城山文庫の書棚から026『エシカル革命』末吉里花 山川出版社 2021
エシカルという言葉に「人や社会、地球環境(人間以外の生き物も含む)、地域に配慮した考え方」という意味を与え、活動する協会の代表、末吉里花さん。「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターとして世界80ヶ国を訪れ、キリマンジャロ登頂時に温暖化の影響で氷河が溶け出しているのを目にして衝撃を受けたことが活動のきっかけだという。
エシカルな暮らしのルールとして「7R」を提案。そのうちReduceでは「地球1個分」の暮らしを意識して、ゴミや持ち物を減らすことを提唱する。私たちの現在の暮らしはなんと地球約3個分。これを3分の1に減らすことが、持続可能な暮らしの具体的な目標だ。
日常の中から、少しずつ行動を起こしていく革命を末吉さんは"エンゲージド・エシカル”と名づける。大切なのは「ポジティブな声を届ける」こと。エシカルに生きるとは「人間として、この地球でどう生きていくのか」を自分自身に問い、行動することだ。
自然や生き物を第三者としてみるのでなく、私とあなたという関係で捉え二人称で付き合ってみる。するとそこにパートナーシップが生まれ、エシカルをより一層自分ごとにすることができる。里花さんのメッセージはいたってシンプルで、だからこそ強い。
12/15開催ムハマド・ユヌス氏講演オンライン国際シンポジウム、後半のパネルに末吉里花さん登壇します。斎藤幸平・中島岳志の両氏も。ぜひご参加ください。
https://ethicaljapan.org/article/all/3806