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城山文庫の書棚から008『ニュータイプの時代』山口周 2019(ダイヤモンド社)

2020年最初に読んだ一冊。ふだん読まないビジネス書、知人から教わって読んでみたら、眼から鱗の連続。著者は広告代理店、外資系コンサルを経て独立研究者に。本書では最初に6つのメガトレンドを挙げ、それに適応するための24の思考・行動様式を説いていく。

6つのメガトレンドとは、下記の通り。①飽和するモノと枯渇する意味、②問題の希少化と正解のコモディティ化、③クソ仕事の蔓延、④社会のVUCA化、⑤スケールメリットの消失、⑥寿命の伸長と事業の短命化。

クソ仕事(=ブルシット・ジョブbyデビッド・グレーバー)やVUCA(=Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguityの頭文字を取った造語で、社会やビジネスにとって、未来の予測が難しくなる状況のこと)など、今となっては日常的に目にする言葉だが当時は新鮮だった。そして課題は解決するどころか、ますます深刻になっている。
“正解を導く力“から“問題を発見する力“へ、“役に立つ“から“意味がある“へと求められる価値は変わっている。各章の末尾にまとめがあってとても分かりやすい。ビジネス書にありがちな説教臭さはなく、しなやかな発想に共感。新しい年度の初め、できることから始めたい。