしています。
ユーザーさんが認知できる箇所を多くする
普段やりとりしているチャネルで伝える
要望をくれていたユーザーさんにへ個別メンションする
開発に協力いただいたユーザーさんにお礼を伝える
ユーザーさんが認知できる箇所を多くする
「HERPで実施しているリリース告知」のパートでご紹介したように、主に4つのチャネルで連絡をしています。全て丁寧にご覧いただいている方からすると重複して情報が届いているとお感じになられているかもしれません。
しかしながら、ユーザーさんが認識しやすい場所は人ぞれぞれだと思うので、多少被っても目に触れることの方を優先しています。
普段やりとりしているチャネルで伝える
告知場所の一つに「ユーザーさんとの個別にやりとりチャネル(slackコネクトチャンネル・Chatwork・メール)」を挙げていましたが、数百ある連絡先に一つひとつ手作業で送ろうとすると、途方もない時間がかかります。
HERPでは、SlackのAPIを用いてスプレッドシート上から一斉にユーザーさんとやりとりしているチャンネルに連絡できる体制を整えています。昔は一つひとつ手作業で送っていたのですが、その姿を見かねた仲良しエンジニアまざっち( @mazamachi )が作ってくれました!かれこれ3年ほど使ってます。
![](https://assets.st-note.com/img/1665121395554-Ggc4KRZotC.png?width=1200)
近しいフェーズの toB SaaS CSの方にこの一斉連絡シートの話をしたところ受けがよく、同じようなものを作ってくれてるみたいです!(2社さんに真似いただいてます!)構築する仕組み自体は難しくないそうなので、皆さん社内のエンジニアの方に相談してみてはいかがでしょうか。
要望をくれていたユーザーさんにへ個別メンションする・開発に協力いただいたユーザーさんにお礼を伝える
上記のBotの通知に加えて、該当ユーザーさん向けのメッセージを添えてお送りしています。
そのほかのこだわり
リリース告知後、ユーザーさんに常に最新のHERP開発状況にアクセスいただけるように、開発ロードマップの更新やアポ時に投影する資料の更新を行っています。
その他にも「やったほうがいいかも!」と思われるものは、毎回ではないですが以下のようなことも実施してます。
ユーザーさん個別あるいは数社合同の説明会の実施
(半年〜四半期に1回の頻度で実施)リリース告知・開発共有会の実施
HERPのバリューに「やってみよう❗」というものがあり、機能によっては追加でアドオンの支援を企画した方が良いな〜と思えば、すぐに行動に移すことができます。
施策を止めたほうが良さそうだったら誰かが止めてくれると信じ合ってるし、最悪あまりうまくいかなくても「ナイストライ!」くらいに受け取ってもらえてる(と思ってる)ので、こういう取り組みを何かと始めやすいのは嬉しいところです。
さいごに
以上、「新機能リリースを最大限ユーザーさんに認知してもらうためにCSで取り組んでいること」でした!
機能リリース後の効果検証部分はまだ効果的なやり方を見出せてない・目標指標がないので伸び代があるというのが正直なところです。もし知見をお持ちの方がいらっしゃればいただきたいところです。(現状最低限の利用状況が redash で見れるようにクエリ書いてもらうくらい)
私も何か進展があったら筆をとろうと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございます。少しでもお土産になる学びがあれば嬉しいです。
最後にHERPの組織に少しだけ触れましたが、なんとなくでもHERPのカルチャーが良さそうだと伝わっていたらこの上なく嬉しいです。もし興味をお持ちいただけたら、採用サイトを覗いてみてください。カルチャーデックなどいろいろなコンテンツを公開しています。