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読書完走#406『建築家になりたい君へ』隈研吾 2021

世界的建築家が建築家を夢見る14歳を対象に語りかけるように書いた本。若者はもちろん、かつて建築家を夢見た50過ぎのおっさんが読んでも身に染みる良書。

隈さん自身が語る、生い立ちから建築家を志した理由、学生時代のアフリカ調査旅行、初めて設計した住宅。ところどころ隈研吾の人間臭さが滲み出ていて良い。この人が今、世界中でこれだけ多くの仕事を手掛け、注目を集める理由がよくわかる。建築は完成したモノがすべてではなくて、それが生まれる発端から出来上がるまでの葛藤、そして出来た後の使われ方、これらすべてを含めて建築なのだとあらためて思う。

先日、息子がぽろっと「建築とかインテリアのデザインって面白そう」と呟いたのを聞き逃さず、すかさず「面白い建築を見に行かない?」と誘ったのだが秒でフラれた。その時ひとりで向かった建築が、隈研吾さん設計の角川武蔵野ミュージアム。そこのショップで出会ったのが本書。なんだか何かに導かれたようだった。

この本を来週、14歳の誕生日を迎える息子に贈ろう。親父が先に読んだことは、もちろん内緒である。