きみのおめめ サンタクロースへのお願い #21
「もうすぐクリスマスだから、なにお願いしようかなあ」
夕食のハンバーグを食べていた娘が、頬にデミグラスソースをつけていう。
あと2ヶ月くらいだねというと、「2ヶ月って、何回寝たら?」と聞かれ、60回くらいかな、と答える。
えー!と声をあげ、ろくじゅう?!と繰り返す。1ヶ月を30日をだとして、2倍だから60回くらいかな、というと、たくさんだなあ、とひとりごち箸を置く。
娘ちゃん、去年はサンタさんになにをもらったか覚えてる?と聞く。
「もちろん、覚えてるよ!」と元気に答えたあと、お手紙書いたのも覚えてるよ。と続けた。
昨年の12月、リビングの掃き出し窓にはサンタクロースへのお手紙が貼ってあった。
朝、カーテンを開けるたび目が合うそれは、毎朝私の心をあたためた。
願い通りシナモロールの髪留めをもらった娘は、今も時々保育園へつけて行っている。
今年は何をお願いするの?と聞くと、
「うーん、サンタクロースさんは何個までいいよって思ってくれるかな?」
という。たくさんあるの?と聞くと、「そう!」と欲しいものを挙げはじめた。
たくさんあるねえ、と言いながら、私の頭の中にぼんやりと浮かぶ窓ガラスへ、ぺたり、ぺたり、とお手紙が貼られてゆく。
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