乱暴者の握ったおにぎり
オリジン弁当のおにぎりは時折無性に食べたくなる。
あの乱暴者が握ったような形と大きさ。
コンビニの整った形のおにぎりはどうにも背後にセントラルキッチンの存在を感じてしまうが、オリジン弁当のおにぎりは後ろに山賊の背後霊がちらつく。
あのおにぎりととり天のパックの組み合わせが自分の中の乱暴者を奮い立たせてくれる。あれを食べた後は山へタケノコでも取りに行きたくなるほど勇ましい気持ちになっている自分に気づく。
具の入り方も雑でよい。時々少なかったり、多すぎたりしているところが乱暴だ。鬼畜という映画で岩下志麻が赤子の喉に米を詰めて殺すシーンがあるがあれを髣髴させるぐらい勢いよく口いっぱいに頬張りたい欲求が湧いてくるのがオリジン弁当のおにぎりである。
オリジン弁当は弁当も美味しいが、注文して作ってもらっているあの待ち時間がなんだか気まずい。
あの総菜コーナーでパパっと選んで買えるのもオリジン弁当のおにぎりの良いところだ。
また包装の緩さもいい。
ざっくりとサランラップで巻かれ、シールが貼ってあるだけ。
装飾が少ない。
妙に漂う実家感というか他人の家のものを食っているような不思議な感覚も味わえる。
他人の家で食事をするのは苦手だがおにぎりだけは貰えるとなぜか嬉しいのである。
なんというかおにぎりが持つ独自の安心感とどこでも食べれるという機能性が好きだし、そこにさらに野趣が追加されることでなんだか活力が湧く気がする。
ワンピースのルフィがよく「肉が食いてえ」と骨付き肉を食べているが、やはりおにぎりの方がこれから頑張る感があるのでおにぎりに変えてほしい。
肉を食った後は大体セックスするだろ。港区の人とか。
そんな感じがあるのでこれからも沢山の戦に参加するルフィさんにはぜひオリジン弁当のおにぎりを食べてもらいたい。
自分には戦の予定はないのだが、最近久しく自分の中に闘志がなくなっているのでそろそろオリジン弁当のおにぎりを食らいながら町中のガラスを割って周りたいものである。