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ドーパミン経路をハックせよ【ポジティブに中毒する方法】
動物園のイルカが水面から高くジャンプしてボールにタッチするシーンを見たことがありますか?
普通のイルカはあんなことしません。かといってダンベルで筋力トレしたり翼が生えないとできないわけでもありません。
つまりは
「やりたいと思って続けていればできるようになった」
という類のものです。
生まれつきの才能や素質ではなく、持っているものを活かす行動をする何かしらの「期待」を持つことができればどのイルカもできるようになるわけです。
じゃあどうやって「水面から飛び出すジャンプをする」という、それまでの日常にない行動をしたくなるのでしょうか?
脳の報酬系を働かせる
1つ目の答えは、エサです。
見たことがある人は思い出せるでしょうが、ジャンプすると必ずその直後にエサをもらえます。要は、ご褒美に釣られてやってるだけなのです。
じゃあ、ことばが通じないイルカにどうやって「ジャンプしたらご褒美があるよ」と伝えられるのでしょうか。
ここからがドーパミンハックの話に入っていきます。
多くの夫婦やカップル、はたまた会社のボーナスが「相手が頑張ったらそのぶんお返しをする」というルールでご褒美をあげています。
・最近ちょっと家を開けて妻に負担を掛けたから
・夫にいろいろ準備してもらったから
優しいことばをかけるとか、なにかサービスするとか、セックスやスキンシップを受け入れるとかプレゼントするとか、ご褒美の種類はいろいろあると思います。
付き合いたてのころは、「好意を示してくれた」ことに対しても相手に見返りをあげようとする動機になります。
けれどこの方法が繰り返されると、相手は次第に学習します。
報酬系を働かせたあとには、ステータスゲームが発生する
この行動に対してはこの程度の見返りがあるだろうという期待が生まれて、たとえ期待どおりに見返りがあっても「興奮」はなくなるわけです。
その結果、多くの人が取るアプローチはつぎの2つです。
・自分の負担を正当(過剰)に伝えてもっと見返りを要求する
・相手からの見返りを得るために、最小限の行動を学習する
そういったステータスゲームが関係性の中に発生してしまうのです。
たとえば会社で月給の何ヶ月ぶんのボーナスが出るという状況があったとします。
社員はローンの支払いや足りない生活費の補填の当てにしているので、受取ってもそれが次の行動のインセンティブにならないどころか、貰えないとモチベーションが著しく低下する要因になります。
だったら会社は最初から給料として渡せばいいのですが、保険料の支払額を下げる程度の固定費を下げるために、もし業績が下がってボーナスが払えなかった場合の大きなダメージ要因を抱えこむことになっているのです。
イルカの調教から学ぶ混乱と興奮を使ったハック
イルカの話に戻しましょう。
イルカは言葉で言っても伝わらないし、仮に伝わったところでそんな話を信じません。
NPO団体が綺麗な理想を掲げたところで、賛同者が集まらないのも通りすがりの新しい見込み顧客(スポンサー)に信じたくなるようなことをしてないからです。
一般的なカップルやボーナスのルールで言えば、一度も報酬を与える条件を満たさないまま関係性も始まりません。
そこでイルカの調教師は、ベイビーステップを踏みます。
はじめのステップ:期待を生み出す
まずはイルカが泳いで水面近くに来た場合にときどきエサをあげるようにします。
するとイルカは
「あれ、おかしいな。なんだろう」
と考えます。
水面近くという調教師のルールはまだわからないので、いろいろな要因を「想像(期待)」してエサを貰える状況を再現しようとします。
・エサの時間になったからかな?
・このエリア(水深ではなく平面座標)に近づいたからかな?
・神様に祈ったからかな?
・エサを思い浮かべた引き寄せの法則かな?
・さっき老人に親切にしたからかな?
そうこうしてチャレンジしていると、勢い余って水面から身体が出てしまうイルカが出てきます。
すると調教師はすかさず、2倍のエサを与えます。
わお!
イルカはコツを掴みます。
どうやら水面方向にダッシュで泳いだらいっぱいご褒美がもらえるらしい。
水面から身体が出たかどうかではなく、その直前の行動と関連付けて次の期待を持つようになります。
次のステップ:レベルの引き上げ
そうこうすると今度は水面から身体が半分以上出てしまうイルカが出てきます。
すると調教師はすかさず、エサを与えます。そのころには水面に近づいたくらいではもうエサは与えません。
この繰り返しでイルカは徐々にジャンプに必要な助走の動きを上達していきます。ここまではなんとなく想像できますよね。
でもここからがドーパミンハックの肝になります。
最後のステップ:ランダムな報酬
イルカにとってはジャンプ最高記録でエサは増えるけれど、以前のような水面近くでもらうチャンスがなくなることにも気づきます。
すると、1回で多くのエサをもらうために記録を更新する目先の目標を追うことで、以前よりも自分の負担が増えていることに気づきます。
すると、適当なところで手を打ってほどほどレベルでちょいちょいエサを貰おうとし始めます。
わかります?
そろそろイルカが自分の伴侶や職場の誰かのイメージに重なる人も出てきたかもしれません(笑)。
そこでイルカの調教師は、ドーパミンコントロールにおける最大の切り札を出します。
それは、最高記録を更新していないのに100倍のエサをばらまくのです。
えええええ!
イルカは興奮するとともに混乱します。
これまでの自分が学習したルールに抜け穴がある!
これを一発出せば、あとの全部がチャラになって十分おつりがあるくらいリターンがある!
そこでイルカはさらに熱心に過去の成功体験も踏まえながら、水面近くにダッシュで泳ぎます。
・最高記録更新の繰り返し
・ランダムな大放出
このコンビネーションで最終的にイルカは水面より高くジャンプする技術を身につけるわけです。
いかがですか?
不確実性が絶妙に調合されると人はハマってしまう
私たちは「期待どおり」になることを望みながら、常にその期待が満たされると、次第にそれは当たり前になりもっと強烈な報酬が得られないと、同じ行動を続けるモチベーションが低下します。
ポイントになるのは、「期待どおりにならないこともある」ということです。
あまりに期待どおりにならないことが多くてもやる気は下がりますし、期待どおりになりすぎてもやる気が下がる。
パチンコや携帯ゲームのガチャにハマる人がいるのも、たまに豹変して暴力を振るう彼氏と別れられないのも、この「不確実性」が絶妙なバランスで調合されているからです。
ゲームやDV彼氏のように中毒性が出てしまっては困るものもありますが、もちろんこれをポジティブな方向に活かすこともできます。
自分のモチベーションや相手のモチベーションアップはもちろん、夫婦関係や仕事、人生のマンネリズムの打破をしたい時などのヒントにしてみてください。
・-・最後に・-・-・-・-・-・-・-・-・
「頑張っているのに結果がでない」
「変わりたいのに変われない」
「セミナーや教材ジプシーになっている」
あなたにどんな挫折経験があっても、あなたは悪くないかもしれませんよ。
なぜなら私は結果が出せなかった多くの人をリサーチした経験があるからです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。