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エッセイ

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楽しいもの、大事なものを見つけて言葉にするのが好きなんです。 「分かる!」も「へー」も嬉しいです。「へー・・・」も、是非。
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#休学

話したい

人と会ってただ言葉を交わす。 どんな時代でも当たり前に受け止められてきた行いを、私は24歳にして初めて大事なものだと知った。 もともと、私は盛んに人と話すことが苦手だ。 決してお喋りではないし、聞き取り困難症(LiD)の影響もあって気軽に話すという経験があまりなかった。 とはいえ、その分数少ない友人や知人のことは大好きで、人間は好きだ。会って話せば嬉しくなるし、会わない時期はいつか会いたいと思う。 なのに、私は人と会う機会を回避しがちで、今年は一週間ほど外に出なかったせ

ゆっくりそして自覚的

休学を選んだ私は、自分の感覚や考えに正直になりたくて、ゆっくり&自覚的に行動することを決めた。 これは自由に過ごせる時間があるから叶うことだ。 今までは、予定やすべきことを計画的に行うために、常にスケジュールなるものを意識していた。 その日や時間にすべきことを終えると気持ちがいいのも事実だったが、何かに迫られている感覚が始終付きまとうのも事実だ。「課題という予定」、「研究という予定」、「昼休みという予定」等々。 しかし、今の私の手元にあるのは、休養と資格の勉強の二つ。

選ばないもの

大学生6年目、修士2年目に突入した今、私は休学という選択に足を踏み出しかけている。 それが、「選択」という意味で初めての体験になるかもしれない。 思えば、私はずっと進路や人生のあれこれを選んできたようで、決定的な選択をしたことはない。 高校は地元の進学校、県内では強豪と言われる吹奏楽部に所属し、その後は地元の国立大学で過ごした。 部活も高校も三つの姉と同じだった。それでも、経済的な事情から逃れることはできなかったものの、私がこれだと思うところへ進んできた。 選んできた